マガジンのカバー画像

パームトーンイベントレポート

76
京都木屋町にある、fm GIG直営にしてPALMTONE RECORDSの本拠地「イベントスペース・パームトーン」で開催されたイベントのレポートを中心に、様々なイベントのレポート…
運営しているクリエイター

#パームトーン劇場

君に届けたい狼煙のような心~伊藤直輝の土曜パームトーン劇場 2020/2/29

狼煙(のろし)。古くから敵の攻撃を知らせる手段として上げられる煙である。

用途も含めて現代的な感覚から離れた手法ではある。しかしたとえ離れた場所からでもその状況の変化や、時に感情的な伝達まで可能にする。

特に2020年2月に入ってからの新型ウイルスの暗い話題。特にエンターテイメント業界には大打撃を与え、無観客配信ライブなどアーティストには苦渋の選択を強いられてしまっている。「観たい、会いたいラ

もっとみる

勇ましく、その剣を天に掲げるが如し~籾井優里奈の土曜パームトーン劇場 2020/2/8

ファンタジーRPG(ロールプレイングゲーム)でよくあるお話。

「力・技・心を兼ね備えた勇者でないと、大岩に刺さっている伝説の剣を抜けないシチュエーション」に屡々遭遇する。

その伝説の剣を引き抜いた時、それが真の勇者の証となり、魔界の王を討伐して世に平和を取り戻す権利を得るというのだ。

大袈裟な例え話になってしまいがちになる。が、この日の「籾井優里奈のパームトーン劇場」では、

まるでその「伝

もっとみる

倍返しでは済まない大逆転劇に笑い転げた~あきっすんの土曜パームトーン劇場 2020/2/8

「やられたらやり返す、倍返しだ!」

池井戸潤の小説を原作としたテレビドラマ「半沢直樹」の有名な決めのセリフである。確かめるとあの大ブームから7年が過ぎようとしているのかと驚いた。時が経つのは早い。

そんな「倍返し」の爆笑パフォーマンスをあきっすんが観せてくれた。もちろん音楽のステージの上での出来事だ。

何が倍返しだったのかは本文をご照覧あれ。

「ヤバい事が始まりそう」いつもそんな予感のする

もっとみる

ステージという自由な空を全力で遊び尽くした~伊藤直輝の日曜パームトーン劇場 2020/1/19

「翼の折れたエンジェル」。

1985年の中村あゆみの楽曲を語ろうという訳ではない。筆者が「伊藤直輝というアーティストを一言で表すと」と聞かれたらこの回答を返す。

直輝は喉の病気を患っており、それ故歌声に支障を来す事が屡々ある。

その折れた翼のまま、自由な空を遊ぶ無邪気な天使の姿に、直輝のライブステージのイメージが重なり合うのだ。

直輝の音楽の嗜好は、フェイバリットのグレン・ヒューズを筆頭に

もっとみる

培われた強固なシンクロニシティの全て~BBガールズの日曜パームトーン劇場 2020/1/12

阿吽(あうん)。

「万物の始まりと終わりを象徴するもの」を意味する仏教用語である。

その解釈は「対となるもの」、2体の像の形で表される事も少なくない。金剛力士像や、狛犬、沖縄のシーサーなどもそうだ。

故に「以心伝心」をも意味するのである。

例えば双子が通じ合うそれとは違う、個性の異なる「対」のパラレル・シンクロニシティ。

そんな阿吽の呼吸、以心伝心のコンビネーションを圧倒的なハイパフォー

もっとみる

個性際立つ仕事人達の初戦は熱狂の中へ~TIME FOR LOVEの日曜パームトーン劇場 2020/1/12

ここで違いを述べるのは「特撮ヒーロー戦隊」と「必殺仕事人」。ルックスや時代背景などの愚問に近いような比較論の話ではない。

それぞれの武器だとか、イエローがカレー好きだとか、ある程度のキャラクターの相違は存在させつつも基本的に集団行動、連帯主義で、ド派手に悪を倒し、地球の平和という大義名分の下に活動するヒーロー戦隊。

対する仕事人は、中村主水が動き出せば個性際立つ刺客達が「遅れてすまねえ」などと

もっとみる

「あの頃の空気」「あの頃の風」の中に弾けてゆく~籾井優里奈の土曜パームトーン劇場 2020/1/11

青春はこわれもの 愛しても傷つき

青春は忘れもの 過ぎてから気がつく

岩崎宏美の歌う「思秋期」の一節である。作詞は阿久悠だ。

青春の頃を遠く過ぎて、ふと現在(いま)に気づいた大人が、

「どこかに甘酸っぱい思い出を忘れて来てやしないか」と、

振り返ってしまうその時、心は「あの頃の風」「あの頃の空気」「あの頃の純粋さ」で満たされることを望んでいるに違いない。

ノスタルジーのひと言で形容する

もっとみる

何が生まれるか分からない「音楽と笑いのびっくり箱」~あきっすんの土曜パームトーン劇場 2020/1/11

パンドラの箱。ゼウスがあらゆる災いを入れ、人間界に来たパンドラが禁を犯して箱を開け、悪が地上にあふれ出て急いでふたをしたが、希望が箱の中に残ったというお話しである。

ふと逆のことを考えた。あらゆる笑いや希望に満ちた箱をひととき開ける存在がいて、人々の苦しみや悲しみをしばし封印せしめたとしたら。

「逆パンドラの箱」とも呼べてしまいそうな時に抱腹絶倒させ、時にハートウォーミングに包んでくれる予測不

もっとみる