狂い笹、神の憑く印
歌川国貞(豊国3世)画《江戸名所百人美女 鏡が池 》(1857-58年頃、ボストン美術館蔵)
能舞台の小道具に「狂い笹」というものがある。笹を持って舞うことが、狂女の印となる。この絵では、追い求めてきた恋人がすでに亡くなっており、それを儚(はかな)んで池に身を投げてしまうという物語が描かれている。
能の狂女というのは元々神が憑いて舞い狂う巫女のことを意味していた。
巫女というのは神に仕える芸人でもあった。
旅をする女のなかには、狂女という名の旅芸人もいた。
狂うことも社会には必要とされ、狂うということは自由に旅をすることでもあった。
キリスト教の聖女も棕梠を持つ。狂い笹と棕梠と、同じ意味を持つものではないだろうか。
ディエゴ・ベラスケス《聖ルフィナ》(1630年頃、セビリア、ロス・ベネラブレス病院蔵)
ディエゴ・ベラスケス《聖ルフィナ》(1630年頃、セビリア、 ロス・ベネラブレス病院蔵)
った。
ディエゴ・ベラスケス《聖ルフィナ c.1630 》(1630年頃、セビリア、ロス・ベネラブレス病院蔵)
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