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【西洋占星術】冥王星の恐ろしさとは

冥王星の恐ろしさを語る前にまずは、冥王星とはそもそもどのような星なのかについて神話で見ていきたいと思います。

第1章 冥王星の原型ハデス

死者の世界、冥界の王ハデス。
父はクロノス(土星を表す)母はレア(大地の母神)。
兄はポセイドン(海王星を表す)弟ゼウス(木星を表す)。
ハデスの神話で最も有名なのが、幼いペルフォネに恋をしたハデスが、花摘みをしていた彼女を誘拐した話だ。のちに彼女は冥界の女王になり、二人で一緒に統治するようになる。
ペルセフォネの母親の話はまた今度。。。

 ○女王誕生
ペルセフォネはハデスに誘拐され、幼いのに母親とも離れ離れにされましたが、彼女はその経験を知恵として自らの力に変えていきました。冥王星の意味には破壊と再生、変容、究極、などの意味がありますが、この二人の関係はまさにその通りです。ハデスが破壊ならばペルセフォネは再生を意味しています。
 
「のちに彼女は冥界の女王になり、二人で一緒に統治するようになる。」とあるように、ハデスが真の王になるためには、ペルセフォネが必要だったのかもしれません。もしハデス一人で冥王星を支配していたならば、彼は暗闇の死者の世界で弟ゼウスへの嫉妬や父クロノスへの恨みを募らせ続け、再生されることのない破壊だけが繰り返されていたことでしょう。

第2章 冥王星の恐ろしさとは

1930年、冥王星が発見されたとき、世界では人々が財産を失い、あちらこちらの建物から人が飛び降り、マフィアたちによる暴力が横行し、独裁者ヒトラーが活躍していた頃でした。これは冥王星の破壊の力が世界中を恐怖と闇に包んでいたのでしょう。

これだけ聞くと冥王星の破壊の力は恐ろしく、怖い存在のように感じてしまうかもしれませんが、逆に冥王星の再生の力のみ機能していたら世の中はどうなっていたことでしょうか。

この世から亡くなった人は生き返り、失ってしまったもの全てが元に戻り、失うものは何もありません。でも本当にそれでいいのでしょうか。 
私たちは本当にそれで幸せに生きていくことができるのでしょうか。心から感動することはできるのでしょうか。人として成長することができるのでしょうか。

私たちが住む世界では、生と死、破壊と再生と共存して生きていく必要があります。それらのことはハデスとペルセフォネの関係で言い表すことができます。
 
冥王星は「死」を表している言葉ですが、それは一度魂がハデスの領域に導かれてしまうと元の世界に戻ることができないことを表しています。神々の王であるゼウスでもハデスの領域に入った者は元に戻すことはできません。それは肉体の死だけではなく、心理的な喪失感にもいえることです。

このような逆境は人生で誰しもが体験することですが、ハデスのように破壊の苦しみから抜け出せない者もいれば、ペルセフォネのように少女から冥界の女王になるような新たな生まれ変わりを体験する人もいるでしょう。

人生の転機を迎える人は冥王星の影響を大いに受けることがあります。その影響によって喪失感や絶望感を味わうことになる人もいると思いますが、何か新しいものを受け取るためには、受け取るためのスペースを確保しなくてはならないので、今まで手元にあったものを手放さなくてはならないのです。

まとめ

冥王星は死と生、破壊と再生のように対義している言葉をセットにして考えなくてはならない。どちらか片方だけで考えると、破壊の道から抜け出すことができなくなる。
逆境に置かれたとき、人は真の価値が試されると言いますがその究極が冥王星を表す。
 

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