Daily Life - vol.009 - ぱんだ
パンのかおりがそよぐ、まだひとの少ない駅構内で幸せだなぁと感じるのは、まだわたしが布団に包まれていたころに、小麦粉を練ってまるめてねじっていた誰かがいたから、なんだよねぇ。
きょうも起きるのが楽しみだった未来がやってきたのは、わたしがわたしを、あなたがわたしを、これらがわたしを、つくってきたから、なんだよねぇ。
パンダが可愛いなって思えるのは、パンダを連れてきてくれた誰かの働きがあって、パンダを大切にしている誰かの生活があって、それはたいそうなもので。わたしはその一部しか知ること、いや、知らないことのほうが大きいまま、なんだよねぇ。
ぱんだねぇ。
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