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【完全版】YouTube徹底攻略資料


はじめに

「今からYouTubeを始めても既に飽和していて伸びない…」最近は、そんな言葉を耳にすることが多くなってきました。

実際、方向性や戦略を間違えると、労力をいくらかけても結果は出ません。YouTubeはそれだけシビアな世界です。

しかし、「まだまだYouTubeに参入出来る余地はある」と我々は考えています。

なぜか。

それは「正しい戦略と正しい戦術、そして継続力を持って挑めば、高確率でYouTubeを伸ばすことができる」からです。

中でも【チャンネル設計】は、正しい方法で行えば、最低限の労力で大きな成功を収めることが可能です。

逆に【チャンネル設計】を最初の段階で誤ってしまうと、いくら労力をかけても報われないという悲惨な結果になります。

このノートには、【チャンネル設計】において我々がこれまで培ってきた「YouTubeを伸ばすノウハウ」が凝縮されています。

これからYouTubeを始めたい人、YouTubeが伸びなくて悩んでいる方にとって「最高の教科書」になると自信を持って言えます。

前置きはこのくらいにして、まずは株式会社pamxyとその実績を簡単にご紹介させていただきます。

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株式会社pamxyとは
株式会社pamxyは、自社チャンネル、一部上場企業から個人事業主まで、幅広い支援実績を持っているSNSマーケティングの会社です。

特に自社チャンネルにおいては、登録者85万人を超えるチャンネルを実際に運用し、最新の情報やマーケティング手法、クリエイティブ制作まで一気通貫で行っています。その最前線の中で裏打ちされた確かなスキルで数々のクライアントのSNSマーケティングを成功に導いています。

株式会社pamxyの具体的な実績を余すことなく公開します。(2022年2月現在)

<自社チャンネル>
・『あるごめとりい』登録者85万人
・『ミッドナイトムーン』登録者10万人

<弊社支援チャンネル>

・『ナイツ塙の自由時間』 登録者11万人
・『腰痛・肩こり駆け込み寺』 登録者30万人
・『キープレイヤーズ』 登録者1万人


芸能人でもないし、先発でもない方々がどうやってYouTubeで結果を出し、ブランドやファンコミュニティを形成していけるのか。私達自身の悩みでもあり、多くの仮説検証を行いました。その結果、自社チャンネル70万人やお客様のチャンネルを30万人にしたりなどYouTubeのSNSマーケティング業界でトップランナーと胸を張れる実績を創ることができました。

また、1本公開して結果がすぐにでる媒体ではないので、この広いYouTubeの海の中で迷わないよう、YouTubeに挑戦する方や企業様の羅針盤になれば良いとの思いで資料を作成しました。とはいえ、この資料は全部ご自身で企画、構成、編集、投稿、分析などの運用を行える方に向けて書いていることをご了承ください。

本書は3部

3編構成となっています。全ての内容をご理解いただくことが重要であると我々は考えております。まずは、気になる部分からご購読いただけますと幸いです。

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< YouTube徹底攻略資料 ~チャンネル設計編~ >
・Section1 YouTubeを始める上での心得
・Section2 YouTubeの特徴
・Section3 チャンネルリサーチ・企画ラインナップ


< YouTube徹底攻略資料 ~動画制作編~ >
・Section4 YouTubeの構成 
・Section5 YouTubeの撮影・編集


< YouTube徹底攻略資料 ~アップロード・分析編~ >
・Section7 サムネイル作成
・Section8 動画のアップロード
・Section9 YouTubeアナリティクスによる分析

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また、下記の点に関しましては、ご留意いただけますと幸いです。本書では長年試行錯誤しながら、pamxyが得てきた知識やノウハウを徹底的に公開しています。我ながら、YouTubeに挑戦するみなさまのお力になることができる内容であると自負しております。ぜひご覧になってみてください。

このnoteをオススメする人・企業様
・YouTubeを始めたいけど、何をしたら良いかわからない方  
・YouTubeコンサルや運用代行を利用したいが予算が潤沢でない方
・YouTubeを始めたけど、全然数字が伸びない方
・自社の商品やサービスの顧客獲得やブランディングをしたい方
・広告収入で収益を得たい方

このnoteをオススメしない人・企業様
・戦略的に物事を考えたくないという方
・自分のやりたいことだけを貫きたい方
・なるべく楽してYouTubeを伸ばしたい方

こ遠慮いただきたい事
・本書の内容の発信や切り取り発信を行う行為
・コンサルティングやセミナー等での内容の流用
・転載やコピー等を含む二次利用(配布物を含む)

まずは、本書にご興味を持っていただき、ありがとうございます。本書が購読者様のお力になれるようpamxyの持つYouTubeノウハウを惜しみなく、公開します。

< Section1 YouTubeの心得 >

1-1:YouTubeの市場環境


2020年9月YouTubeの日本における月間利用者数は6500万人を突破。コンテンツプラットフォームとしての地位を揺るぎないものにしています。

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2019~2020年にかけて1日あたりのYouTubeの利用時間も全年代で伸び続けています。このようにYouTubeは今や生活の一部として浸透しており、SEOにおけるマーケティングが飽和した昨今、YouTubeを活用したコンテンツマーケティングが注目を集めています。今回、YouTubeマーケティングのトップランナーであるpamxyが長年培ってきたノウハウを公開します。

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参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000043425.html


1-2:YouTubeで発信するメリット


<法人の場合>


・コンテンツのストック性
従来のリスティング広告等におけるペイドメディアは課金に応じたリーチが可能な掛け捨て型の手法です。しかし、YouTube上で展開するコンテンツマーケティングでは、一度公開した動画が永久に残り続けるので、コンテンツがストックされ資産が積み上がっていきます。つまり、一度動画を公開してしまえばあとは動画がユーザーにリーチし続けてくれるのです。

・見込み顧客の獲得
YouTubeはInstagramやTwitter等のSNSと比較すると商品やサービスの購入のきっかけとしての訴求力が非常に高い媒体です。YouTubeを通じ良質なクリエイティブを創る事が出来れば、非常に強力な集客チャネルになります。

・ブランディング
集客以外の側面でもブランドイメージ形成の為のYouTube活用事例も増えています。ランディングページ等のテキストや画像ではなく、動画の圧倒的な訴求力を活用してユーザーにブランドイメージを想起させる事が可能です。

