96 ぬの再生
台風が過ぎ去って、
その日から見事に涼しくなりました。
東京でも肌寒いくらい。
その日がまさにお彼岸の入りの日だったので、
季節の進行というペースの正確さを感じました。
九州在住の方が「台風が幾つか来たら暑さは落ち着く」と仰っていて、
なるほど大事な節目が台風なのだろうな、と新たな着眼点をもらった気分。
皆さんは台風大丈夫でしたか?
さて、
肌寒くなるとなぜか刺繍がしたくなります。
あの刺繍糸の柔らかな感じを触っていたいのかもしれません。
編み物もいいですね。
特に何になるわけでもないのに、生活を彩るために時間を見つけてはチクチクぬいぬいしています。
以前、二子玉川のコホロさんで展示販売をされていた作家さんの
(お名前は失念しましたが)
身頃全面に直線的なステッチが施されているジャケットをSNSで拝見して、
私はすっかり刺し子に魅了されてしまいました。
しかも今ダーニングも始めてみたばかりのところ。
布の補強という生活に必要な面と、
装飾というプラスアルファの彩りの素晴らしさ。
その絶妙なる両立。
歳を重ねる毎に、
作り出す生活の美しさや民芸やそれ未満の手仕事に、胸が踊ります。
自分に何もなかった若い頃は、
お金をせっせと払っては何かを蒐集したり、
自分を守るための物が必要でしたが、
今は自分がもっと参加する形での生活に完全シフトチャンジしました。
そうすると、他人のことがもう本当に全くどうでもよくなるんですよね。
これは意外な利点。
暮らすことにどんどん参加意識を持つと、やることが多いんですよね。
着たい服を作ったり、その残り布で小物を作ったり、繕ったり、編んだり。
食べたいものを自分で作ったり。
自分のワクワクだけで時間がどんどん進んでいってしまうから、
それについていくので精一杯。
そんなわけで今晩も私は、針か編み棒を動かして、
せっせと暮らしています。
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