猗窩座VS炭治郎戦がなぜ俺の心を激しく打つのか

【!!!!ネタバレ注意!!!!】

この記事は鬼滅の刃18巻までの内容を含みます!!

未読の方はご注意ください!!

【!!!!ネタバレ注意!!!!】


僕は鬼滅の刃が好きです。その中でも特に猗窩座VS炭治郎戦が好きです。何度も読み返したし、そのたびに「やっぱベストバウトだなぁ」と思うわけであります。

しかし、なぜか周りからは「なんでそんなに好きなの…?」と言われます。そこで、なぜ猗窩座戦はアツいのか、ここにその理由を記しておこうと思います。

そもそも: 猗窩座VS炭治郎戦のおさらい

まずざっと登場人物をおさらいします。

猗窩座は上弦の鬼で、鬼殺隊の主戦力である"柱"を過去に何人も葬っています。猗窩座は上弦の鬼の中でも上位の上弦の参です。つまり、猗窩座は作中最強の敵キャラの一人です。

そんな最強の敵・猗窩座と相対するのが、炭治郎と冨岡義勇です。冨岡義勇は鬼殺隊の柱で、炭治郎と同じ水の呼吸の使い手です。炭治郎は言わずもがな本作の主人公です。

では猗窩座戦を順を追いつつ、なぜ猗窩座戦が好きなのかについて語っていこうと思います。

猗窩座戦①: 猗窩座登場

まず、猗窩座の登場シーンです。これ、好きなんですよね…猗窩座が天井を何枚もぶち破り、無限城を揺らしながら炭治郎の前へ登場します。そして「久しいなぁ よく生きていたものだ お前のような弱者が 竈門炭治郎!!」と言いながら炭治郎へ襲い掛かります。

スクリーンショット (81)

(鬼滅の刃 17巻 80p)

天井をぶち破りながら出現する『動』と、木片が舞い散るなかで炭治郎と猗窩座の顔が交互に描かれつつ猗窩座がセリフを言う『静』、この緩急によって戦いの始まりが強烈に印象付けられています。良いですよね…

また、この登場シーンから分かるように、猗窩座は勝負に対して正々堂々としています。不意打ちもしないし、血気術も身体能力強化というシンプルなもの。真正面から堂々と現れて炭治郎へ襲い掛かり、ひたすら己が拳のみで鬼殺隊と対峙する。獰猛なまでに正々堂々としています。このことは後でも触れます。

(ちょっと余談ですが、僕は鬼滅の刃の邂逅シーンが好きです。スッと戦闘へ入れて、しかもインパクトが大きい。例えば、無限城での無惨との邂逅シーンもムチャクチャ好きです。)

猗窩座戦②: 炭治郎の成長

戦いが始まり、まず炭治郎だけで猗窩座と戦います。上弦の参を相手に、炭治郎は攻撃を受けるどころか単独で腕を切り落としてみせます。それを見た義勇は「お前のその実力は柱に届くと言っても過言ではない」と考えます。

スクリーンショット (83)

(鬼滅の刃 17巻 106p)

無限列車ではなにもできなかった炭治郎が、柱に届くほどに強くなったのです。8巻で炭治郎は千寿郎に「足掻くしかない 今の自分ができる精一杯で前に進む どんなに苦しくても 悔しくても」と言っています。そして実際、炭治郎はこれまでに修行をたくさん積み、堕姫戦や半天狗戦を戦い抜き、精一杯前へと進んできました。その成果がこの猗窩座戦なのです。

命を次代へ繋ぐことは猗窩座戦のテーマの一つです。あのとき煉獄さんが繋いだ命がここまで立派に成長をした。まさに炭治郎が言った「強い者は弱い者を助け守る そして弱い者は強くなり また自分より弱い者を助け守る これが自然の摂理だ」というセリフを炭治郎自身が 強くなることで体現しているのです。

猗窩座戦③: 透き通る世界

痣を発現した義勇が奮戦するも、それにさえ即対応した猗窩座によってじりじりと劣勢に追い込まれます。そんな中、炭治郎は父が亡くなる直前に見せた体捌きを思い出します。

炭治郎の父は「透き通る世界」が見えるほどの達人でした。つまり、猗窩座の目指す"至高の領域"にたどり着いた人物です。その父からつけてもらった「見取り稽古」を思い出した炭治郎はついに覚醒して、透き通る世界が見えるようになります。積み重ねてきた鍛錬で肉体的に到達可能だったところに、見取り稽古を思い出して、いよいよ到達できたのです。透き通る世界が見えるようになった炭治郎に、猗窩座は危険を感じます。

猗窩座戦④: 決着

炭治郎は「透き通る世界」を会得しました。猗窩座は変化した炭治郎に危険を感じ、猛攻撃をしかけます。これによって炭治郎も義勇も瀕死の重傷を負いますが、炭治郎は立ったまま攻撃を受けきります。そして、猗窩座に「今からお前の頚を斬る!!」と言い放って真正面から攻撃し、ついに猗窩座の頚を斬り落とします。

透き通る世界の会得によって攻撃を受けきっただけでなく、気配を消して猗窩座の羅針盤を狂わせ、ついに頚を斬り落とした。炭治郎の父の存在がなければ頚は落とせませんでした。

頚を落としてなお戦おうとする猗窩座は、頚の弱点を克服し、鬼ではない別のなにかへ変貌しました。もはや頚の弱点を克服したため、倒せる手段はありません。ただ、最後には、炭治郎のおかげで昔のことを思い出して、正々堂々とした決着に自身の負けを認め、体が崩れて消え去ります。

スクリーンショット (84)

(鬼滅の刃 18巻 106p)

猗窩座は、炭治郎がまっすぐ正々堂々と挑んだからこそ、負けを受け入れました。仮に、単に頚を斬られただけならば、猗窩座は再生した後にさらに戦おうとしたでしょう。

義勇でさえ「馬鹿正直に呼ぶとは…!!」と思っている場面です。他でもない炭治郎の実直な性格がなければ、正々堂々と挑んで頚を斬り、猗窩座に負けを受け入れさせらるなんてできなかったでしょう。つまり、炭治郎以外では猗窩座は絶対に倒せませんでした。

煉獄さんが炭治郎を守り、父が見取り稽古をつけ、そして炭治郎が純粋でなければ、絶対に猗窩座は倒せませんでした。命を繋いだ結果が実ったから猗窩座戦は勝てたのです。次代へ繋ぐという鬼滅の重要なテーマがこの猗窩座戦にはたくさん詰まっています。

終わりに

だいぶ切り詰めて書いたので、他にも猗窩座戦は語りたいことがたくさんあります。猗窩座の過去話が良いこととか、戦闘シーンがそもそもすごく作画良いとか、猗窩座の技がかっこいいとか、猗窩座の武士性とか。

最後まで正々堂々と武人として戦い抜いた猗窩座というキャラクターが、僕は大好きです。

ぜひ鬼滅の刃17巻、18巻を読んでみてください!!

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