・アドセンス収益
法人と言えども個人と同様にアドセンス収益が入るため、これを制作費に充てる事で長期的には制作費のコストカットに繋がります。公開された動画数が増えれば増えるほど、平均再生数は増えるので、長期的にみると、このメリットはさらに大きくなっていきます。


<個人の場合>

・ブランディング
個人としてのブランディングにおいてYouTubeよりも強力なプラットフォームはありません。それはテキストや画像で数秒から数十秒見るよりも、動画で3分〜10分もの間動画を観続ける方が情報量が多いので、必然的に訴求力が高くなるのは自明だからです。

・案件獲得
個人としてインフルエンス力が付いてくれば、企業から案件の声が掛かかります。特にニッチジャンルなどでは数千人程度の登録者数で企業側からお声掛けされる事例もあります。

・アドセンス収益
YouTubeでは再生数に応じたアドセンス収入が見込めます。これもInstagramやTwitter等にはないメリットです。ここでの収益を原資にクリエイターはより創造的な活動に集中する事が可能です。

・指名検索の増加
GoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンでの指名検索数の増加も期待できます。商品やサービス名で検索するユーザーが増加し、結果的にウェブサイトの訪問数や見込み顧客の獲得に寄与します。


1-3:YouTubeを運用する上での心得

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伸びるチャンネル、伸びないチャンネル

まずは、伸びるチャンネルと伸びないチャンネルにはどんな特徴があるのか。極力分かりやすいように、その違いを図解や事例を通してご紹介していきます。その違いの根幹となるのは、以下の2つの考え方です。

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プロダクトアウトとは

作り手の理論や計画を優先する方法。つまり、作り手が「良い物創ったから観てよ!」と買い手(視聴者)にアピール思考のことです。

マーケットインとは
ユーザー(買い手)のニーズを優先する方法。つまり、買い手の「こういう動画が観たい!」というニーズに合わせて動画を作成する思想のことです。

みなさまは、どちらの視点でチャンネルを設計したら良いのかは、すぐにおわかりいただけてると思います。しかし、法人や個人問わずこの視点が欠如したままチャンネルを運用している方がとても多いのが現状です。

あなたの行動を振り返ってみてください。いつも見ているチャンネルで商品紹介メインになっている明らかに企業都合のプロダクトアウト型のチャンネルを観ていますか?おそらく多くの方がNOだと思います。裏を返せば、マーケットインの視点を持てば、YouTube上にはまだまだ攻められるジャンルが数多くあるという事でもあります。


1-4:アルゴリズムの理解とデータに基づく改善

YouTubeを運用しているにも関わらず、仮説立てをしてデータを見ていない、そもそもデータの見方がわからないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、「チャンネル立ち上げの初期においては、インプレッションは出ないので、視聴維持率とクリック率が重要。流入元はYouTube検索と関連動画がメインなので一旦オススメからの流入は無視して〜」など、仮説を立てデータを見ている方が非常に少ないのです。(今はここで何を言っているかが分からなくても大丈夫です。)

これから後発でYouTubeを始める方に関して『なんとなくこれなら楽しそう』という仮説無しの運用で結果が出るほど現在のYouTubeは甘い世界ではありません。よっぽどのクリエイティブの天才であれば、話は別ですが…

しかし、これは我々のような経験者だから立てられる仮説でもあるので、現時点では分からなくても全く問題ありません。まずは、「どの指標をどう見れば良いかわからない」という現状から抜け出しましょう。

YouTubeを一度でも0から成長させた経験者は、初期、中期、後期のそれぞれでタイミングでどんな戦略を取るべきなのか理解しています。これらを理解した上で、データを元に仮説を立てて、検証する。つまり、YouTubeのアルゴリズムと向き合いながら、PDCAを回すことがYouTube運営上必要不可欠なのです。逆に言えば、これらを理解すれば、再現性を持ってYouTubeチャンネルを立ち上げることが可能になるのです。


1-5:後発のYouTubeチャンネルの絶対条件

後発組のYouTubeチャンネルにおいて明確な確定事項があります。それはマルチ型ではなく、特化型チャンネルを作るべきであるということです。この手のマルチチャンネルはYouTube初期の頃に参入した方々ばかりです。後発でも上手くいく例外は、最初から知名度の高い芸能人のチャンネルくらいです。逆を言えば、芸能人ではない一般人が後発でマルチチャンネルを立ち上げるのは難易度が高く、レッドオーシャンだと言えます。

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マルチチャンネルの企画例
・【検証】メントスコーラを一気に100個やってみた!
・【実食】大行列!?日本一巨大なラーメンを食べてみた!
・【ドッキリ!?】友達の家にタピオカ100杯送りつけてみた!


一方で、マルチチャネルに相反する存在なのが、特定のジャンルに特化したチャンネルです。もし芸能人ではない一般人の方がこれから後発でYouTubeを始めるならばこの特化チャンネルを始めるべきです。

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特化型チャンネルの企画例
・【瞬間30秒】自分で出来る 肩甲骨剥がし(整体特化)
・【ゴルフ初心者必見!! 】スイングの基本ポイント3選(ゴルフ特化)
・【ルームツアー】日本に1つ!?不思議な物件の間取りとは(不動産特化)


1-6:YouTubeで9割が挫折する理由

YouTubeはTwitterやInstagram等の他のSNSと比較し、挫折する人が特に多い媒体です。その理由は、1つのコンテンツを制作することに対する負担が大きすぎるためです。ツイートと動画を制作するのでは、負担の大きさが違いすぎることは明確です。

それに加えて、コンテンツマーケティングの初期段階では思うように数字が伸びず、「このチャンネルは伸びないのでは…」、「戦略を間違えてるのかも…」、「僕にはもう無理なのか…」などと諦めてしまう方が多いのです。これは非常にもったいないと思います。
しかし、初期段階でも今向かっている方向性や打ち手が正しいかどうかを確認する術があるので、そちらもこの先で解説させていただきます。


