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サマーソニック2023 リアム・ギャラガー見る為に1人で参戦するレポ 3

(前回の話)


 さて、そんな気になるリアムギャラガーが今度こそ日本に来るという。
サマーソニック2023だ。
「イエス スーン」の答え合わせであったスーパーソニック2020の開催中止から実に3年が経過していた。
その間、正直言って私のリアム熱は薄れていた。たまに聞いてたけど、たまに聞くくらいだ。リアムのツイッターも最初は通知設定していたけれど、多すぎるのでオフにした。頻繁に呟く。

サマーソニック東京会場はZOZOマリンスタジアムと幕張メッセの2会場で行われる都市型フェス、リアムは見たいけど別に今さらフェスに行きたい訳じゃない。しかも8月の関東、絶対に暑い、ヘッドライナーである「ケンドリックラマー」の名前さえ知らなかった私には、1万8千5百円(税込)のチケット代は高かった。
高過ぎる。交通費と宿泊費を含めれば5万くらいだろうか。
「たっけぇなぁ、、。」 私は迷った。


20代の頃、いくつかの野外フェスに友達と行ったこともあったが私は真の音楽好きではない為、30以降は行っていない。若者で余裕もあって周りに行きたい人がいて楽しそうだったので雰囲気で行っていただけだ。

実は人生で一度だけ行ったことのあるフジロックは2009年、この年グリーン・ステージのヘッドライナーを務めたのはオアシスであった。
そして僅かこの1ヶ月後、ノエルの脱退によりオアシスは解散、奇しくもこれが日本での最後のライブとなった。
この年の苗場は大雨に見舞われ、オアシスが登場する時間帯には私は既にかなりの体力を消耗していた。泥でグチャグチャの地面に足をとられながら友人と共にテントサイトへ戻る途中、私はある大合唱を〝横切る〟ことになる。
それはオアシスの大代表曲、兄ノエルが歌う「Don’t Look Back in Anger」(ドント・ルック・バック・イン・アンガー)であった。

「みんなすっごい歌ってるなぁ」と、オアシスファンでもノエルファンでもリアムファンでもない私はその群衆をチラと見て、足を止めることなく歩き続けた。
特段思い入れのないその一場面が14年経てなおも記憶にはっきりと残っているのは、その場の人々の異様なまでの一体感、ウネる熱気を現場で目撃したからであった。
嫌な言い方をするなら、文化祭の最終日にみんなが盛り上がれる曲を肩を組んで大合唱するやつのメガ世界規模盤みたいな感じ。とにかく熱いやつだ。

多分私はこれまでの人生、それを「あっち側の人間」がやってるお祭りとして見たこともあったし、時にその群衆の中の「1」として参加したこともあったと思う。どっちでもあり、どっちでもない人間。その矛盾が「野外フェス行くのに1人で行く」という不気味な歪みを生み出しているのかもしれない。最初から誰かを誘おうという発想はなかった。
自分の心身共に、その時コンディションがどうなっているのかわからない。オアシスファンの友達も当然いない。いたとしても、「今?」って感じだろう。行くなら1人だ。

そんなこんなでやっぱりどうしようかぼんやり思念、単独やるかもしれないから情報を待ってみるか、でもわからないし、サマソニはチケットが売り切れることもあるみたい、、そういやフジロックは入り口でダフ屋から買った、ダフ屋ってまだいるのかな、、など雑念混じりにまだ悩んで夫に相談すると、「いきなよ~」と言ってくれたので、うん、そうだな、やっぱり行くか、行くべきだ、行くしかない‼と腹を括り、オフィシャル先行で3月20日にはチケットを購入した。

今年のサマーソニックは全券種、史上最速でソールドアウトとなったそうだ。
(続く) 


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