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世界に向けて

TOMMY HONDAという名義でギターを使ったインスト・ミュージックをやろうと思ったきっかけは、こちらのインタビューなどでも話したことがあります。

今回は、では、なぜ"インスト"でやろうと思ったのかを書きたいと思います。

先に答えを言ってしまうと「日本以外の人にも聴いてもらいたかったから」です。

これまで、PANORAMA FAMILY名義で、日本語を使ってラップ・ヒップホップと言われるやり方で音楽を作ってきました。2000年初頭でPCもインターネットも自分は持っていないときに結成したので、日本語でやる方法を選びました。また、この当時は、メロコアの大流行によって、どこもかしこもカタカナ英語で歌うダサいバンドばかりで、しかも彼らが英語で歌う理由は「世界で通用したいから」とインタビューなどで言っていて、僕はそういう発言を聞いたり読んだりするたびに、「じゃあ、なんで変な発音で歌うんだよ? 意味わかんねぇな。楽器より英語勉強しろよ」と思う性格の悪さを持っていたので、自分でやるなら日本語にこだわろう(でもカタカナはOK)、と思ったんです。

それで、日本語で音楽を、PANORAMA FAMILYを始めました。(最初は表記もパノラマファミリ〜でしたが、どこかの球場にパノラマファミリーシートという座席があるのと、パノラマとかいう系譜の電車があるらしく、それをパノラマファミリーと呼ぶ人が多かったので、エゴサーチしにくいので、のちに英語表記にしました。)


そして、ときはだいぶ過ぎまして、SNSやネット、機材、テクノロジーの進化によって、世界が昔より随分と身近に感じられるようになってきました。

それで、「次に音楽をやるなら世界に向けてやりたいな。そもそも、オレは日本の音楽に興味を持ったことなんて、ほとんどないわけだし。だったら言葉の壁を越えやすいように、どうせなら歌なしのほうがいいな」と思ったので、TOMMY HONDAでは楽器メインにした表現になりました。


TOMMY HONDAにはそんな経緯があるんですが、最近Instagramに海外からほとんど毎回コメントをくれる人が現れました。
彼はイギリスのミュージシャンっぽいんですが、毎回くれるコメントが優しいので、ほっこりしています。

また、もう一人よくコメントをくれる人がいて、彼はアメリカのカリフォルニアのサーファーで、僕と同じように音楽を作っています。曲が配信されるとDMで連絡してくれたりして、こちらもやりとりすると同じようにほっこりします。

Youtubeのコメントも、TikTokのコメントも今のところ全て海外の人たち。
「この動画はもっと聞かれるべきだ!」とか嬉しいコメントばかり。

再生数はPANORAMA FAMILYのときにくらべるとだいぶ少ないけど、今は少なくても色々な国・場所で聞いてもらえることの方が嬉しいです。


TOMMY HONDAを始めてから、SNSのフォロー数やフォロアー数とか、ほんとうに興味なくなった、というか、その人を計るものさしにはならないなと、よく思います。
たとえ少ない人数でも、僕の音楽に興味を持ってくれて、気に入ってくれた人がいる。そしてその人たちは、まだ会ったことも行ったこともない場所にいる。

それが、今の僕にとっては重要なんです。

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