初恋の教訓歌《あらぱなぬまびぎれまジラバ》(波照間島)

K

出典は、喜舎場永珣『八重山古謡 下巻』で、歌詞は囃子以外のカタカナ表記をひらがな表記にし、「ちぃ」などの中舌母音を「つぃ」などと表記した。

現代語訳は具志堅 要による私訳。

《あらぱなぬ まびぎれま ジラバ》(波照間島)

   ヒヤーヨーヒー
あらぱなぬ まぱじめぬ ヨーホーナーイーヨー(囃以下略) なりよたら
初っぱなの、最初の(年頃に)なったので

めるびくとぅ かぬしゃくとぅ うむいどぅ
乙女のことを 愛しい娘のことを 思っていると

あちゃならば びぎりやまや ずぃまぬぱるに
明日になったら お兄ちゃんは どこの畑に(行くのと声をかけられた)

うぬみやるび いばみつぃに むかいみりば
この乙女と 狭い道で 出会いたいと

うぬかぬすぃ ぴつぃがとぅくぃ とらいむば
この愛しい娘と (午後3時頃の)未の時に 触れ合いたいと

にがやまり てぃずぃりゃまり うるけんどぅ
(神様に)祈願して 手をすり合わせて(祈って) いたら

にげたむてぃ いばみつぃに むかいその
願ったように 狭い道で 出会った

てぃずぃるぃむてぃ ぴしがとぅくぃ とぅらゆてよ
手をすり合わせた(願いの)とおり 未の時に 触れ合った

むにいてしば しむくさぬ いざるぬ
何か言おうとしたら 肝が縮みあがって 言うことができない

だがでぃしば うでぃぬくゆさぬ だぎぶさぬ
抱こうとしたら 腕が縮こまって 抱くことができない

やらしからよ しゆぎから うむいぬ
(そのまま)すれ違って (彼女の)後姿を見て 思ったのは

むぬいれらば だげーらばで うみやらぐ
何か言えば 抱けば(よかったのに)と (クヨクヨと)思った

うぬみやらび なうどぅだぎ うみやらぐ
この乙女は どんな風に 思ったのだろうか

くぬかぬすぃ いかどぅだぎ なちやらぐ
この愛しい娘は どれくらいの(思いだと) みたのだろうか

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