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PANTAのnote

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2023年6月の記事一覧

伊東潤「真実の航跡」

伊東潤「真実の航跡」一気に読了、こんな緊張感を持ちながらページをめくり続けたのもひさしぶりだ。 世にあまり知られていない話だが、第二次世界大戦中のスンダ海峡西方、ココス島南方にて撃沈した英国輸送船の乗員を救助していながら、船上で虐殺していくという重巡利根の艦長の不可思議な行動は、戦後、ビハール号事件として戦犯裁判にかけられる。 このむずかしい戦犯裁判に取り組み、緊迫感この上ない方形の戦場、法廷での戦いに取り組んだ凄まじい作品。 この時代、ただでさえ記憶の片隅からも消え去ってし

中学時代のある日①

 中学時代のある日、クラスにロータリークラブ(結婚斡旋のシステムではない)の加入の話が舞い込んで来た。会員になると外タレ等のコンサートのチケットが優先的に割り引きで手に入るという代物で、そういったものには必ずと言っていいほど、まず疑ってかかるオレではあったが、友人との付き合いもあり加入することになった。  その第1弾として、新宿厚生年金会館でやるザ・サファリーズというグループのコンサートに行くことになった。  当時、サーフィンミュージックからホットロッドという車の排気音などを

ヴェロニカ~ロニースペクターが78歳の幕を閉じた

その夜は一睡も出来ず、ロネッツを聴きまくっていた♬  ヴェロニカ~ロニースペクターが2022年1月22日、78歳の幕を閉じた。 2021年、フィルスペクターが獄中でコロナで死んだばかりだった。 ウォールオヴサウンドに纏わるフィルスペクターの話をしだしたらキリがないが、ラストプロデュースのラモーンズのアルバムは車で良くかかっていたものだ。 そういえばロニーだけでなく、ラモーンズやジョンレノンもアレンジなどを巡ってスタジオで拳銃を突き付けられていたというからフィルとのレコーディン

スモーキーベーコンエッグステーキバーガー

おおくぼけいとボリュームたっぷりのスモーキーベーコンエッグステーキバーガーにかぶりつく♬ エアフォースワンも去った横田基地第2ゲートを過ぎ、JASDF〜空自セクションの向かいのデモデにて、締めのミシシッピーマッドパイの生クリームを唇から拭い取り、水族館劇場に顔を出す前、江戸&東京都の飲料水の源流である玉川兄弟の像の建つ玉川上水取水口の羽村の堰にてインスタ狙いにツーショットwww。

「Panta et Kei Ookubo」

待望のおおくぼけいのピアノとのデュエットアルバム「Panta et Kei Okubo」が発売されています♬ Panta et Laigle Noir からの流れで、「Panta et Kei Ookubo」というタイトルにしてしまいましたが、実態と名づけ方は昔、鈴木慶一とやった「PKO」の続編と思ってもらっても良いかもしれません。 とにかく後半ではこんぶちゃんこと竹内理恵嬢も入ってくれ、おおくぼけいの熱いピアノが炸裂しています。 橋本治の死を知り思わず歌をかいてしまった「冬

「PANTAと仲間たち~ヤルタ・クリミア探訪記」に寄せて

渡航禁止レベル3の警告を無視して、2018年クリミアを訪れた。 折しも2014年にロシアがウクライナからクリミアを併合したその4年後、まだ両国間でいつ火花が散ってもおかしくない状況のなか、日本人なら忘れてはいけない戦後の運命を決められたヤルタ会談の、そのヤルタ市政180周年を記念する音楽祭に招待され、一水会の計らいで出演することになったのだ。 そしていまウクライナの惨劇が毎日報道されるなか、とても他人事とは思えない自分がいる。 揺れ動く歴史の歪みのなかで訪れたクリミア探訪、ウ

2022年3月14日 宝田明さん逝去

宝田明さんがお亡くなりになった。 「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」を主宰する御手洗志帆さんの計らいで、宝田さんの楽屋を訪れるやいなや、駆け寄ってきてすっと手を差し出してくれた宝田さん。 世間的にはゴジラと宝田明なのだろうが、1968年、まだ自分が19歳の若造だったときの出会い。 自分にとってはピーナッツバターをやめ、弘田三枝子さんのバックを務めていたTHE MOJOのヴォーカルとして、宝田明さんが主演の「新・平四郎危機一髪」という連続ドラマに、ジュリーもどきのアイドルとし

『唇にパンク』

『唇にパンク』(笠原倫・著)という伝説的ともいうべき漫画がある。  自分のアルバム『唇にスパーク』からインスパイアされていると聞いたが、それはそれは死ぬほど面白く、バカバカしく、みんなに読めと強要したくなる大傑作な漫画であった。  ネタばれもクソもないが、都立伝承館高校(?)のバロ研~バロックにあらず、バカロック研究会とメタル野郎の闘いの物語。  こんなに死ぬほど笑った漫画も久しぶりだったこともあり、お薦めしたいことしきり。ただあくまでも当時の笑いであるからして、いま同じよう

仲野茂がパーソナリティを務める ラジオJAG にPANTAがゲスト出演!

