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読書感想文

私は話すことは好きで
日本語もとても好き

英語は賢い赤ちゃんくらいは話せるし
記憶力も比較的良い方で
前世の記憶すら有る

でも、文を書くのが苦痛だ

今でも覚えている夏休みの宿題
読書感想文は課題図書から自分で選んで書く
私は走れメロスを選んだ

原稿用紙2枚分だったかと思うが
当時の私にはあまりにも多く、
あまりにも面倒くさかった


私の選んだ作品の走れメロスは
挿絵のメロスが12頭身だったこれはとても
鮮明に覚えている


中身はというと全く感想もクソもない
今読んだら違う感想があるのだろうが
初めて読んだ作品が幽遊白書だった私にとって 退屈極まりなかった 


ただ、私にはメロスを選んだ理由があった
少し読み進めた際にある人物が目に止まったからだ

セリヌンティヌスだ
彼こそが私の秘密兵器であり虎の子だと思った

彼のその比較的長い名前のおかげで
一度登場させるたび、
8文字も原稿用紙を埋めることができたのだ

本当はドルゴルスレン・ダグワドルジくらい
長かったらこれ以上はなかったが

それでもセリヌンティヌスは私にとっての
チヨコレートあるいはパイナツプルだった


セリヌンティヌスの助けもあり
原稿用紙はセリヌンティヌスでいっぱいになり

ほぼ感想ではなく
「セリヌンティヌス」
という文字の練習になった

3行に一回は出現するセリヌンティヌスという文字にゲシュタルト崩壊を起こしたが

彼に感謝を伝えたくここに書き残しておく


ありがとうセリヌンティヌス
私は貴方の存在を忘れはしないだろう
彼が何を成したのかは忘れてしまったが
とりあえずこの思いを13年越しに伝えられて良かった

ちなみに、
彼はセリヌンティヌスではなく
セリヌンティウスである

ゲシュタルト崩壊の影響はまだ私に根付いてる

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