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エンジンはオワコンなのか?

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ
私です。

こちらの記事〈今更だけどエコカーってそんなに偉いの?〉で”シリーズハイブリッド車(日産e-power、ホンダe:HEV)や電気自動車は、モーター駆動なのでとても静かで滑らかな走りが実現しています!”なんて話をしました。

これからの価値観の1つとして、クリーンエネルギーによる、静かで滑らかな走りは重要になっていくでしょう。
私も機会があれば、試乗車やレンタカーで1度触れてみたいと思っています。

で!!す!!!が!!!!
従来の自動車はエンジン駆動です!!!!!

唐突ですが、あなたはどんなエンジンサウンドがお好きですか?
車に興味の無い方からしたら「は?」という質問ですが、車好きなら【この音が好き】というエンジンサウンドが一つはあると思います。
例えば、フェラーリが誇るV12エンジンが奏でる官能的な高音、
フォードV8アメリカンマッスルらしい野太い低音、
SUBARU Boxerエンジンの独特なドロドロ音…

私は、ホンダが誇るVTECエンジンのハイカムに切り替わった後の音とマツダが誇る4ローターエンジンの高回転の音は甲乙つけがたいところです・・・

ということで、今回は自動車用エンジンについて私の偏見も入りますが書いていきたいと思います。

とはいえ、一口にエンジンと言っても、自動車用以外にも航空機やロケットにもエンジンが搭載されますよね?ネット社会の昨今では検索エンジンなんて言葉もあります。
まずは、『自動車用エンジンって?』というあたりからいきましょう。

自動車の心臓 エンジンについて

まず、エンジンという言葉ですが、

火力、水力、風力、電力などのエネルギーを、継続的に機械的エネルギーに変換する機械装置。利用するエネルギーによって、風力を利用する風車、高圧空気を利用する空気タービン、水力を利用する水車、熱を利用する熱機関、電力を利用するモーター、電子やイオンを利用する電気エンジン、化学反応などを利用する濃度差エンジンや窒素酸化物エンジンなど、種々のエンジンがある。しかし一般には、燃料が燃焼するとき放出する熱エネルギーを利用する熱機関、とくにシリンダーなど機関内部で燃料を燃焼させるもの内燃機関)をさす。
日本大百科全書(ニッポニカ) より

ということで、内燃機関という言葉をみると

酸化能力をもち作動流体となる気体(ほとんどが空気)の中で燃料を燃焼させ、高温・高圧となった燃焼ガスをシリンダーとピストン、またはタービンに作用させ機械的エネルギーに継続して変換する熱機関の一種。シリンダー内で燃焼させる往復動内燃機関としては、ガソリンエンジンディーゼルエンジン、ガスエンジン、石油エンジンなどがあり、燃焼器で燃焼させる機関としてガスタービン、ジェットエンジン、ロケットエンジンなどがある。
日本大百科全書(ニッポニカ) より

この”シリンダー内で燃焼させる往復動内燃機関”は別名でレシプロエンジンと呼ばれ、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンは基本的にこのレシプロエンジンに分類されます。(一部例外があります)

レシプロエンジンってどんなもの?

レシプロエンジンは、シリンダー(筒)の中で燃料と空気を混合したものを爆発させて、ピストンを動かすことで動力を発生させるエンジンです。

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レシプロエンジンにおける4サイクルエンジンのプロセス(上記画像の説明)
1:ピストンを下降させながら吸気バルブから空気と燃料の混合気体を充填
2:ピストンを上昇させて混合気体を圧縮し、点火プラグの火花で着火
3:爆発によって混合気体が膨張し、ピストンが下降
4:ピストンを再度、上昇させて排気バルブから燃焼した気体を排出

自動車に搭載されるエンジンを表す言葉で「直4」や「V6」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。
正しく表記すると「直列4気筒」、「V型6気筒」と表記されます。この"○気筒"は上記のサイクルを行う筒が何本あるのかを意味し、”直列”や”V型”は筒がどういう状態で配列しているのかを指しています。
直列4気筒であれば、この筒が真っ直ぐ4つ並んだエンジン、V型6気筒はこの筒をVの字状に左右3つづつ並べたエンジンとなります。
その他、SUBARUやポルシェで使用されている筒を水平に並べた「水平対向エンジン(フラットエンジン)」や、フォルクスワーゲングループのみが使用しているV型エンジンを2つ組み合わせた「W型(WR、VV)エンジン」などもあります。