1-7 :YouTubeチャンネルの成長曲線

これはYouTubeに限った話ではなく、コンテンツマーケティング全般に言える話ですが、初期段階は全くと言っていいほど成果が出ません。1回投稿したらフォロワーが1万人になった、1本動画を投稿したら10万回再生された、などの事例がほとんど存在しない事からもお分かりいただけるかと思います。「ほとんど存在しない」というのは芸能人や他の媒体で十分なインフルエンス力を持った方は除くという意味です。

しかし、コンテンツマーケティング初心者の方はこの事実を知らずに初期のこの苦しい時期に諦めてしまうという方がとても多いのが現実です。

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1-8:それでもYouTubeをやるメリットがある理由

時間やコストがかかる分、視聴者に届けられる情報量が多いのがYouTubeの特徴です。そのため、ブランディング形成やコミュニティ作り、その他の横展開における訴求力の強さにおいて群を抜いています。

つまり、成功した際の恩恵もまた大きいのがYouTubeです。YouTube経由で獲得したファンやブランドのフォロワーの共感度はとても高いものです。事実、YouTubeは他のSNSと比較しても、購買のきっかけとなる確率が高い媒体なのです。

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参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000023647.html



< Section2 YouTubeの特徴 >


2-1:YouTubeで動画が広がる仕組み

突然ですが、みなさんがYouTubeを運営する目的は何でしょうか。広告収入を得るため、自社商品を売るため、など様々な目的があると思います。その中でも、全ての目的に共通していること、それは「再生数を伸ばさなければならない」ということです。

では、具体的にどのようにYouTubeの再生数が伸びていくのかご存知でしょうか?今回は、YouTube上で動画が広がる仕組みについてご紹介していきます。各SNSでは、各々のアルゴリズムによってコンテンツが拡散される仕組みが異なります。

例えば、Twitterはフォロワーのリツイートや流行の「#(ハッシュタグ)」によって投稿が拡散される仕組みになっています。

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しかし、YouTubeではTwitterのように個人のユーザーを起点に情報が広がることは、基本的にありません。主な拡散方法はユーザーによる拡散ではなく、YouTubeのアルゴリズムによる拡散です。

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一体どういうことなのか。これはTwitterが「ユーザーが他のユーザーにおすすめする仕組み」だとすると、YouTubeは「YouTubeのアルゴリズムが他のユーザーにおすすめしてくれる仕組み」だと言うことです。


つまり、YouTubeのアルゴリズムにがあなたの動画を気に入ってもらえると、YouTube側が勝手に様々なユーザーに拡散してくれるのです。
拡散してくれる場所は、YouTubeのホーム画面(YouTubeを開いたら最初に出てくる画面)や関連動画(視聴している動画の下部やサイドに出てくるオススメ欄)です。まとめると、YouTubeで動画の再生数を伸ばすには「アルゴリズムに気に入ってもらう必要がある」ということです。


2-2:YouTubeアナリティクス

動画の再生数を伸ばすためには、アルゴリズムに気に入ってもらうことが重要であることはお分かりいただけたでしょうか?それではアルゴリズムに気に入ってもらうためにはどうすればいいのか。

そのために、重要な役割を果たすのが「YouTubeアナリティクス」です。これは、YouTubeに投稿した動画の再生や視聴状況の解析ができるツールです。「この動画を見ている年齢層を知りたい」「平均の視聴時間が知りたい」「チャンネル登録の推移を見たい」こんな悩みを解決できる優れものなのです。(YouTubeアナリティクスの詳細に関しては、「アップロード・分析編」で詳しくご紹介しております。)

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YouTubeは投稿された無数の動画にオススメする優先順位をつけるため、常にさまざまな指標で良し悪しの判断を行っています。それこそが「YouTubeアナリティクス」に表示されている数値なのです。具体的には、クリック率や視聴維持率、チャンネル登録率などですね。以降は、これらの値を総評してエンゲージと呼ぶことにします。

エンゲージは大きく2つの数値に分類することができます。1つ目がクリック率やコメント数、高評価数など目に見えてわかる数値。2つ目がユーザーの滞在時間やコメントのキーワードなど目に見えない様々な数値です。これらの数値をもとに、どの動画を優先して表示するか否かを判定しているのです。

あなたの動画のエンゲージを高めることができれば、YouTubeはあなたの動画を様々なユーザーにオススメし、結果的に動画の再生回数が増える、という仕組みなわけです。これが冒頭で「YouTubeのアルゴリズムが他のユーザーに拡散してくれる仕組み」とお伝えした理由です。しかし、これだけではまだまだ不十分な理解です。


2-3:YouTubeに動画のジャンルを知ってもらう

エンゲージを上げてYouTubeに気に入ってもらう前にもう一つ重要なことがあります。それはあなたの投稿動画がどんな動画なのかをYouTubeに知ってもらう必要があるということです。先ほど「エンゲージを上げればYouTubeがユーザーにオススメしてくれる」とお話しました。

しかし、YouTubeは不特定多数の全ての人にオススメしてくれるわけではありません。YouTubeはあなたの投稿動画の「ジャンル」を判断し、その「ジャンル」を好みそうなユーザーに優先してオススメします。では、YouTubeはどのようにして、投稿された動画の「ジャンル」を判別していると思いますか?

YouTubeは主に以下の4点をもとに判別しています。

・キーワード

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まずは、①・②・③に関してご紹介します。
YouTubeはサムネイルから動画の概要欄、動画内のテロップまで、文字のあるところ全てのキーワードデータを収集しています。

その中でも重視されるのが「タイトル」と「説明欄」。YouTubeは基本的にタイトルと説明欄のキーワードデータを取得し、投稿動画のジャンルを判別します。そして、そのジャンルに興味がありそうなユーザーに動画をオススメしてエンゲージの反応をテストします。(※キーワードの選び方や設定方法に関しては、後述します。)




・視聴履歴

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次に④に関してご紹介します。YouTubeに投稿動画のジャンルを判別してもらうには「実際に投稿動画をみたユーザー」が重要です。具体的に例を挙げると、あなたの投稿動画をゴルフ好きのユーザーがたくさん見たら、YouTubeはさらに「ゴルフ好きのユーザーにオススメしよう」とします。

しかし、YouTubeはどうやって一人一人のユーザーが「ゴルフ好き」だと判断しているのでしょうか?ユーザー1人1人に自らの好みを入力させたりはしてませんよね?ですが、YouTubeはユーザーのあるデータを見ることで好みを判断しています。それがユーザーの「視聴履歴」データです。

