死者を蘇らせる
豊国三世(国貞)画《東海道五十三対 宮乃駅 反魂塚》(1845−46年頃、国立国会図書館蔵)
死者を蘇らせる反魂の法。
死者を他界に送るのが、どうにも納得できなかったのだ。
近代以前は死者の世界は近かった。
死者が身近にいると、生は鮮やかなものになる。
反魂の法は、現代にこそ必要とされるのではないだろうか。
詞書
むかし藤といふ女有 その夫奥州の方へ遠征に行て久しく帰らつ 妻これを歎きて終に空しくなる 夫月を累ねて帰り愁傷し東岸居士といふ名僧に願ひければ反魂の法を行ひ烟中に姿をあらはしたまふ その藤女か塚といふ
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