うらを見てみて(短歌15首)
ねえあなたきっと気付いてないでしょう二人の逢瀬もボタンひとつで
過去は過去水に溶かして透明に見えるふたりもきっと毒水
愛を説く沿った舌先捕まえて二度となんにも言わせてあげない
てらてらと赤き炎に包まれてあそこにあるのがわたしの家です
言いつけを守って土鍋で炊くご飯下水をひとさじ美味しくなあれ
うたかたになれやしないの人だから赤いバスタブ見ないフリして 親友のあなたにはまだ言ってない人のものほど欲しいだなんて
大層な呪いはわたしも穴二つ交差点で靴脱げるといいと
妻の泣く声を何度も夢に見るあの日の過ちきみの裏切り
さよならと言ってあげないご休憩ねこは死ぬ時姿隠すの
街眺むはだしそろえて40階あなたのせいよと言えないわたし
「付き合って」放課後教室彼を呼ぶ貴女はどんな表情(かお)するかしら、と
ひととせの眠りから覚めし白雪の貴女の前で王子にくちづけ
さよならを言うにはきっと早いから道で眺める屑の花々
きらめいた鏡の破片をかき集めキリシタンってきっとこんな気分だ
トランプの模様と数字当ててみて裏面にあるわたしの気持ち
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