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戦乱のなかった江戸

31 橋場 雪中

国貞・広重二世画《江戸自慢三十六興 橋場 雪中》(1864年、 国立国会図書館蔵)

真夏の敗戦記念日。戦争への痛みとともに、戦乱のなかった平和な日々を偲ぶ。

人物を豊国三世(歌川国貞)が、風景を広重二世が描いた合作の江戸自慢三十六興シリーズ。1864年に刊行されている。雪中の渡し舟の穏やかでしみじみとした情景が描かれている。

この絵から4年後に薩長の下級士族たちがクーデターを起こし、権力を握る。

それ以降の日本は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、支那事変、太平洋戦争と、戦争の歩みを繰り広げる。

もうそろそろ平和で豊かであった江戸を振り返っても良いのではないだろうか。未来がこのように懐かしいものならば、戦争をしたがる者などいなくなるに違いない。

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