話題に事欠かないミスター裕也ばなしを含む続オフィシヤル話
アストンマーチンの後日談として、その後、彼が帰国してしばし後に、キャンバスのサンルーフの付いた、ブリティッシュグリーンのDB5が到着。ボンドカーとはまた違ったそれは素晴らしいアストンマーチンにため息をつくばかりであった。
そしてオフィシャルから懐かしいミスター裕也との写真がnoteに出された。
流れで、何度か話しを。
ミッキー・カーチスさんの芸能生活幾年かのパーティーが新宿ヒルトンで開かれ、それは驚くほどの大勢の関係者が集まり、大盛り上がりの祝宴だった。それが終わり、限られたエレベーターの混み具合から、ジョーたちと別れ、一段落してからゆっくり帰ろうとソファーに座って待っていると、ジョーが戻ってきて、
「PANTA、何やってんだよ、裕也さんが待ってるよ」
と急かされてしまった。そういうのが面倒くさいからあとでゆっくり帰ろうと思ったのに、ジョーに言われては仕方ない。
「わかった、I GOT IT」
と急いで駐車場に向かい、当時、転がしていたシャドーⅡを表に出すと、ジョーの事務所の車のメルセデスの後席に座る裕也さんと会釈し、原宿のお好み屋に向けて明治通りをメルセデスのテールランプについて行った。
後日談でジョーから聞いた話だが、裕也さんが何度も振り返りながら、
「なんでPANTAはあんな車に乗っているんだ」
とジョーに問いかけ、ジョーは
「裕也さん、ロックミュージシャンがああいう車に乗れる時代になったんですよ」
とそつなく返し、
「そうか」
と彼を納得させたらしい話を聞いて笑ったものだった。
そして原宿の店に着くと、高倉健さんが来ていたらしく、それで裕也さんも急いでこの店に来たかったのかと納得。車を停め、自分が店に上がったころには、健さんはさっさと帰ってしまったらしいが、カウンターの上に、当時、彼が撮影中だった「47人の刺客」の台本が置かれていた。
自分がそれに目を通していると、マスターから
「それ健さんが置いていったものだけど、持って行っていいよ」
と嬉しい言葉をかけられ、持ち帰らせてもらったのだ。
いまでも「47人の刺客」の健さんの台本は大事な宝物になっている。
そしてはたと気づいたことだが、そうか、ミスター裕也は健さんの大ファンなのだ。
彼の話し方も含め、ミスター裕也の仕草は健さんだったのかといたく納得。つい胸の奥で自分も「恐縮です・・」と呟やかせてもらい本当に留飲の下がる思いであった。
その後、ずいぶん時がたったある夜、宇崎竜童と電話で話していた時に、長電話の嫌いな自分が、ブラックレインの竜童長話でミスター裕也に纏わる面白すぎる話を聞かされ、しばし笑いが止まらなかった思い出もあるのだが、残念ながらその話は墓場まで持っていかねばならないような内容なので、ここに記すことは出来ない。
残念だがあしからずというところだ・・・。
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