日々の機微(96) この世界にはアイスブレイクが不足している



日常会話の緊張を解くアイスブレイク入門

緊張の糸が張っているときの頭の中

初対面の人と会うのは多少の緊張があります。初対面でなくても、普段話さない人と食事で席が一緒になったときに話を膨らませることは難しく感じます。例えば、頭の中で「話が広がるかな」「興味を持ってくれるかな」「話が噛み合うかな」「失礼にならないかな」、ということを考えていると自分の顔が引き攣ってうまく話が弾むわけもありません。緊張の糸がピーンと張っている状態では会話を広げることができません。

アイスブレイクとは

そこでおすすめしたいのがアイスブレイクの手段をいくつか用意していくことです。アイスブレイクとは緊張の糸を緩める方法で、会話のなかにアイスブレイクの方法を初めから仕込むことで緊張の糸を緩めることができるように感じます。しかし、アイスブレイクというと、何かしらのワークショップに参加したときの導入に使われることが多い印象があります。例えば自己紹介で今日のお昼ご飯を言ってもらうだとか、今の気持ちをいうだとか、そういったアイスブレイクをすることが私も今までによくありました。しかし、ワークショップでなくても、日常の中でアイスブレイク的要素を取り入れることで緊張の糸を緩めることができます。

日常遣いのアイスブレイク インタビュアーと明後日パンチ

日常遣いのアイスブレイクの方法として私はインタビュアー明後日パンチという方法を持っています。

インタビュアーは、ラジオパーソナリティーになったつもりで、インタビュー形式で質問を繰り出していく方法です。ラジオパーソナリティーになったつもりで、自分の声と相手の声のトーンや間合いに集中し、相槌や感嘆をし、質問を掘り下げることで、会話にリズムをつけていきます。
例えば、「昨日○○があって」と相手が言ったときに、「うんうん」と声に出してうなづくように。イメージとしてはラジオから相手との声のキャッチボールが聞こえるくらいの声量で反応します(相手の会話を邪魔しない程度に)。そうすることで、相手の会話にリズムをつけていきます。質問も、野球のキャッチボールで、すぐにボールを返すように「それでどうなりました?」「なんでそんなことになったんですか?」といったワンフレーズで返していきます。ときどきオウム返しを挟んで感嘆します。
インタビュアーとなって、相手の話を主旋律、自分の反応を伴奏にすることで相手と自分の心の距離が縮まっていく感覚が芽生えます。

もうひとつ明後日パンチはあまり喋りたがらない人に有効です。明後日パンチとは、本題に入るまえに、お互いに関係のない話を繰り出して勝手にこちらで話を膨らませていく方法です。例えば、なんでもいいのですが、最初に議題となるような一言をいいます。例えば、「最近、ファミマのカップ麺が150円から170円に値上がりしましたね」という話を繰り出します、その話を中心に名上げの話やカップ麺が値上がりして起こる弊害などを話しつつ、「コンビニにはいきますか?」などクローズドクエスチョン(はい/いいえで答えられる質問)をしていきます。そして、相手が話し出したら相手の話に耳を傾けます。この方法は、自分が主旋律、相手を伴奏にして、会話にリズムをつけて相手との距離を縮めます。


アイスブレイクは同じ人に何回やってもいい

アイスブレイクは初対面の人に限らず有効です。というか、アイスブレイクを有効に使うことで関係性を円滑に保つことができます。というのも、

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