YouTubeで猫の動画を見ていたらホーム画面や関連動画で色々な猫の動画をオススメされた経験ありませんか?それはあなたの視聴履歴に「猫」のジャンルの動画が溜まったことで、YouTubeがあなたのことを「猫動画が好きなユーザー」だと判断したからなのです。そして、あなたの見た動画のジャンルに強い関連性をもつ動画を次々とオススメするようになります。

また、同じチャンネルの動画はより関連性が強いので、オススメされやすい傾向にあります。あるチャンネルの動画を1つ見ただけで、そのチャンネルの他の動画がオススメされることがよくあると思います。


まとめ
まとめると、以下のフローで動画の再生数が広がっていくことになります。

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整理して見てみると当たり前の仕組みですよね?しかし、今あなたはこの仕組みを本当の意味で理解しているでしょうか?ここが長い目で見てチャンネルを伸ばせるかの分かれ道となる超重要なポイントなのです。


2-4:視聴履歴が足を引っ張る

よく他のSNSからYouTubeのチャンネルにユーザーを流入させようとする人がいます。しかし、この行為は基本的にNGです。その理由は先程の「ゴルフ動画の視聴履歴」という部分に着目すると分かります。

例えば、あなたがゴルフの動画を公開し、同時にTwitterで動画のリンクを載せたツイートをしたとしましょう。そして、100回再生されたうちの80回がツイートから遷移したユーザーの再生になるとします。このツイッターから飛んできたユーザーの視聴履歴は一体何か分かりますか?分かりませんよね?

もしかするとYouTubeでは料理動画しか見ていないユーザーかもしれませんし、サッカーや野球を見ているユーザーかもしれません。極端に言えば、再生回数の80%がゴルフ動画の視聴履歴をもたない人で溢れてしまう可能性があります。

するとどうなるでしょうか。YouTubeがあなたの投稿した動画がどんなユーザーに高いエンゲージを示すのか分からなくなってしまうのです。もし、80%すべてのユーザーが料理動画を視聴履歴にもつユーザーだとしたら、YouTubeはゴルフ動画を料理好きのユーザーにオススメすることになります。そうなればもちろん動画がクリックされて視聴される確率はガクンと減ります。

外部からの流入ではなく、YouTubeに任せておけば、100回のうち100回がゴルフノウハウ動画を視聴履歴にもつユーザーにオススメされるのです。
あなたの投稿した動画があなたの届いて欲しいユーザーに届くのです。

以上のように、あなたの動画を見たユーザーの視聴履歴が動画の伸びを阻害する事例は他にもあります。
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① チャンネルのコンテンツが定まっていない
② サムネイルやタイトル詐欺
③ ジャンルが異なるチャンネルとのコラボ
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①②について、
例えば、あなたがゴルフの動画をアップしているとします。YouTubeは、あなたの投稿する動画は「ゴルフ動画を視聴履歴にもつユーザーに視聴されやすい」と判断しています。そこに、ゴルフとは全く関係のない「釣り」のコンテンツをアップしたとしましょう。

すると、YouTubeはキーワードから動画のジャンルを「釣り」と判断し、今までにあなたのチャンネルを視聴したユーザーに加え、一部「釣り」の視聴履歴を持つユーザーに動画を表示します。その結果、あなたの動画をみたユーザーの視聴履歴に「ゴルフ」だけでなく「釣り」も混ざってしまい、YouTubeが混乱してしまうのです。もしその釣りの動画がゴルフ動画よりも何倍も再生が回ってしまうと最悪です。今後あなたが投稿するゴルフ動画は再生数が伸びにくくなってしまいます。②についても同様の理由となります。

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次に③についてです。例えば、あなたのゴルフチャンネルに1回だけ大物芸人が登場するとしましょう。その動画は大物芸人のチャンネルやその知名度からたくさんのユーザーが流入し、再生回数がいつもよりも増えるかもしれません。しかし、もちろん流れてきたユーザーの視聴履歴がゴルフノウハウだとは限りませんよね?あとは①や②と同じ理屈です。

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①〜③も、視聴するユーザーの視聴履歴をコントロールできるのであればメリットしかありませんが、それはかなり難しいのが現実です。基本的には避けたほうが良いでしょう。


2-5:最後に

このSectionでは、YouTubeの仕組みについてご紹介してきました。その中で、最もみなさんにお伝えしたいことはたった1つ、「アルゴリズムの理解は大事だが、振り回されてはいけない」ということです。そもそもアルゴリズムは人間の感情を数字としてデジタルに捉えるための法則の事です。

結局、あなたのチャンネル、ひいては、YouTube全体のユーザーの求めているものを徹底的に理解し、彼らに気に入ってもらうことができる動画を制作すれば、自然とアルゴリズムはあなたの動画を優遇してくれるようになります。

今回は特に追うべきエンゲージを紹介しましたが、アルゴリズムはかなり複雑で、「◯%を超えると動画が伸びる」などという単純な話はありません。エンゲージだけ追っているとエンゲージに振り回されることになりかねません。構成や編集を変更してエンゲージにどう影響するかを比較するなどして、あなたの動画を視聴しているユーザー理解のために適度に参考にする、ということを忘れずに。


< Section3 チャンネル設計・企画ラインナップ >

3-1:チャンネル設計前に抑えるべき内容(法人)

依頼主*(以下パートナー)よりもその先にいるユーザを深く知る
まずは以下の問い全てに回答することができるのか確認してみてください。

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なぜお客様を深く知る必要があるのか?
お客様を深く知ることはもちろん重要です。これだけでなく、YouTubeの仕組みと照らし合わせると、YouTubeを伸ばすためにより重要であることがより明確になります。

ここまでで説明した通り、YouTubeの再生回数を伸ばすにはユーザーのエンゲージを高めることが重要です。特に着目すべきエンゲージは、サムネイルのクリック率・視聴維持率・チャンネル登録率の3つです。エンゲージが高いのか低いのかは、「動画のジャンル」や「チャンネル登録者数」「視聴回数」など状況によって様々に異なります。そのため、「◯%なら高い」という絶対値の基準はありません。

