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【時事問題】ウクライナ情勢悪化の影響 (国際物流)

少し間が空いてしまいました。

毎日、ニュースを見て途方もない気持ちになりますが、ロシアがウクライナへ侵攻を開始してから約2週間強。ポーランド留学時代に、プシェミシェルから国境を歩いて越えてリビウまで旅行をした時の事を今でも鮮明に覚えていて、あれから約10年たってこういう形であの場所を思い出すとは思いませんでした。事態の収束を切に願うばかりです。

この件に関しては、当然の事ながら国際物流網、特に航空便の運航に大きな影響を与えており、毎日18時以降は"第2ラウンド"として欧州支店の方々と輸送の調整が続いております。フォワーダーの仕事は、いつも海外情勢の影響がダイレクトにきますね。改めて実感してる日々です。(+_+)

でわ、具体的にどんな影響が出ているのか、少しまとめてみました。

欧州→日本までの最短ルートは、ロシア上空を通過するルートなのですが、ご覧の通り現在の状況からロシア上空を避けるルートの運航を強いられており、高校距離が延びる事から運賃の上昇が凄まじいです。

ルフトハンザ716便 ウクライナ侵攻前
同便 ウクライナ侵攻後

ウォールストリートジャーナルでもウクライナ侵攻後のフライトルート変更の記事がありました。比較のイラストがすごくわかりやすいと思います。

また、欧州系の航空会社を中心にアジア向けの便の運航を停止していたこともあり、一時的に約20%ほどの輸送スペースが減少したともいわれております。

ただでさえ、コロナ禍の影響で航空機の運航数は2019年と比べて少ない状況であったマーケットに、更に深刻な影響を及ぼしております。

これに関しては、完全にウクライナの情勢が収束しない限り正常化が見込めない状況と考えます。これにより、ロシア、ウクライナを発着する船舶やアジアと欧州を結ぶシベリア貨物鉄道も運休を余儀なくされており、物流網の目詰まりによる、さらなるサプライチェーンの悪化が深刻です。

ここ2,3年は、本当に国際物流網における異常が多く、各企業においてはサプライチェーンの見直しや生産拠点の国内回帰の機運が高まっていると聞きますが、今の状態がずっと続くとも思いません。

振り返ってみれば、今が我々の普段の生活や世界のあり方が変わったターニングポイントであった、と言われる日が来るかもしれませんが、日々刻々と変わる世界の流れに対して、一人一人がもう一つ高い意識をもって、広く考える必要があるのだと思います。

今は、まずウクライナの早期正常化を祈るばかりです。

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