ブレワイ縛りプレイの魅力
「ゼルダ無双 厄災の黙示録」をクリアしたあと、またブレワイを再開している。ストーリークリアは数年前にしているが、いまだにやることが尽きないゲームである。続編ももちろん楽しみだが、正直まだこのブレワイも全く遊びつくしたとは言えない。一度クリアした後も縛りプレイにより二度おいしいこの作品、その魅力について書きたい。
クリアしていない方はまず普通にクリアすることをおすすめ
アクションゲーム慣れしている人向け
バグやMODなどは必要としない(バグは使うが必須ではない)
読了時間 約11分(約5300字)+短い動画
ブレワイの面白さ
いきなりデカすぎる見出しだが、ここではあくまでシステム面に限った話をする。クリア済みの方には確認のような内容だが、このあとの縛りプレイに関する話の導入である。
特に面白いと思うシステム、テクニック等について列挙しておく。まず「静粛性」のシステム。本作以前から虫捕りなどで似たシステムがあったが、本作では虫に限らずあらゆるNPCが物音に反応を示すようになっている。
これに関連して「ふいうち」がある。眠っている敵などに静かに近づいて攻撃すると攻撃力が8倍になる。本作特有のシステムと言える。攻撃力が上がるということは武器を節約できるということも意味している。ふいうち成立時には大きなSEが鳴るがこれはNPCには全く聞こえないようだ(重要)。
それから「装備の耐久値」。これに関しては必ずしも本作が初めてというわけではないが、マスターソード以外のすべての装備が壊れてしまうというのは本作の重要な特徴である。これは敵の武器を奪えるシステムとセットになっている。
縛りプレイをする理由
このようにブレワイには非常に面白いシステムが目白押しなのだが、中盤以降、これらのシステムの存在感はやや薄くなってしまう。それは装備やアイテムが充実し、いろいろなことがゴリ押しで突破できるようになってしまうからだろう。
序盤ではまだ十分に武器がそろわず、常に残量を意識しながら立ち回る必要がある。装備が消耗品であるということが、道中の敵を無視できない理由にもなっている。しかし中盤以降はポーチの大半が王家やライネルの装備で埋まっていた、という覚えはないだろうか。こうなってしまうと、新しい武器がドロップしてもポーチがいっぱいですと言われるばかり。武器の残量を気にするどころか、持て余すようになってしまいがちである。
また、本作では食事によって実質無制限に回復ができてしまう(しかもメニュー画面内で)ので、ダメージを受けたらとりあえずメニューを開く癖さえ付けていれば基本的にやられることはない。したがって敵の拠点を襲うにしても、最初は工夫しながら攻めていたのが、次第に正面から突っ込むようになってしまう。実際それが正解なのだから仕方がないが、どこか寂しい。最初の興奮はどこへ?
サイハテノ島の試練はその気持ちに応えてくれた。一時的に装備をすべて没収され初心に帰ることができた。またイーガ団アジトでは正面突破はできない難易度設定で、静粛性の意識を思い出させてくれた(実は正面突破もできるが)。制作側でもこのように考えてくれている部分はあるものの、やはり終盤にかけて装備のインフレ感は否めない。
こういうわけで、本作のノーマルモードをクリアした後、もちろんそれは素晴らしい体験だったが、再プレイするとしたら何か縛りを設ける必要があると考えるようになった。単に難しくするだけでなく、目立たないシステムにスポットを当てたいという意図である。
縛り内容を考える
マスターモードを始めるにあたって縛りを導入しようと考えた。というか昨年それでマスターモードをクリアした。その当時のことを思い出しながら主な縛り内容とその狙いについて書く。
まずハート強化禁止。これは真っ先に決まった。先述した回復が強すぎる問題についてはこれで解決できる。さらに「ミファーの祈り」と妖精も禁止することで常に死と隣り合わせの緊張感を保つことができる。本作にはオートセーブがあるのでそこまで気負う必要もないのだが。しかし少なくとも特攻は封じられる。回避ジャストのリスクも跳ね上がる。そのほか、装備強化禁止、マックス料理禁止、古代矢作成禁止などいくつか必要な縛りを設けた。
それからマップ使用禁止。初回プレイ時の楽しみの一つは未知のエリアを踏破していくことだったが、一度マップの全貌を把握してしまうと、あれだけ広く感じた世界もなんだか狭く感じられてしまう。一度手に入れてしまった土地勘を捨てることは難しいけれど、なら逆にそれを利用しようじゃないかという発想に至った。マップは取得せず自分の目で景色を見渡して、土地勘を頼りに進行することにした。ちなみにマップ禁止はワープ禁止ということでもある。
縛りが生むゲーム性の変化
実際プレイして、ゲーム性が大きく変わった。さらにこのゲームがいかに作りこまれているか、改めて思い知らされることになった。
まず先述の通り正面から攻め込むのは実質不可能になったので、敵の拠点を攻めるには夜襲が基本となった。拠点の敵は基本的に22時以降は眠ってしまうのでそこに潜入して一体ずつふいうちで撃破していく。
