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国産小麦と外国産小麦

近年、日本でも国産小麦の需要がどんどん高まってきました。

海外からの小麦と引けを取らない良質さ。なのに値段も変わらない。

そんな国産小麦がどんどん登場しています。

そして消費者も安全と確かな品質を求め、『国産小麦のパン』を選ぶ方がどんどん増えてきています。

では、みなさんは国産小麦が日本の小麦消費量の何割ほどを占めているかご存知ですか?

            答えは約10%ほどなんです。


日本の小麦の約90%は海外からの輸入品なんです。

では、海外産と値段も変わらない日本で取れた美味しい小麦粉をなんでもっと使わないの?


それは「そもそも日本の気候が小麦を育ってるのに適していないから」なんです。

小麦は湿気が大嫌いなんです。

それなのに今私たちが手にする小麦はこんなに安くて美味しい。


それは日本の農家さんたちの汗と涙の結晶なんです。


その昔、日本のパン用の小麦粉は、農林61号から始まり、日本の小麦はこの頃まだ『中力粉』と呼ばれるものしかありませんでした。


             「日本の小麦でパンを」


そんな夢を背負って、血のにじむ様な努力と品種改良を重ね、

現代ではとうとう「ゆめちから 」という『超強力粉』と呼ばれるものまで登場しました。


そう、国産小麦といえば、うちの店の人気商品に「ベーグル」があります。

そのベーグルに『はるゆたかブレンド』を使用しています。

この『はるゆたか』、みなさんご存知の方も多いと思います。

そう、この『はるゆたか』は「日本では小麦は育たない」という常識を覆した偉大な品種なんです。

この小麦の持つ上品な深い甘さと香り、そして日本小麦が代表とするモチモチとした食感を併せ持ち、不動の人気を誇っています。

私はそんな『はるゆたか』が大好きで、パン屋になったら絶対使いたい粉でした。


しかし、今私が使っているのは『はるゆたか100%』ではなく、『はるゆたかブレンド』。

『はるゆたかブレンド』には「キタホナミ」という国産の中力粉がブレンドされています。

実はこの『はるゆたか』、年々収穫量が減ってきています。

それは、この品種がとてもデリケートで安定した生産がとても難しいのです。

前文にも記述した通り、日本の国産小麦の生産率はわずか10%程度です。

そのうちはるゆたかの生産率はわずか1%未満なんです。

今ではその希少価値から『幻の小麦』と言われています。

そして、その「幻の小麦」を通年で使い続けることが難しくなっています。

    「たくさんの人にいつでもたべれる美味しいパンを」

そこで私はこの『はるゆたかブレンド』を選びました。

この小麦粉は値段も高く、「いつ入らなくなるかもしれない」そういう不安もあります。

でも、だからこそ「いつまで食べれるかわからない」ありがたさを噛み締め、

でも「こんな美味しい小麦が日本にあったんだよ」って言える様に

毎日はるゆたかのパンを焼いていたいと思っています。



そんなことをブログにしてます。

そんな小麦の話をもっと詳しく知りたい方、

ぜひブログに遊びに来てください。

http://www.panfleto.net (  Panfletoーパン屋のブックレットー)






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