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ブロックチェーンの未来構造:DA(data availability)の革新とその影響

ブロックチェーン技術の進化と共に、DA(データ可用性)を中心としたモジュラー構造が重要性を増しています。今回、モジュラーブロックチェーンの構造、DAの役割、およびそれらが将来のブロックチェーンにどのように影響を与えるかを深く掘り下げます。

モジュラーブロックチェーンの構造

  • 実行層:トランザクションとスマートコントラクトの計算を担当。コンピューターに例えられる。

  • DA(データ可用性):すべての原始トランザクションが保存され、後の検証や確認に使用される。データベースとしての機能。

  • 決済層:トランザクションの検証、確認、最終的な確定を行う。ユーザーはここで異議を申し立てることが可能。

DAの技術と製品

  • 実行層の技術:OP Stack、ZK Stack、Cosmos Stack

  • 決済層のオプション:イーサリアム Layer 1、Dymension(Celestiaとの連携)、Layer 2自体(例:Arbitrum)

  • DAの種類

    • イーサリアム blob/Danksharding

    • Celestia(独立型分散DA)

    • Near DA

    • EigenDA/MantleDA(イーサリアムの再ステーキングを利用)

    • 中央集権型DA(Validumモデル)

https://near.org/data-availability
https://docs.celestia.org/learn/how-celestia-works/data-availability-layer

モジュラーブロックチェーンの組み合わせ

  • 45種類の可能な組み合わせが存在し、例えばArbitrumはOP Stack(実行層)+ イーサリアム Layer 1(決済層)+ イーサリアム blob(DA)の組み合わせである。

セキュリティの違い

  • 各組み合わせはセキュリティ、費用、TPS(トランザクション処理速度)で異なる。特に、イーサリアム以外のDAを使用する場合、イーサリアムは資産の安全な引き出しを保証できないと主張されている。

  • 「最も弱い部分が全体の強さを決める」という原則によれば、セキュリティは最も弱い部分に依存する。例えば、イーサリアムで決済しつつ、別のDA(例:Near)を使用する場合、セキュリティはNearのレベルになる。

  • Celestiaは軽い決済、重いDA、強いコミュニティを理念としている。

未来の構造

  • 決済層:将来的には少数の主要な決済層が存在することが予想される。

  • DA層:DAは既に多様化しており、最も複雑なものはCelestiaのようなサンプリング技術を用いた分散型DAです。一方で、単純なシングルノードでのDAも可能です。

イーサリアムの影響

  • イーサリアムのDAは高品質であり、高価格の市場を占める可能性がある。

  • Layer 2間の互操作性が、イーサリアムの重要な特徴となることが期待されている。これにより、他の公共チェーンが簡単に真似できない競争優位が生まれる。

示唆

モジュラーブロックチェーンとDA(データ可用性)の発展は、ブロックチェーンの未来において重要な役割を果たしています。DAの多様なアプローチは、セキュリティ、透明性、柔軟性を高める上で中心的な要素です。これらの進化は、分散型技術の新たな可能性を切り開き、より広範なアプリケーションとイノベーションを促進します。ブロックチェーンの未来を形作る上で、これらは不可欠な要素となるでしょう。モジュラー構造の進化は、テクノロジーの進展と共に、ブロックチェーンの機能と可能性を拡大させていきます。

参考
https://blog.celestia.org/modular-data-availability-for-the-op-stack/
https://docs.celestia.org/learn/how-celestia-works/data-availability-layer
https://blockworks.co/news/arbitrum-ethereum-data-availability
https://near.org/data-availability

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