ぱんにばる

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感受性貧乏が中島らもの『今夜すべてのバーで』を読んだ話

中島らもの名作今夜全てのバーで 依存性に寄り添ってるように見えて、アル中の味方にも見えて、周りを大切にすることによって自分を大切にすることを覚えることにも見えて、 内容はアル中の中年が入院して退院するまでの話。 幻想と現実を行き来しながら、周りの患者、医師、自己と対話を重ねる中で、葛藤しながら自身と向き合ってく。 中島らも自身のほぼ実話。アルコールだけではなく、ドラッグや暴力の描写も凄まじい。 特にタナトスの話が印象深かかった。 生きたい本能と死にたい本能が共存してるって

    • 僧侶の叔母とベンガル・バルア仏教

      叔母の紹介 父方の叔母であるルナ叔母さんは、バングラデシュのチッタガン州の厳格な仏教の家庭に生まれ育つ。若くして修行の道に入り、地元の仏教寺で熱心に僧侶としての修練を積み重ねた。当時、女性が寺を指導し、権威を築くことは社会的に認められていなかった中で、ルナ叔母さんが率いるバングラデシュの女性僧侶たちは長年にわたり、地道で精力的な活動を通じて、今ではチッタゴン州では多くの女性が大僧侶として活躍している。 現在、叔母はチッタガンの山中で寺兼孤児院を建設する一方で、アジア各国を訪

      • ベンガルのバウル音楽について

        私がバウル音楽の魅力にはまったのは、バングラディシュのクシティア地方で行われたラロンの音楽祭に数年前に行った時からである。 村一つを貸し切って4日間行われるそのお祭では、旅から帰還したバウル音楽家による演奏や国内外のアーティストによるパフォーマンス、色鮮やかなベンガルカルチャーの露店など、普段コンクリートジャングル生活をしている私からするとかなり浮世離れした光景だった。 バウルとは何か バウルという言葉はサンスクリット語の「バトゥル」からきていて、狂気や風の病気などの意味

      感受性貧乏が中島らもの『今夜すべてのバーで』を読んだ話