中坊の仲野茂が、ラジオから流れてきた頭脳警察の「ふざけるんじゃねえ」 を聞いて、なんだ!ロックは何を歌ってもいいんだ、なんてスゲー❗とにかくスゲー❗最高にスゲー❗俺の脳ミソがロックにやられた瞬間だった… 仲野茂×PANTA 対談!仲野茂がパーソナリティを務める ラジオJAG vol.84にPANTAがゲスト出演!二人だけの懐かしの話から最新アルバムまで。 必聴! ラジオJAG vol.84「俺の脳ミソがロックにやられた瞬間」→ https://youtu.be/L2Yh8

PKOの打ち合わせ

玄関からエレベーターで下り、CD書籍で山積みとなった地下スタジオ、最新型のアナログプレイヤーで最新のアナログEPを味わいながら、でっかいモニター画面の前で話はどんどん盛り上がる。 盛り上がれば腹が減るということで半ば強引に慶一愛用の町中華へ案内してもらう。 一時期この辺で暮らしていたこともあるが、橋本くんと夜の密会ばかりしていたので、このお店は入ったことがなかった。 もう少し行くとかつてのエンケンの住処があり、慶一となら10分で済む話を、全部やらないと気が済まない遠藤くんと2

頭腦警察7「万物流転」

麻布一の橋の寺の境内にて、大倉流大鼓の大倉正之助と膝を付き合わせていた。 「Pantaさん、皮を張った鼓は叩くのではなく打つのです」 と気持ち前へ押し出すように気を集めた指先で大鼓を打たされていた。 そして時を経て… 「たんたん たんたんたん」  万物流転はこの太鼓の音から始まる、遥かな雲海を見下ろしながら、まだ毛のついている生皮の太鼓をアンデスの頂から響かせる。 そんなこの世に存在しない乾いた永遠の息吹を求めていた。エンジニアとも言葉の応酬は続き、そして映像にもあるようにマ

スージー・クアトロ 4「ツアー最後のハプニングと再会」

そしてツアーは終盤に近付き、最終の富山を迎えたのだが、翌日、渋谷公会堂へ行かねばならないのに天候不順で有名な小松空港から飛行機は飛べなくなった。 このときのウドーのスタッフの機敏さはそれはそれは見事だった。列車の時刻表をさも使い慣れが辞書のようにめくり始めると、列車への搭乗時刻と列車名、米原での新幹線への乗り換えなど的確に指示を与え、それはそれは鬼神のごときスタッフ魂に舌を巻くほどに恐れ入ってしまった。 そして渋谷公会堂へ一時間遅れで到着。 それまで待っていてくれたお客様に心

中島貞夫監督 逝去

中島貞夫監督のご逝去を知らされ、深い悲しみに包まれているところです。 ビクターのロビーであった監督は皮のベレー帽らしきものを被り、サングラス姿。 中島監督は、まさに自分の頭の中に描かれた中島貞夫監督そのものだった。 新作映画の音楽の依頼ということで、生意気にも監督に 「まず絵を見せてもらえませんか」 と問いかけたところ、不可思議な笑みを口元に浮かべ、 「いやまだ撮っていない、まず曲を書いてくれれば、映画はそれに合わせて撮るから」 と返された。 映画の世界とはそんなものなのかと

6月14日「夕刊フジ・ロック 5th Anniversary〝Thanks “」

地獄から2度も追い返され、また灼熱のライヴ天国に戻ってまいりました。 いろいろなアクシデントに見舞われながら、医者にも奇跡だと言われ、こんな復活劇の幕を開けられるとは、どんな脚本家でも書けないだろう、自分でも信じられないくらいの出来事でした。 度重なる障害に便宜を図らってくれた渋谷duoに感謝しつつ、還暦を迎えたA氏・ゴールデンカップスに入って55周年を迎えるミッキー吉野。 円熟の極みの存在感で自分を包んでくれる吉野藤丸。 客席も圧倒されまくった山本恭司の超人的プレイ。 特