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直列4気筒のシリンダーブロックです。
大きく開いた穴が4つありますが、この穴部が筒状になっています。

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V型6気筒のシリンダーブロックです。
左右に3つづつ、筒があることが分かりますね。

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水平対向4気筒エンジンの断面図です。
筒を水平のして左右2つずつ並べることで全幅は伸びますが、
全高は抑えられるので、エンジンの低重心化が可能です。

シリンダー内での爆発の大きさが得られるパワーに直結するため、より大きなパワーを得る為には排気量を増やす必要があります。ですが、ガソリンエンジンの場合、1気筒辺りの排気量は約0.5L程が適正と言われています。その為、排気量を増やすに気筒数を増やすことで、大パワーを得ています。
フルサイズセダンの最上級グレードやスーパーカーと呼ばれるフェラーリやランボルギーニなどに使用される10気筒や12気筒、さらには世界で1社だけが自動車へ搭載している16気筒のエンジンなんて代物もあります。

スーパーカーやハイパーカーの話も後程しますが、まずは実際に我々が良く見る車たちのエンジン事情からいきましょう。

気筒の多さは高級車の証?

まずは軽自動車規格となる660ccやコンパクトカー向け1L~1.5Lクラス
このクラスには「直列3気筒」エンジンが主流となっています。
エンジン自体もコンパクトで出力特性のバランスも取り易いため、小排気量の4輪車は直列3気筒エンジンと相性が良いとされています。
コンパクトカーのカテゴリではトヨタ ヤリス、アクア、日産 マーチといったモデルに採用されています。
最近では排気量を小さくして燃費を抑え、ターボによる過給でパワーを出す"ダウンサイジングコンセプト"の流れもあり、1.6L以下の排気量に関しては直列3気筒エンジンにターボの組合せが主流になりつつあります。
直列3気筒ターボ搭載を搭載するモデルはトヨタ GRヤリスRZ、ライズ、ダイハツ ロッキー、スズキ クロスビー、BMW 1シリーズ(ガソリンモデル)、2シリーズツアラー(ガソリンモデル)、MINI ONE、COOPER、BUCKINGHAM、Audi A1、Audi A3といったモデルに採用されています。

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2020年に販売開始したトヨタ「GRヤリス」
1.5L 直3(RS)/1.6L 直3ターボ(RZ/RC)

コンパクト、ミドルセダン、ミニバン、SUVなど、主力モデルに使用されている1L~2.5Lクラス
このクラスは4気筒エンジンが主流となっています。
基本的には「直列4気筒」エンジンが使用され、コンパクトカーに合わせた100馬力以下で燃費重視のモデルからミドルセダンやSUVのトップグレードに使用するターボチャージャーを採用した400馬力以上を発揮するハイパワーモデルまで幅広くカバーしています。
なお、SUBARUは「水平対向4気筒」エンジンを主力モデル(インプレッサ、BRZ、フォレスター、レヴォーグ、XV)に搭載しています。
SUBARUの水平対向エンジンは別名「SUBARU Boxer」と呼ばれており、独特なドロドロ音を奏でるエンジンとして熱烈な愛好家がいます。

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今年7月末に受注を開始したSUBARU 新型「BRZ」
2.4L-水平対向4気筒自然吸気エンジンを搭載

フルサイズセダンやミニバン・SUVのトップグレードとなる3Lクラス
このクラスには6気筒エンジンが使用されます。

直列6気筒」エンジンは構造上、爆発による振動を打ち消し合うことが出来る為、他のエンジンに比べて振動が少ないことが特徴です。トヨタではクラウン、マークⅡ、ソアラ、アリスト、日産ではセドリック、スカイラインなどの上級車で使用されることもあり、ある種の憧れのような存在でした。
特にBMWの直6エンジンは『シルキーシックス』と呼ばれる程、滑らかで振動の少ないエンジンとして有名です。しかし、エンジン自体の全長が長くなるため、近年の衝突安全基準をクリアするためのクラッシャブルゾーン(衝撃を吸収する部分)を設けることが難しく、多くのメーカーが一度は採用を取りやめました。ですが、BMWだけはずっと直6にこだわり続け、現行モデルに至るまで、必ず直6エンジンを採用したグレードを販売しています。近年は技術の進歩で衝突安全基準をクリアできるようになり、BMW以外のメーカーでも採用が復活し、MercedesBenzでも採用モデルがあります。
現在、国内メーカーからは直6搭載モデルを販売しているメーカーは有りません(※1)が、マツダは2019年の決算報告会見で"2022年発売のMAZDA6で直6搭載のFRレイアウトモデルを発売する"と発表しています。

