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映画「沈黙」


台湾でスタジオ入りすると焼けて外壁だけ残された聖ポール天主堂跡がまず目につく。
驚いた、こんなどでかい天主堂跡をスタジオに作ってしまうハリウッド。
広く長い階段を、アンドリュー演じるロドリゴと、アダム・ドライヴァー演じるところのガルぺが、日本で転んだフェレイラと会うために、ヴァリアーノと日本へ行くための画策を話しながら降りていく。これだけのためにこんな凄まじいセットを作ってしまう映画の世界にため息をつきながら、まだまだつづく驚きの連鎖にもう最初から眩暈がしそうだった。
余談を言えば、このヴァリアーノがインドのゴアを経由してモザンビークから黒人奴隷を連れてきて、後に本能寺で信長に謁見させ、弥助と名付けられる。いま世界でも話題になっているブラック-サムライこと弥助のことである。
彼は本能寺で初めて信長と出会い、そして本能寺でまた大暴れしたあと、信長と最後の別れをしなければならない宿命となった。
その後、弥助は砲術の技術を生かし、原城で砲兵を指揮していたとか、いろいろ逸話は絶えないが事実のところは誰も知らない。
そして天草へ侵入したロドリゴとガルぺの苦難から物語が始まるのが、映画「沈黙」なのであった。

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