クリック率
前提としてクリック率は公開してから日にちが経つにつれて3〜5%周辺の値に落ち着きます。初めのクリック率が高いほど、広範囲のユーザーに動画がおすすめされ最終的にその辺りのクリック率になるように落ち着いていきます。そこで今回は「公開後24時間後」のサムネイルのクリック率の目標値をお伝えします。(※ジャンルによっても変動する指標です。詳しくはアップロード・分析編でご紹介します。)

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視聴維持率
平均再生率は視聴維持率の要素の一つ。前提として、動画のジャンルや動画の尺、再生回数の伸びによって変わってきます。その上で平均再生率の目安をお伝えすると以下です。

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チャンネル登録率

YouTubeアナリティクスの詳細画面のチャンネル登録状況タブで全視聴回数のうち何回が未登録者によるものか調べることができます。

その値を踏まえて以下の計算式で導き出すことが可能です。
(チャンネル登録者数)➗(未登録者の再生回数)= 未登録者1000回あたりのチャンネル登録数
※動画1本について見る際は、指定期間は公開後全期間、チャンネル全体でみる際は、指定期間は1ヶ月単位で確認

この値も動画ジャンルや登録者数によって良し悪しが異なりますが、目安は5以上を目指しましょう。

以上エンゲージの指標の詳細については下巻の「YouTubeアナリティクス」エンゲージ目標値をご覧ください。YouTubeを伸ばすためには、「YouTubeのブラウジング(オススメ機能)」という機能に乗り、多くのインプレッションを獲得していく必要があります。

こちらが実際2ヶ月で300万再生された動画ですが、YouTubeによってオススメされた動画経由で98.8%の流入をしています。検索流入経由が1.2%とそのほとんどがYouTubeからのおすすめによって掲出されたものであることがわかります。これが従来のホームページやSEOとの最も異なる点です。

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YouTubeのオススメは大きく二種類に分けることができます。1つ目は、ブラウジング機能=ホーム画面でのオススメ動画。2つ目は、関連動画として動画再生中に付近に表示される動画です。

皆さんも趣味の動画、例えば好きなアーティストの動画を見た後にホーム画面や関連動画欄がそのアーティストの動画だらけになったという経験はないでしょうか?そう、YouTubeは視聴履歴をベースにしてこのオススメ動画を勧めているのです。

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つまり、40代女子のコスメ動画を投稿した際に、サムネイルをクリックをしてもらい、最後まで見てもらい、チャンネル登録をしてもらうことにより、YouTubeはどんどん同様の視聴履歴を持つユーザに対して動画を見せていきます。これが所謂バズの正体です。

以上の仕組みを持つYouTubeにおいては、ターゲットとなるユーザーを理解し、有益な内容、クリックやチャンネル登録を誘発することがYouTubeを伸ばすポイントになります。これが、ユーザー理解が最も重要と言える理由です。では、どのようにユーザー理解を深めていくべきなのでしょうか。これに有効なのがキーワードリサーチとベンチマークチャンネルの2つのリサーチです。この2点に関して、後程お伝えしていきます。


3-2:チャンネル設計とは

チャンネル設計とは以下の項目を決めることです。

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これは実店舗に例えると分かりやすいです。
 ① インドのカレー屋
 ② 海外の雰囲気を味わいたいオフィス街の20〜30代のサラリーマン
 ③ 本場インドで10年間修行した店主が作る絶品カレー
 ④ インドの衣装を身につけた店主にインドのBGMや店内装飾

①は「お店が何を提供するのか」、②は「狙うお客さん」、③は「他のお店とは違った特徴や売り」、④は「③の特徴を表す人や物」ということです。
ここまで説明すると、チャンネル設計は①を決めるだけでは足りない理由が分かるでしょう。ただのインドカレー屋では他の店舗に埋もれて消費者に魅力が伝わりません。

一方で、①さえ決めていない方もいるのではないでしょうか?それが前章「心得」でも述べたマルチチャンネルの例です。マルチチャンネルで成功しているのは②がかなり特徴的だからです。実店舗で例えると、お店の店主がめちゃくちゃ面白い人でその人目的でお客さんが寄ってきている状況です。現在のYouTubeで①さえ決めずに成功するのは、既に認知度が高く人気の芸能人やかなり特徴的な人物だけです。

また、前章「YouTubeの特徴」でもお伝えした通り、あなたのチャンネルの動画ジャンルをYouTubeに理解してもらうために①や②はとても重要です。さらに、あなたのチャンネルのファンを増やし、エンゲージを高めるためにも③や④は欠かすことができない要素です。

ではどうやって、①〜④を決めればいいのでしょうか。決める際のノウハウ、注意点をお伝えしていきます。


3-3:リサーチの全体像

①の動画ジャンルや②のターゲティングを決める際に注意すること、それは「ニーズが存在しているか」です。これは前章「心得」でもお伝えしたマーケットインの思考です。魚のいないところで釣りをしても魚が釣れるはずはありません。まずはそこに魚がいるか調べる必要があります。そのためのリサーチです。

チャンネル設計にあたり、リサーチの全体像を説明します。以下の2種類のリサーチを行うことで、①や②を決定する判断材料としていきます。

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1.キーワードリサーチ
キーワードリサーチは、ユーザが月間に検索する検索キーワードの量をベースにリサーチを行う方法で、定量的にユーザニーズを読み解くことができます。

2.ベンチマークリサーチ
ベンチマークリサーチは、既に先行するチャンネルを調査してリサーチを行う方法で、定量的(再生数やチャンネル登録者数)に加えて定性的にもユーザーニーズを読み解くことが可能です。

上記の2種類のリサーチ手法を行き来しながら、定性的かつ定量的にユーザニーズを押さえて企画クリエイティブを制作していきましょう。


3-4:キーワードリサーチ

検索キーワードの大きさによって競合リサーチ・キーワードリサーチの手法が異なってくるため具体例で紹介していければと思います。

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ahrefsツールで月間検索ボリュームを定量的に把握する
YouTube上で月間検索ボリュームが表示するためにahrefsというツールを利用します。調べたいキーワードを入力して地域をJapanに設定し、検索するとキーワードに対するユーザのニーズ=月間の検索ボリュームが表示されます。

