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【06】着るものも文化なのか

オフィスに行くと、あまり考えないような話題で盛り上がって、意見を求められることがよくある。今日は同僚兼友達の年の近いベンガル人の女の子とおしゃべりをしていて、着るものについての話をした。

先日、ダッカ大学で着るものの自由を求めるデモがあったらしい。バングラデシュでは、女性はサロワカミューズという伝統的な衣装をまとうことが通例になっている。スカート型のトップスにズボンを履き、オロナと呼ばれるスカーフをまとう。基本的にこの三点セットを着る。私は、毎日服を選んで鏡の前で悩むということをしなくて良くなったため結構好きだ。

バングラデシュでは西洋への憧れからいろんな場所で西洋化が進んでいる。今回のデモもこの西洋化の動きの一環らしい。女性でも西洋のようにシャツを着たり、短いスカートを履いたりといった「好きなものを身に着けたい」という主張がされていたという。

この話をしてくれた同僚の子は、サロワカミューズを着ることに賛成だという。理由を聞くと、これは文化だからだそう。これはバングラデシュの問題というよりも、イスラム国家だからあるしきたり。なかなか変わらないと思うし、今まで長い歴史のある文化を壊す方が嫌だという。

ついこの前も書いたけれど、文化って何だろう。文化って、その時々の人の考えや風潮を反映させていって日々進化していくものなのではないか…。文化を忠実に守ることは一瞬言いように聞こえて、実は思考停止を招いているようにも見える。文化はだれかが決めつけたものではないから、「文化だから」と言えばコンフォートな考え方に浸れる。

私はサロワカミューズは好きだけど、それはいろいろな服を試してきた中で選択をして「サロワカミューズが好きだ」と言うことができている。しかし、デモを起こした彼女たちの気持ちがわからないというわけではない。中高生時代にルールの中で着ていた制服。この感覚に近いのだろうと思う。身に着けるものの選択肢が少なくて楽とは言いつつも、「常にこれらを着てください」と言われると、個性出したいよ~とか、アレンジしたいよ~~とか思うようになる。私も違反の色のセーターを着たり、着崩したりしてたなあ。

西洋のファッションにあこがれる彼女たちの動きをバングラデシュの方々はどう見ているのだろうか。文化だから~は思考停止のように思ってしまうのは、日本という比較的様々な自由があった世界で育てられた私だから持つ考えなのか。

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