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#伊東潤

伊東潤「真実の航跡」

伊東潤「真実の航跡」一気に読了、こんな緊張感を持ちながらページをめくり続けたのもひさしぶりだ。 世にあまり知られていない話だが、第二次世界大戦中のスンダ海峡西方、ココス島南方にて撃沈した英国輸送船の乗員を救助していながら、船上で虐殺していくという重巡利根の艦長の不可思議な行動は、戦後、ビハール号事件として戦犯裁判にかけられる。 このむずかしい戦犯裁判に取り組み、緊迫感この上ない方形の戦場、法廷での戦いに取り組んだ凄まじい作品。 この時代、ただでさえ記憶の片隅からも消え去ってし

「夜叉の都」伊東潤

さる重要な件で伊東潤さんと連絡を取り合い、その際、新刊ですといただいたこの「夜叉の都」。 凄まじい本だった。遅読の自分があっという間に読了、というよりページを捲るのを止めさせてもらえなかったと言った方が良いかもしれない圧倒的な情報量と速度感。 小学生の頃、夢中になって読んでいた歴史全集の中でも、たぶん数十行で片づけられていた鎌倉三代が、こんなはっきりとした形で甦り、時系列、人間関係などか激流のように頭の中に飛び込んでくるとは思わなかった。 しかし身の毛もよだつほどの凄惨な現実

2020.6.1 頭脳警察〜金属恵比須〜伊東潤

Panta : 頭脳警察〜金属恵比須〜伊東潤 高木大地くんが頭脳警察と金属恵比須、そして伊東潤さんとの出会いを書いてくれた♬ 映画「いぬむこいり」の撮影で鹿児島は指宿に滞在していたおり、高木くんには知覧へ向かう途中と言ったが、思い返すとその前に、その昔、青山音楽事務所にいた井上氏に会おうと市内の店に、そして自宅に行かせてもらったのだが会えず(後で緊急入院と知る)、佐藤 紀雄くんと隼人嬢のレコーディングにお邪魔しようと群発性地震の止まらない霧島へ車を走らせているとき、ラジオから

2020.5.29 「茶聖」読了

Panta : 伊東潤さんの「茶聖」読了🎵 いま大河ドラマ「麒麟が来る」でも主人公となっている明智光秀の娘、珠子が細川忠興に嫁ぎ、従女との関わりでキリスト教に傾倒、堺で洗礼を受け細川ガラシャとなるミッシングリンクを探りたくて、千利休にその糸口があるとかねてから睨んでいた、それを確かめたくもあり伊東潤さんと千利休とキリシタンの話しも楽しみにしながら読ませていただいたのだが、重要な場面に夫細川忠興はたびたび登場するにも関わらず、ガラシャは一度も登場せずにまたあらたに糸口を探す旅が

2020.5.13 伊藤潤「茶聖」を開く

Panta : 伊藤潤「茶聖」を開く、早く読まねばと思いながら、なかなか機会に恵まれず、佐藤良明訳によるボブ・ディラン詩集と一緒に購入、読み始めたところ♬ 逸る気を鎮めるという茶を政治に利用したのは信長だという、第一章前のプロローグですでに嵐の中、茶室での利休の旅立ち、いきなりの衝撃にページをめくる手も憚れる、ルイス・フロイスなどの文献を調べねば確実なことは言えないが、明智光秀の娘、珠子が堺で耶蘇教の洗礼を受けられたのは利休の手配に他ならないという自分の持論を、早くこの茶聖を

2020.3.21 「茶聖」

Panta : 映画「いぬむこいり」の撮影で鹿児島指宿に滞在していたおり、知覧へ向かう車中のラジオで伊藤潤さんが村田新八の視点で西郷隆盛を描いた当時の新作「武士の碑」の話をしているのを聴き、その後、金属恵比須繋がりで高木くんらと共に出会い、いまに至るお付き合いをさせてもらっている♬ 映画「下忍」の時も、幕末に忍者ですかとちょっとした乱破話となり、この利休の話もさせていただいた♬ あくまでも自説の利休話だが、明智珠子が堺で細川ガラシャとなるその洗礼の儀を手配したのは利休ではなか

2019.6.6 伊藤潤さんの新刊「家康謀殺」

Panta : 幕末の折、勤皇と刃を交えに京へ走った高祖父との摩訶不思議な縁を痛感しているここ数日、よりによって放送禁止用語にしたいような伊藤潤さんの新刊「家康謀殺」の言葉が金属恵比寿の新曲とともに耳にねじ込まれてきたのだった…♫