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検索結果からユーザニーズを理解する
これは「肩こり」というキーワードで検索した際の検索結果です。ここから読み解けることは、肩こりを抱えるユーザが一番求めている解消方法はマッサージであり、次にヨガ、次がストレッチであることが見えてきます。
キーワードボリュームの目安
具体的な大きさとしては以下です。

5k超え(メジャーキーワード)
:YouTube上でかなり検索されている「ダイエット→34k」
1k超え(ビッグキーワード)
:YouTube上で十分に検索されている
1k~100(ミドルキーワード)
:ターゲット顕在層が検索しているので狙うべき
100~20(ニッチキーワード)
:以下、整体の場合狙わない、他のジャンルなら狙う
20~(除外キーワード)
:これらのキーワードは狙わない

キーワードボリューム大小の判断の具体例
具体的にどのようにキーワードの大きさを決めるかというと、狙っているメインのキーワードが1000以上の場合は後述するビックキーワード事例を参照、1000以下の場合は後述するスモールキーワード事例を参照下さい。

■整体のメインの場合(ビックキーワード事例)
代表的と想定される以下2キーワードが1000を超えているため検索ボリュームは大きいと言えます。

腰痛:49000
肩こり:46000

■WEBマーケティングの場合(スモールキーワード事例)
代表的と想定されるキーワードでも1000を切っているため検索ボリュームは小さいと言えます。

webマーケティング:250
リスティング広告:150
Google広告:30
Facebook広告:10


3-5:ベンチマークリサーチ

ベンチマークリサーチでは先行するチャンネルが出している動画をから、定量的かつ定性的にユーザニーズを読み解いていきます。

その際に注意すべきなのが、Googleのシークレットウィンドウでリサーチをするということです。これはユーザーの検索履歴や視聴動画履歴によって、検索表示される動画が変わってきてしまうためです。シークレットウィンドウは以下のショートカットキーを活用することで簡単に利用できます。

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Windowsの場合:Ctrl + Shift + Nキーで起動します。
Macの場合:command + shift + Nで起動します。
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ベンチマークリサーチを行う方法は2種類あります。
①キーワード検索から行う方法
②ツール(TUBERS)を利用する方法

方法1:キーワード検索から行う
まず最初に、キーワード検索から競合リサーチを行う方法としては、上記で洗い出したキーワードをYouTubeの検索タブに入れていきます。検索キーワードを入れたときのサジェストからもユーザーニーズを定性的に読み取ることが可能です。

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余談ですが、YouTube検索タブはキーワードを入力するとユーザが検索している候補ワードをサジェストしてくれます。こちらもキーワード選定の参考にすることができます。

伸びている動画からユーザニーズを読み取ります。ここで、再生回数が回っているとしても以下に該当するものを除外していきます。

1.投稿が古すぎる=昔から動画があるため伸びている。
2.芸能人や人気YouTuberの企画=ユーザニーズではなく、そもそもの影響力が高い。
3.CM風動画の再生数が多い=ユーザニーズではなく、広告を配信している可能性大。

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ここから更に見ていくと、以下画像のように2年以内配信で動画が再生されている動画を発見しました。

74万回再生:整体師たっかーさん
85万回再生:Kazuya Sakodaさん
20万回再生:山内義弘さん

3名の方のチャンネルが出てきました。ここで発見した3名のチャンネルを一旦ベンチマークとします。このように、YouTube検索からベンチマークを見つけていく方法が1つ目の方法です。

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人気動画からユーザニーズを読みとく
ここまでで、ベンチマークチャンネルは決まりました。次はベンチマークの動画を確認していく方法です。チャンネル>動画 からアップロードされた動画を人気順に並び替えます。人気順=簡易的にユーザニーズを把握することが可能になります。

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Sakodaさんの場合は、首コリや猫背、五十肩というトピックが人気であることが分かるのでこれらを解消する企画を取り入れることを検討します。

更に別チャンネルも見て見ましょう。山内義弘さんのチャンネルでは、肩甲骨剥がしが圧倒的、時点で首こりや五十肩、ギックリ腰が人気であることが分かります。

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この時点で首コリ・五十肩はユーザニーズが強く企画に入れることはほぼ確定。肩甲骨剥がしやぎっくり腰というキーワードを再度検索窓に入れるという作業になります。ユーザニーズがあるか確認すべく、このチャンネル以外でも同類のコンテンツが視聴されているのかをリサーチするためです。

また、人気動画からユーザニーズを読みとく際も、短期間で再生数が多い動画を企画に積極的に取り入れていくようにしましょう。

再生数/チャンネル登録でユーザニーズを読みとく
「再生数/チャンネル登録者数」を用いてお宝企画(キーワード)を探していきます。例えば、矯正というジャンルで動画を投稿する場合、「矯正の闇」という企画は穴場です。

以下、画像のコスメオタチャンネルサラさんは登録者55万人、それに対して再生数が2ヶ月で13万回です。ユーザ需要というよりは既にファンがついている大物YouTuberパターンです。

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一方で、「美容の闇チャンネル」の「マウスピース矯正の闇」企画は、チャンネル登録者602人に対して4ヶ月で2.6万回回っています。

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単なる再生回数ではサラさんの方が上位ですが、ユーザーの需要はチャンネル登録数は少なくとも再生数を獲得しているマウスピース矯正の闇にあると言うことができます。このように、「再生数/チャンネル登録者数」でユーザニーズを読みとくことができます。登録者数1000人以上かつ、再生数/登録者が3以上の動画がユーザニーズがある動画の一つの目安になります。

特に特定のチャンネルで、ある特定の動画だけがずば抜けて再生されている場合は積極的に企画に取り入れていきましょう。

方法2:ツール(TUBERS)で行う
TUBERS(無料ツール)を活用すると、先ほどのキーワードに対する人気チャンネルをより広く調べることが可能です。登録が必要ですが、無料ツールですので安心して利用できます。

左側の検索>検索窓にキーワードを入れると、該当キーワードに関連するチャンネルを一覧表示してくれます。更に現在及び直近の登録者・再生数、推移を一覧で見ることができるので、直近伸びている特定のキーワードに関連するチャンネルを見つけることができます。チャンネルをベンチマークした後の流れは方法1と同様に人気動画を並び替えて、期間、再生数/登録者で確認していきます。

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以上、整体のようにキーワードボリュームが定量的に知ることができる場合はここまでお話しした方法でリサーチを行います。

キーワードボリュームが小さい場合
整体のようにキーワードボリュームが大きい場合は、ahrefsでキーワードからユーザニーズを読み解くことが可能です。では、キーワードボリュームが小さい場合はどのようにすれば良いのでしょうか?

