no.31 そして義父が残った
午後4時から納棺の儀。
生まれて初めて、納棺に立ち会う。
葬儀社から納棺師の男性が来られる。
40代半ばくらいだろうか。
この方の手により、義母は白装束の姿になっていった。
無駄のない、美しい手捌き。義父、夫、私で見守る。
今さらながら、白装束は旅立ちの姿なのだと気づく。
化粧が施されると、義母の表情からは、病のあとが抜けたように見えた。
義母がこだわった、柔らかな長めの髪に櫛が入り、良い感じに整っている。
棺に蓋をする頃には、気持ちに区切りがついた。立ち会うことができて