現在、直列6気筒エンジンが搭載されているモデルは先述のBMWとMercedesBenzの上級グレードやハイパフォーマンスモデルで採用されています。国産メーカーではトヨタ スープラRZグレードのみに直6の設定があります。(※1 トヨタ スープラはBMWの共同開発によって、BMW Z4と基本構成を共有しており、エンジン仕様についてもBMW製のエンジンを採用している為、直6の設定があります。)

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BMWが誇るシルキーシックスを搭載する「M340i xDrive」
3L-直6ターボエンジンは最大出力387馬力、最大トルク500Nmを発揮

V型6気筒」エンジンは1990年代以降、年々厳しくなる衝突安全性をクリアすることが難しくなってきたことを受け、直6エンジンに替わる様に高級車やスポーツカーへ多く採用されるようになりました。
6気筒以上のシリンダーを持つ「多気筒エンジン」はどうしてもエンジンを直列に並べると全長が長くなり、車体への搭載方法や重量配分などの制約を受ける場合が多くありました。その為、直列エンジンに比べると幅は広がりますが、V字状に並べることで全長を約半分に抑えたのがV型エンジンです。
V型エンジンは直列エンジンと比べて搭載位置の自由度が高くなる反面、振動や質感といったところではやや不利とされています。
V6エンジンを搭載している現行車両は
【トヨタクラウン 3.5Lhybrid、ランドクルーザー、アルファード3.5L
【レクサス】LS、LC500h、RC350、IS350、RX450hL/Lh
【日産】 シーマ、フーガ、スカイライン、エルグランド350、フェアレデイ Z、GT-R
【ホンダレジェンド、NSX
【MercedesBenz】S 450 4MATIC Cクーペ、AMG C 43 4MATIC クーペ/カブリオレ、AMG GLC 43 4MATIC クーペ、AMG SLC 43
【Audi】S4、RS4、S5、RS5、QS5、S6、S7、Q7、A8、Q8
その他メーカーでも上級グレードやハイパフォーマンスモデルに多く採用されています。

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先日発表されたニッサン新型「Z」
新開発の3L-V6ターボエンジンが搭載されます

「直6」や「V6」の様に広く採用されているわけではありませんが、市販モデルに採用されている6気筒エンジンが「水平対向6気筒」エンジンです。
現行車両でこのエンジンを搭載しているメーカーはドイツの老舗スポーツカーメーカーである「ポルシェ」1社のみです。
ポルシェが誇るフラッグシップモデルである「911 Carrera」は初代からずっと水平対向6気筒エンジン(フラット6)が採用されており、ポルシェの他モデルについてもフラット6を搭載したモデルがいくつも販売されています。
以前は、SUBARU レガシィにも水平対向6気筒の搭載モデルがありましたが、現在は無くなってしまいました。そのため、現行車両ではポルシェのみで販売されている希少なエンジンです。

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ポルシェのフラッグシップモデルとなる「911 Carrera」
3L-水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載
最高出力385馬力、最大トルク450Nmを発揮

4L以上となる8気筒は基本的にV型エンジンが採用されています。
4LクラスとなるV8エンジンは、現行の国産車に搭載されるエンジンとしては最大サイズとなっています。トヨタ センチュリー、レクサス LC500、LX、RC Fの3台が国産でV8を搭載しているモデルです。輸入車をみてもフルサイズセダンや大型SUVの上級グレード、スポーツカーに使用されるエンジンです。

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ランボルギーニが誇るスーパーSUV「ウルス」
その心臓部には4L-V8ターボエンジンを搭載
最高出力650馬力、最大トルク850Nmを発揮

5LクラスとなるV10エンジンは、現在はAudi R8、ランボルギーニ ウラカンのみが搭載しています。

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Audiが誇るスーパースポーツ「R8」
5.2L-V10自然吸気エンジンを搭載
最高出力548馬力、最大トルク540Nmを発揮

6LクラスのV12エンジンは、ダイムラーグループではMercedesBenz S600 long、Maybach S680、BMWグループではBMW M760Li、ロールスロイスの全モデル、フェラーリ  812Superfast、ランボルギーニ アヴェンタドール、ベントレーの一部車両にて搭載されている。