しかしすべての敵が眠ってしまうわけではなく、見張りの敵、リザルフォス、キース、チュチュ等は24時間警戒を解かないため、まず彼らを撃退しておく必要がある。特にキースは見落としがちで、防犯センサーのように機能していることに気づく。
また拠点によっては周囲に落ち葉が敷き詰められている場合があり、これを踏むとたとえしゃがみ歩きでも高確率で気づかれてしまう(避けるかスティックを少しだけ倒してさらにゆっくり進むしかない)。これも防犯システムなんだと改めて気づかされた。
キースや落ち葉などの罠を回避し、一体ずつふいうちで処理していく過程はさながら爆弾処理のようである。正面から敵と対峙するのとはまた違う、独特のスリルがある。
縛りプレイで有用なテクニック(2022年1月)
ここからは縛りプレイの中で実際に使用しているテクニックについて簡単に説明していく。動画はすべてswitchの30秒録画からなので30秒以内。
まず眠らずに一定の警備ルートを往復しているタイプの敵もいるが、これに対してはルート上に食べ物を置いておくと、敵が気を取られるので後ろからふいうちを狙える場合がある。
距離が遠い場合は壁や地面に矢を射るのもよい。音に敏感であることを逆手に取る形。
こんなの通常プレイじゃ必要ないテクニックだが……。しかしこれが実用的になる。そこに縛りプレイの面白さがある。
ふいうちを活用することで武器の節約にもなる。この縛りプレイでは武器が不足しがちなのでこれも重要なポイントである。
ちなみにふいうちで倒しきれない場合でもふいうちループというテクニックで倒すことができる(上の動画ですでに使っているが)。次の動画は弓矢と食べ物とふいうちループを全部使っている。
ボスなどふいうちが通用しない敵もいるが、ビタロックを使った戦闘テクニックについてもここで必要性を感じて習得した。これも動画で見てもらったほうが早い。
ワープ禁止ということでビタロックやバクダンを使った移動方法についても習得。Stasis LaunchとかWind Bombとか。やっぱり必要性がないとなかなか習得する意欲がわかないので。
WindBombは少しでも高さがあればどこでもできる。上昇気流やリーバルトルネードからはもちろん、ちょっとした段差や斜面からでも始動できる。成功するたびに高度が上がるのでスタミナが続く限り延々飛び続けることもできる(鳥人間チャレンジでマップ端まで行けたら一人前)。
StasisLaunchはバグじゃないと思っている(本来のビタロックの使い方をしてるだけだし)。動画よりもっと効率的なやり方もあるが操作が忙しい。オクタ風船を使うと簡単で安定しやすい。鉄箱や岩を使う亜種も存在する。
ほかにBTBというバグ技もあるが比較的難しく安定できなかったので使っていない。
結局この縛りプレイを継続して途中くじけそうになりながらも何とか四神獣を開放。難所はやはり雷カース。電気をまとった盾をゆっくり押し付けてくるのがシンプルにキツすぎる(回答:やられる前にやる)。厄災ガノンは壁から落としたときに当たっただけでアウトなのが面白い。しかし何とかクリアした。
今後やりたいこと
この縛りプレイは昨年やった内容であり、現在はノーマルモードで100%クリアを目標にしている。コログが残り数十体いる。
縛りプレイ中に覚えたテクニックはノーマルモードでもそのまま利用しており、そのせいで武器が余りまくっているので、王家とライネルの装備は所持禁止という縛りを新たに設けている。いろいろな武器があるのも本作の魅力なので。
まとめ
知っての通りブレワイには無数の面白いシステムが存在するが、通常プレイでは日の目を見ないものも多い。しかし効果的な縛りを設けることによって、それらを実用的なものにできる可能性があると考えている。皆さんも自分が最も楽しめる縛りプレイを模索してみてはいかがだろうか。
追記(おまけ)
そもそもこのゲーム、ガノン以外の敵は基本的に無視できるのに、なんでわざわざ戦っていたんだろう。私の場合、単なる惰性あるいは従来の3Ⅾゼルダの固定観念に縛られて戦っていた気がする。
しかし実際、縛りプレイによって敵との対峙リスクが跳ね上がってみると、当然「戦わない」という選択肢が頭に浮かぶ。つまりそのとき私もアクションゲーム初心者の目線を疑似体験したわけである。
その状態で改めて考えると、敵から逃げてばかりいると武器は集まらないし、金策もなかなか進まない。思い返せば、装備強化のために必要な大妖精は最初にルピーを要求してくるが、あれは強化の前にまず敵との対峙を経験してこいという意味だったのだろう。しかしもちろん採集などで地道に稼ぐ手段も用意されてはいて。
このゲームの特徴を聞かれたら誰もが「自由度の高さ」を挙げるのではないだろうか。しかし初回プレイ時にアクションゲームのスキルや経験に任せてクリアしてしまった自分は、本当の意味ではそれを分かっていなかったのでは、と少しだけ思った。
本当に終わり。
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