高校生の時にかいたやつ②

2019-02-27
今日は6時限目と7時限目を、音楽の歌のテストに費やした。
先輩が言うには、「間違えると地獄」らしい。
音楽室に入ると、皆神妙な面持ちであった。
小生は「センベイ・来るでーれ」という、他国の言語の曲を歌うことにしていた。








小生が歌う番は16番目くらいであったと記憶している。
歌の上手いクラスメイトたちは、スタンディング・オベーションをうけ、音楽室の天井から光が差し、たちまち吸い込まれていった。
小生、昨日道に咲いていた花をむしゃくしゃして五等分にしてしまったことを神様に謝る必要があった。
そのため、小生はどうしてもスタンディング・オベーションを受けなければならなかった。

先生はピアノを弾き続けた。
小生はテストを重視しておらず、当然のように歌詞を覚えていなかった。
そのため、ステージにあがり、ピアノを狂ったように弾いている先生が用意した薄汚れたガムテープの上に立った時、小生は様々を察した。
「あ、無理や」
小生の身体は心臓になった。
歌い始めると、口角が小刻みに痙攣した。それと同時に、校舎が揺れた。
どうやら小生の口角と校舎は連携しているらしかった。初めての知識であった。
小生の歌声を好きだと言ってくれていたクラスメイトも、人が変わったように海苔が巻かれた煎餅を投げつけてきた。
小生、案の定大きくミスをした。
すると今度は天井から、頭が3つもある、本でみたような、犬が降りてきた。
地獄の門番として生計を立てているケルベロスであった。






小生、まだ生物の訂正ノートを提出していなかったため、ここで死ぬわけにはいかなかった。
小生はクラスメイトが投げつけてきた煎餅をケルベロスにやり、見事時間を稼ぐことに成功した。
先生はピアノを弾き続けた。
生物の訂正ノートは無事に提出することが出来たので良かった。

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