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珠玉の6.5L-V12自然吸気エンジンを搭載する「812Superfast」
最高出力800馬力/8500rpm、最大トルク718Nm/7000rpmを発揮
最大出力が8500rpmという最近では他に類を見ない高回転であることも、至極のエンジンであることがうかがい知れます。レッドゾーンにめがけて踏み込めば甲高いエキゾーストノーツを奏でる最後のV12搭載モデル

さらに、フォルクスワーゲングループのみで使用されている狭角V型6気筒エンジンを組み合わせた「W型エンジン」と呼ばれるものがあり、6L-W12エンジンはベントレーの上位グレードで今も使用されています。

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6L-W12ツインターボエンジンを搭載するベントレー「continental GT」
最高出力635馬力、最大トルク900Nmを発揮
車重約2.3tの巨体がわずか3.7秒で100km/hまで加速できる

8L-W16エンジンについては、現在ブガッティ・オトモビル社で販売しているモデルにのみ、搭載されています。

この辺りが現在販売されている自動車で使用されているエンジンです。
6気筒以上は分かりやすく高級車・スーパーカーへ使用されていることからも、気筒の多さは高級車の証といって差し支えないでしょう。

世界最大のガソリンエンジンを搭載したハイパーカー

ちなみに、最後に紹介したブガッティ・オトモビル社のW16搭載の車両は「ヴェイロン」、「シロン」、「ディーヴォ」の3つのモデルとなっており、それぞれ台数限定での製造・販売を行っています。
但し、「ヴェイロン」と「ディーヴォ」については既に限定数に達しているため、現在は新車販売は行われていません。
執筆時点で製造・販売をしているモデルは「ブガッティ・シロン」です。

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こちらは2016年から全世界で500台限定での製造・販売を行っています。
全長4,544mm、全幅2,038mm、全高1,212mm、車両重量1,995kg、8L-W16クワッドターボ(ターボチャージャーを4基搭載)のエンジンは、最高出力1500馬力、最大トルク1600Nm、最高速度420km/h、正直に言えば、常識からぶっ飛んだマシンです。そんな超高性能モンスターマシンのお値段は240万ユーロ(3億円~4.5億円)と聞き返してしまいそうな超高額です。
世界限定500台というこのモデルは、日本には30台が割り当てられており、オーダー開始時点で10台以上のオーダーがあることをメーカー側が発表しています。2018年時点で日本国内に納車されたのは芝浦グループホールディングスCEO 新地哲己氏、元ZOZOTWN CEO 前澤友作氏、ZENT CEO 都筑 善雄氏の3台です。
この3人以外に、少なくとも7人がオーダーしているというのですから… そりゃあ、アジア初のブガッティショールームが東京に出来るわけですよ…。

一般的ではないけど大きなエンジンを積んだ車両

自動車ではありませんが、陸上自衛隊にもV10エンジンを搭載していた車両(?)がありました。
それがこちらの90式戦車です。

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90式戦車は第2次世界大戦後に国内で開発・生産された第3世代主力戦車に分類されます。全長9.8m、全幅3.4m、全高2.3m、重量50.2t、最高時速70km/h、主砲は44口径120mm滑腔戦車砲を有する主力戦車です。
こちらには「2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル」エンジンが搭載されており、1500馬力、4410Nmを発揮、21.5Lの大排気量を誇るディーゼルエンジンです。

この数字を見て「アレ?」となった方は察しが良い方です。

先ほど「ガソリンエンジンでは1気筒辺りの排気量は0.5L程が適正」と記載していますので、V型10気筒エンジンであれば5Lぐらいが適正ですね?
ですが、このエンジンは21.5L-10Vディーゼルエンジンです。

ここで注目してほしいのは「ガソリンエンジンでは」という点です。

ガソリンエンジンは点火プラグを使って燃料と空気の混合気体に点火しますが、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも更に空気を圧縮することで軽油を自然発火させて爆発を誘発しています。排気量は筒の径と長さで決まります。ガソリン燃料は筒の径や長さを拡大すると点火プラグによる爆発にムラが出来てしまい異常燃焼が発生しやすくなる為、1気筒辺り0.5L程度の適正排気量というものがあります。ディーゼルは点火プラグではなく自然発火による爆発なので、筒の径や長さを拡大してもムラなく爆発させることが出来る為、1気筒辺りの排気量も拡大できる為、14L-V8や21.5L-V10の様な大排気量のエンジンが可能となります。
また、ディーゼルエンジンは基本的にターボチャージャーを搭載している場合が多い為、低回転から多くの圧縮空気で爆発させることが出来る為、大きなトルクを得ることができるので、バスやトラックを始め、多くの大型車両に使用されており、戦車の様な特殊車両にもディーゼルターボエンジンが搭載されています。

