逃げ去る恋

 とても久しぶりに日記を書く。最後に書いたのは、2020年の春だ。いまは、2022年の夏が始まったところで、蒸し暑くて本当に最悪。でも、夏は最高なんだよね!!!

 最近、友達の映画ジャンキーMちゃんの影響で、自宅トリュフォー映画祭を開催している。(参加者は毎回1人!!!)わたしの中で、トリュフォーと言えば、ジャンピエールレオーなのだ。彼の映画を観るということは、レオーを観るということ。2018年にも、第一次レオーブームがあって、その時もアントワーヌくんシリーズを繰り返し何度も観ていた。レオーのすごいところは、“一瞬しか映らない仕草にぎょっとしてしまうところ“だと思っていて、ちょっとした視線や、手の動き一つ一つ(それをどこまでレオーが意識していたかわからないけれど)に、目が釘付けになってしまうのだ。

 アントワーヌくんシリーズは、追いかける女、逃げる女、追いかける男、逃げる男、走るレオー、情けないレオー、優しすぎる女の繰り返しで、レオーは喋りっぱなしだしで、ちょっとした決まりもののようなシンプルな感じ。だけど、その一つ一つのくだらなさが人生そのものという気にもなる。

 『逃げ去る恋』は、アントワーヌくんシリーズの最終章となる映画なのだけど、映画が始まって1分で「この映画は最高だ!!!」とファンになった。この映画には、アントワーヌくんのかつての片想い相手、元妻、恋人のカッコイイ女性達が出てくる。みんなロマンチックで面白いレオーが大好きだけど、結局女たらしで情けないレオーに愛想をつかせてる、でもレオーを憎めない。

 しかも、哲学書なのか?と思うほど、名言が出てくる出てくる。

・キスは2人でするのよ!!! by コレット(かつての片思い相手)
・電話をしてよ、切ってやるわ!!! by サビーヌ(恋人)
・人生を分かち合うことが愛。どちらか一方ではダメ。by サビーヌ(恋人)

 この3つの言葉を聞いたとき、おもわず膝を打った!!!

 いま書きながら気づいたけど、わたしはいつだってこの女性の誰かのようになりたかった(?)と思っていたけど、永遠にアントワーヌくんのままなのでは・・・?と気がついた。自分本位の、自分に都合のいい時にしか人を愛せない。(基本的に1人でいるのが大好きだからね、そしてよく別れ際に全速力で走っているね・・・。)

 この間、久々にタロットへ行った。お姉さんと話したいがために行っているようなものなのだけど、そこでもわたし自身に何かしら問題があるカードが出て「恋愛に対して少し子供っぽいところがあるのかもね・・・?」という話になった。だけど、未来のカードは、最強のものが出たので、とりあえず10月いっぱい仕事や自分の好きなことをしっかりやって、その先は超最高!!!らしいので、突っ走るね。

 

 かつての片思い相手と目が合って、その人が乗っていた電車に無賃乗車してしまう男、そしてその後うまくいかなくなったら勝手に非常停止ボタンを押して、1人で走って逃げてしまうアントワーヌくん・・・。でも、なぜだか憎めないよ!!!

 わたしは、かつての恋人や好きだった人が普通に登場する映画が結構好きで、相手やこっちの状況が全然変わっても街で会ったら挨拶をするようなそういう世界が好き。こないだ何かで読んだ文章で、元恋人からもらったものを部屋中に飾っている女の子がいて、それを見た新しい彼氏がそれをやめてほしいと注意したら、「絶対捨てないし、全部いまのわたしを作ってきたもの(人)だから、これもひっくるめて愛して!!!」(うる覚え文章で失礼します)と言っていたと書いてあって、めっちゃわかるな〜と思ったのを思い出した。

 しばらく映画の中で泳ぎながら考えたい。この夏の課題かもしれない。色々な夏のことを思い出すけれど、河原に生えている野良のミントを食べまくっていたあの夏のことを思い出して、一件だけLINEを送った。

ーとてもとても耐えられない

ー別れてしまえばそれまでのこと

ー逃げ去る恋逃げ去る恋

 (クレジットの文字が全部水色なの最高!!!!!!!!!!!!!!!!)


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