「Webマーケティング」に関するチャンネルを例に紹介していきます。
キーワードボリュームが小さいパターンの場合まず初めに考えることは、「キーワード調査で見落としているキーワードが本当にないのか」です。

例えば先ほどの場合はこれらのキーワードは小さいですが、
webマーケティング:250
リスティング広告:150
Google広告:30
Facebook広告:10

これらのキーワードを調査している中でサムネイルの中で訴求されていた「集客」というキーワードを発見したためahrefsで調べたところ、800のボリュームがあることを発見できました。

このように、競合調査やキーワードリサーチの際にベンチマークする動画のタイトルやサムネイルに含まれている用語から見落としているキーワードが無いのか確認していきます。

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3-6:見せ方・切り口

リサーチによって、ニーズのある動画ジャンルとターゲットを決めたら、次に見せ方や切り口に特徴を出しましょう。要するに企画ですね!最初のインドカレー屋の例えで言えば、「本場インドで10年修行した店主」という部分。特徴の出し方は上記の例えのように「人の経験」で出す方法が一つ。他にも様々ありますが、具体的に言うと以下です。

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人の経験や資格、立場、肩書き
1はインドカレー屋の例えと同様の特徴の出し方です。権威性を示すことでその道のプロが提供してくれる、という価値を生み出します。
これは権威性の他にも、自身の立場の場合もあります。例えば「お料理の高校生」というチャンネルがあるのですが、このチャンネルは登場人物が「父子家庭」で育つ女子高生です。このようなマイノリティの立場から情報を発信するだけでかなりの特徴になります。
なぜならマイノリティだからこそ、その生活はブラックボックス、誰も想像ができない領域だからです。多数のマジョリティがそのブラックボックスを覗きたくなるわけです。もちろんそのマイノリティの認知度も重要です。ブラックボックスにニーズのあるマイノリティである必要があります。「お料理の高校生」で言えば、父子家庭で育った女の子がどんな時間にどうやって、どんな料理を作るのか、ユーザーは気になって視聴するわけです。

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人の性格・キャラ

登場する人物の性格やキャラで独自性を出すのも一つの手です。具体的な例を挙げると、フワちゃんやkemioなどです。しかし、無理をして性格やキャラクターを装ったとしても良い結果には結びつきません。なぜなら、無理をしている時の不自然さはユーザーに簡単に伝わってしまうからです。

人数

登場する人数で特徴を出すことも手です。いわゆるグループ系のYouTuberですね。人数を増やすことによる効果は、会話が生まれてボケやツッコミができることです。また場の雰囲気を強調することもできます。例えば、「えびすじゃっぷ」や「へらへら三銃士」などは性格は違うがチャラいというキャラが共通している3人グループで3人独自のチャラチャラ私生活が強調されています。(面白くないと逆効果になって嫌われることになるといったリスクもあるので注意が必要です。)

参考:
えびすじゃっぷ
へらへら三銃士

ジャンルをさらに絞る
ジャンルを絞ることが最も重要です。例えば「料理」というジャンルでチャンネルを立ち上げるとします。その際、「料理」という絞り方だけでは他のチャンネルとの違いや魅力がつたわりません。なぜなら、YouTubeには既に多くの料理チャンネルがあり、そこに埋もれてしまうためです。

そこでジャンルを更に絞る必要があるのです。例えば、「料理」の中でも「インド料理」に絞る。ということですね。更に言えば「本格インドカレー」まで絞ってもいいかもしれません。本格インドカレーの種類にも色々ありますよね。

ここまで絞るとなぜ良いのか。その理由は他のチャンネルとの差別化ができるという点だけではありません。前章でお伝えした内容が関係しています。あなたのチャンネルから投稿した動画は、あなたのチャンネル登録者やあなたの過去動画を近いうちに見た人にオススメされるんでしたよね?過去に「本格インドカレー」を見たユーザーは高確率で違う種類の「本格インドカレー」にも興味を持つはずです。過去に投稿した動画が面白かったなら尚更です。そう、ジャンルを絞ることでクリック率や視聴維持率などエンゲージが高くなりやすいんです。そうなるとYouTubeはより新しいユーザーにオススメしてくれて視聴回数が伸びていきます。

しかし、ここまで読んだあなたは「それだと、ネタ数が限られてしまうのでは?」という疑問を抱くかもしれません。その通りです。そのままではネタ切れを起こしてしまいます。そこで「軸ずらし」が必要になってきます。

これは「本格インドカレー」からほんの少しだけジャンルをずらす。ということです。例えば、「本格インドナン」などいいかもしれません。そうやって少しずつ軸をずらしていくと、いつも間にか「本格インドカレー」のチャンネルが「本格インド料理」のチャンネルに。もしかすると「本格中東料理」まで広げることができるかもしれません。そうやって、少しずつ軸をずらしていくことで、徐々に大きなチャンネルに成長させていくわけです。

みなさんが見ているチャンネルの中にもそのような過程を経て成長したチャンネルが多くあります。今投稿されている動画だけをみると、いろんなジャンルをやっているように見えるかもしれません。しかし、はじめから幅広くやるのは弱者の戦略ではないのです。こういった弱者の戦略をビジネス用語で「ランチェスター戦略」といいます。気になる方はさらに詳しく調べてみてください。

もう一点、ジャンルを絞る上で注意があります。絞ったジャンルに「ニーズがあるのか」ということです。そのためにもキーワードリサーチを行なって確かめてみることが必要になります。特に「再生数/チャンネル登録者数」でみるリサーチ方法は有効です。例えば、登録者数が1万人以下程度で、3万回以上再生が取れている「インドカレー」の要素が入ってる動画が3、4本でもあったらそれは、「インドカレー」にニーズがある証拠。しかも、インドカレーのチャンネルがなかったら確実に攻めるべきジャンルです。そういった穴場キーワードが見つかると、そこが鉱脈となります。