最近では、環境への配慮からクリーンディーゼルということで、MercedesやBMWのセダンやSUV系にもディーゼルターボエンジンを搭載したモデルが多数ラインナップされており、国内ではマツダが「SKYACTIV-D」という新世代高効率クリーンディーゼルエンジンを開発し、ロードスターを除くすべてのモデルでディーゼルエンジン搭載グレードを設定しています。

シリンダーを持たない内燃機関”孤高のロータリー”

エンジンの説明の中で、

この”シリンダー内で燃焼させる往復動内燃機関”は別名でレシプロエンジンと呼ばれ、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンは基本的にこのレシプロエンジンに分類されます。(一部例外があります)

と記載していましたが、一部例外にあたるのがロータリーエンジンです。

ロータリーエンジンは、ハウジングというケースの中で燃料と空気を混合したものを爆発させて、三角形のローターと呼ばれるものを回転させ、中央のエキセントリックシャフトを介して、動力を発生させるエンジンです。

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ハウジングには吸気ポートと排気ポート設けられており、
1:ローターの1面に対して吸気ポートから空気と燃料の混合気体を給気
2:圧縮
3:点火プラグによって点火・爆発
4:燃焼気体を排気ポートから排出
というプロセスが全て回転しながら行われます。
ローターは3面あるため吸気~排気までのプロセスをすべての面で連続して行うことで動力を発生させています。

ロータリーエンジンのメリットは
・非常にコンパクトなため、搭載位置の自由度が高い
・レシプロエンジンと比べて、低振動・低騒音
・レシプロエンジンと比べて、エンジン自体の部品点数が少ない
・同じ総排気量でも出力が高い etc.

逆にデメリットは
・レシプロエンジンに比べて熱を持ちやすく、大掛かりな冷却装置が必要
・低回転域の燃焼安定性が悪いため、同領域での燃費やレスポンス、運転性がレシプロエンジンと比べて不利
・排気バルブが無く、回転ですることで排気ポートへ急激に押出すので、排気騒音が大きく、温度も高い
・ローター製造公差に合わせて、シールと呼ばれるパーツを微妙な寸法違いで多数用意する必要があり、適切なシールの選択や組み付けにも熟練の技を要するため、ライン生産に向かない
・特殊パーツが多い為、一般的なレシプロエンジンとは異なる専門知識が必要

1967年にマツダがコスモスポーツを販売したところからロータリーエンジン搭載車両の歴史が始まりました。しかし、年々厳しくなる排ガス規制や騒音規制への対応が難しくなり、2012年 RX-8の生産終了以降はロータリーエンジン搭載の市販モデルは販売されていません。
ですが、研究・開発については継続して行われており、前回の記事でも触れた「水素ロータリー」という可能性であったり、コンパクトなエンジンという利点を生かした発電機(レンジエクステンダー)として電気自動車へ搭載するといった可能性を模索し、2013年に試作車を公開、2018年にはトヨタ自動車が発表した電気自動車のコンセプトカーの市販化に向けて、マツダのロータリーエンジンがレンジエクステンダーとして採用予定であることが発表されました。

冒頭で「4ローターの高音が好き」と明言するぐらいには、ロータリーエンジンが好きなので、令和の時代にロータリー搭載車両が復活する可能性があることはとても喜ばしいですし、実現してほしいと願っています。

さいごに

さて、色々と書いてきましたが、最後まで読んでくれたか方はどれだけいるんでしょうね…

レシプロエンジンの説明を始めた辺りで多くの方がリタイアしたと予想してますが…まぁいいんです。私の趣味・嗜好・偏見をまとめて書いてるだけの記事なので(笑)

エンジンは”熱エネルギーを運動エネルギーに変換する”ため、熱効率や変換ロスがあり、どこまで高効率化が図れるかを長年研究・開発されてきました。電動化の流れが色濃くフォーカスされていますが、それが全てではないと思います。エンジンの可能性はまだまだあると思いますし、完全にシリーズハイブリッドの様に「発電機としてのエンジン」という利用は残ると思います。ですが、モーターには無いエンジンならではのフィーリングや音、振動、何なら匂いも含め、エンジンの良さが令和も続いて行ってくれると嬉しいと願うばかりです。

それでは、今回も最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

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