陰陽学説

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陰陽学説 (The theory of Yin-Yang)とは, 世の中に存在する全ての事象が, 「陰(Yin)」と「陽(Yang)」の2つの要素から成り立つという考え方です. また, 生理学・病理学・診断学または予防や治療などの中医学全領域に応用される哲学理論の基礎です.

陰陽の特性について:陰陽の概念を深く理解するのに, その特性については知っておきたい内容です. 陰陽の特性は ①規定性, ②相関性, ③相対性, ④普遍性の4つに分類されます.

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①規定性 陰陽の属性は特定された両面をもっています. 下の帰納表を参照してください. 例えば,「天地」で言えば, 天が陽で地が陰です. また「水火」で言えば, 水は陰で火は陽です.

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②相関性 陰陽は相互対立する事物や事象を指し, 必ず同一階層,または統一された同一体中にある. 例えば, 「天地」で言えば, 天は上であり地は下である同一体中にある. それぞれが不在になることありえません. 下の「昼夜」で言えば, 統一された時間軸の中で必ず昼と夜はあります. 昼がくれば夜がくる, 夜になれば昼がいずれおとずれる.

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③相対性 陰陽は相対的に可変する特性をもち, 絶対的な属性で存在することはありません. そこで中医学では主に③-1 相互転化③-2 無限可分の両面を体現する.

 ③-1 相互転化: 陰陽は一定の条件下で, 陰は陽に転化し陽は陰に転化します. 例えば, 人体栄養物質と機能代謝過程中で言えば, その各種栄養物質によって人体の臓腑が滋養され, 生命活動機能が維持される.

 ③-2 無限可分: 陰陽は帰属する範囲の中で, さらに二分に分けることができる.
例えば, 昼の中で正午は「陽中の陽」を指し, 夜の中で真夜中(黒夜)は「陰中の陰」を指す. 中医学の「心と腎」で言えば, 心は上部にあり火の性質をもつので,陽に帰属します. 一方腎は下部にあり水臓と言われるので, 陰に帰属します. ただし, 心と腎の内部には「心陰や心陽, 腎陰や腎陽」があるため, 「心陰」は「陽中の陰」となり,「腎陽」は「陰中の陽」となる.

④普遍性 陰陽は自然界の中で普遍的に存在する抽象概念をもつ. 陰陽の相互作用によって宇宙や自然の変化をもたらす, さらには疾病の根本治療は陰陽失調を治すことが基本である.

陰陽学説の基本内容について:
陰陽学説では①交感互臓, ②対立制約, ③互根互用, ④消長平衡, ⑤相互転化が基本内容として理解するべきポイントです.

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①交感互臓 交感は「交互感応」を指し, つまり陰陽二気は運動中において絶えず相互作用をしている. 


②対立制約 対立は「相反」を指し, 制約は「抑制・約束」を指す. 統一された同一体中で陰陽は双方に相反している.


③互根互用 陰陽は相互依存し助け合い, 促進し合い, 生成し合っている.


④消長平衡 消は「減少・消耗」を指し, 長は「増多・増長」を指す. 陰陽は消長の過程中に一定の相対的な動態平衡を維持している. (数量の変化)


⑤相互転化
 一定の条件下で相反する方面に転化する. (性質の変化)

引用:


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