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誰が喜ぶ物でもなく、自分が喜ぶものを身に纏いたい

これまでの記事では数回にわたり、誰かの目を気にして生きるのではなく自分の気持ちに素直に生きていたいということを書いている。
これは衣服についても同様だと思う。

ファッションも自分自身を表す重要な要素だ。
服装を見ればその時の自分の置かれている状況もわかる時がある。制服はその最たるものだ。自分の所属や身分を表すが、個人を表す物ではない。制服は個性を殺す。今回はその話がしたいわけではない。

自分のファッション遍歴を振り返ろうと思う。
生まれてから今までの衣服に関することを思い返してみてみる。

私の持つ一番古い記憶は生まれた直後だ。
自分が仰向けに寝かされていて、その周りを兄が走り回っている。たまに踏まれた。後から聞けばそういうことがよくあったらしい。
ただその頃のファッションに関する記憶はない。

ファッションに関わることで最も古いのはなんだろうか。
保育所に通い始めた頃、足の親指を怪我したことがある。結構深く傷つけてしまい、包帯を巻かなければならなかったため靴が履けなくなった。
そのときにサンダルを買ってもらったのだが、それが戦隊モノのサンダルだった。
怪我は痛かったが、それは嬉しかった気がする。家では気に入って履いていた。
それを履いて保育所に行ったときに友達が私のサンダルに気がついて言った。

PanTomくんは○○レンジャーが好きなんだねー!

なぜかこの言葉が私にはとても恥ずかしく感じた。
そのため今考えるとありえない嘘をついた。

違うよ!お母さんが好きなんだよ!

みんなが靴を履いているのにサンダルを履いているのが恥ずかしかったのか、自分の好きな気持ちを指摘された恥ずかしさか、それはよくわからない。
ただとにかく強がった。
幼少期から自分の気持ちを誰かに指摘されるのは苦手だったのだと思う。
それは30代になった今でも変わらない。


小学生の時に気に入っていた服がいくつかあった。
Tシャツはなぜか「Head」と「Puma」のワンポイントのものが好きだった。
Pumaはいくつかの色のものを持っていたが、特に気に入っていたのがピンクのロゴのものだった。ロボットのような男の子らしいものも好きだったが、カワイイものも好きだった。後にリラックマが好きになる。
小学○年生を定期購読してもらっていたのだが、そこで男の子が女の子アイドルとしてデビューする話がなぜか好きだった。語弊がないように言っておくが、そういう思いを持つ方に偏見は全くない。個人の主義思考は誰かがとやかくいうものではないと思っている。その上で、私はそういった変身願望は無い。
しかしなぜかカワイイものが好きだった。かっこいいとも言われたかったし、カワイイとも言われたかった。とにかく誰かに褒めて欲しかったのだと思う。

小学校中学年か高学年の頃にスリーラインのズボンが流行った。
私も買ってもらった。とても嬉しかった。
今でもアディダスのデザインは好きだが、当時はスリーラインがかっこいいというよりも、みんなが持っているから欲しかったのだろう。
誰かと一緒であるという安心感が欲しかったのかもしれない。この感覚が最近まで私を苦しめていた。

中学校、高校はいわゆる田舎の若者的なデザインの服装をしていた。
よくわからない英語の服を着ていた記憶がある。こういうものも他の人が着ているから私も着ていたのだろうか。

大学時代での服装は正直よく覚えていない。
4年間のうちはっきりと覚えているのは1回生の頃だ。
好きな黒のシャツがあった。
またカジュアルなネクタイを好んで着けていたように思う。
漫画NANAの登場人物のような服装に憧れを持っていたのではないだろうか、という服装だ。今なら絶対にしない。

そこから服装は徐々に変わっていったはずだ。
ただどういったものを着ていたのかは覚えていない。

社会人。
仕事はスーツのため特に迷うことはない。
私服を着る回数は減った。結婚するまでの服装で気に入っていたのは柄シャツだったように思う。またミッキーのスカジャンを大切に着ていた。
映画やドラマの中の弱いチンピラのような服装だと今なら思う。

妻と出会ってからは服装の趣味もどんどん変わっていった。
妻が私に着て欲しい、似合うと思うという服を好んで着るようになった。それは妻への信頼の現れであると思う。ただ本当にこれは似合っているのか?と思うものも少なくはなかった。

最近では自分の好みと妻の好みの折衷案のような服装になっている。
基本的にはシンプルな服装が好きになった。無地のTシャツやシンプルな作りのズボン。上はゆったりめ、下はタイトめのものが好きだ。
ちょっとオラついている?というような服装も実は好きだ。妻も試着してみた私に案外似合うと言ってくれた。
アロハシャツを2着持っているのだが、それを最近は着たいと思っている。それに関しては妻は嫌がるが、身につけた時に自分の気分が上がる服装を着たい。


こうやってみると大学に入学してからは、案外自分の期待服を着ているのではないだろうか。
ただその時々で好みが違うのも面白い。
これからまた自分の服の趣味も変わっていくのだろう。そういえば髪型も以前と比べて結構変わった。
そういう外見の変化も楽しんでいきたいと思う。



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