今回の具体例では種類を絞りましたが、「伝える方や伝える対象」を絞るのもありです。例えば「小学生でも分かる投資」とか「40代主婦のための美容」など。前者は伝え方を絞っています。これは実際に小学生に伝える、ということではなく、わかりやすく伝える。ということです。他にもツッコミながら伝えたり、キレながら伝えたり、という絞り方ができます。後者は伝える対象を絞っています。これはユーザーターゲティングにも繋がってくる部分です。

まとめると絞る方向性は以下です。
・種類
・伝え方
・伝える対象

舞台(場所)

舞台で特化するのも方法の1つです。例えば場所の設定を「大学」にするとか。これは「本格インドカレー」を「本格インドカレー大学」にするということです。そうするとどうでしょう。一目見ただけで「本格的なインドカレーの詳細な情報がわかる」という印象に変わったのではないでしょうか?「本格インドカレー道場」にするとどうでしょうか?「本格的なインドカレーを厳しく教えてくれる」という雰囲気に変わったのではないでしょうか?こういったように舞台設定を付け加えるだけでも他チャンネルと差別化を図ることができます。


3-7:チャンネルの世界観

ジャンルやそれに伴う設定も決まったところで続いてはチャンネルの世界観を決めます。この世界観を決めるのが次の要素です。

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3〜6に関しては「撮影・編集」の章で説明させていただきます。1、2に関してはジャンルと設定に合わせて決めましょう。


3-8:オマケだけど結構重要

おまけで常に意識しておいた方が良いことをまとめました。それぞれ説明していきましょう。

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ギャップ

出演者のキャラクターやチャンネル名等、あらゆる要素を決める中で、常に意識すべきことがあります。それが「ギャップ」です。例えば、「本格インドカレー」の動画のタイトルを決める時に、ギャップを意識すると「簡単10分!本格インドカレー」とした方がインパクトがあります。これは「本格なのに10分!」という「ギャップ」が生まれるからです。「なのに」という言葉が重要です。他にも「綺麗好き主婦なのにズボラ」「女子大生なのにパチンコ」など、一般的な固定観念や偏見を裏切るわけです。これはチャンネル名にしてもいいですね。「完璧主婦のズボラ掃除術」とか「女子大生プロパチンコ師」とかですね。キャラでも一緒です。可愛い見た目してるのに趣味はおっさん。とかですね。

目線を下げる

YouTubeのチャンネル登録者を伸ばしたいなら目線は徹底的に下げるべきです。これは言い換えると「小学生でも分かるように」ということです。
よく専門用語を使って自己満足の動画を上げている人を見かけます。
あなたにとっては常識かもしれませんが、世間にとっては初めて聞く言葉かもしれません。「小学生にもわかるように」を意識して徹底的にわかりやすく、という目線を下げた訴求はYouTubeを伸ばす秘訣です。

楽さと時間節約

他にもう一つ、YouTubeユーザーに刺さりやすいのが「楽さ・時間節約」です。こういったタイトルを見たことがないでしょうか?「たった3分!」「テレビをみながら」「毎朝1回」こういった、「楽だよ」「短い時間でできるよ」という訴求は、動画をクリックするハードルを下げてくれます。基本的に人は楽をして、短時間で利益を得たいのです。


< Section4 YouTubeの構成 >

4-1:良い構成の定義とは

良い構成の定義とは一体どんなものなのでしょうか?YouTubeに投稿する動画の構成の場合、その定義はハッキリとしています。それはアナリティクスの数値、すなわちエンゲージが高い動画です。

前章でも説明した通り、エンゲージとはユーザーのエンゲージメントを数値化したもの。さらに言えば、アップされた動画がユーザーの滞在時間を高めてくれて、より多くの広告を見せることができる動画なのかを判断するための数値です。これは動画の視聴維持率やコメント率、高評価率のこと。この数値の他にも、YouTubeのAIは目に見えない様々なエンゲージメント値を計測しています。そして、それらの数値をもとに、どの動画をユーザーのホーム画面や関連動画にインプレッションするか判断しているのです。

要するに、色々なエンゲージメント値を高くする動画の構成が書くことができれば、YouTubeがより多くのユーザーにおすすめしてくれて、結果的に動画の再生回数が伸びるのです。

この章では、そんなエンゲージの中でも特に重視されていると考えられる
次の数値を高くするための構成の書き方をお伝えします。
・視聴維持率(ひいては平均視聴時間)
・コメント率
・高評価率
・チャンネル登録率

4-2:視聴維持率を高めるためには?

YouTubeにおける視聴維持率とは、投稿した動画の尺を100%とした時に、どのくらいの割合が再生されたのかを測った数値です。たとえば、10分間の動画で視聴維持率が40%だとすると、動画を見たユーザーの視聴時間が平均4分間だったということですね。

ここまで読んでくださったみなさまなら既にお分かりかと思いますが、視聴維持率を高くするには究極のところ、最初から最後までユーザーを動画から離脱させなければ良いのです。ではユーザーが途中で離脱しないためには、どのような構成にすればよいのでしょうか?

視聴者の離脱を防ぐために
結論からお話すると、動画から離脱するタイミングは、ユーザーが何を見せられているのか分からなくなった時、もしくは、その先の展開に期待が持てなくなった時です。つまり、ユーザーがその動画を見る目的を失った時を指します。その状況を防ぐには、動画を発信しているこちら側からユーザーに向けて、常に動画を見る目的を提示し続けることが大事です。今、動画を見ているその瞬間瞬間に「何のための情報を話しているか」を意識させる必要があるのです。

具体的には、「ではなぜ〇〇なのでしょうか?」と疑問を投げかけたり、「そこにはある〇〇があったのです。」といった次の展開を説明する要素を隠したりします。ユーザーにとって聞き馴染みのない、理解が難しい言葉を提示したりすることでユーザーが常に疑問を抱いて答えを欲する状況を作り出します。

ここでは、そのユーザーの疑問を作るための文言を「Qワード」と呼ぶことにします。この「Qワード」をいれた構成を図解すると以下のようになります。

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※弊社のご支援させていただいた整体院YouTubeチャンネルの構成です。ジャンルは整体ですが、他のジャンルであっても変わらない法則なので、一具体例としてご覧ください。

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