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「Nouns DAO」とは?DAO型NFTプロジェクトについて

Nouns DAOとは:DAO型NFTプロジェクト

Noun1販売ページ

Nouns DAOは「Noun(和訳をすると「名詞」)」というNFTを毎日1体ずつオークションを行うNFTプロジェクトです。

イラストは32×32のピクセルアートであり「背景、体、アクセサリー、頭、メガネ」の5つのパーツでできています。

特にメガネが特徴的で、最近ではNounsグラスをつけているTwitterアイコンも増えてきているように思います。

2022年4月現在のNounsは毎日1体あたり約60ETH(2,000万円相当)で購入されています。

Dune Analytics

なぜNounsがこのような高価格で購入されているのか、プロジェクトの面白さなどについて解き明かします。

本記事では以下の内容からNouns DAOがどのようなプロジェクトなのかを解説します。

  • Nouns DAOの概要および特徴

  • Nouns DAOの歴史

  • Nouns DAOの将来性

Nouns DAOの概要および特徴

1日1体のNFTオークション

Nouns DAO

Nounsの特徴の1つとして1日1体のNFTオークションがあります。

24時間で世界中のユーザーがNFTに入札することができます。

Nouns OpenSea

OpenSeaを見てみると、NFTの数は278となっています。

BAYCやCryptoPunksは10,000種類のNFTがあるのに対して、NounsのNFTの種類は少ない状態です。

Nounsが10,000体に到達するには、約25年もの月日が必要となります。

「トレジャリー」購入金額の100%がNouns DAOの資金

Nouns DAOトレジャリー

Nouns DAOの面白い点として、Nounの購入金額の100%が「トレジャリー」と呼ばれるコミュニティの資金になります。

2022年4月現在、22,671ETH(80億円相当)がトレジャリーに蓄えられており、運営ではなくNouns DAOというコミュニティおよびプロジェクトの資金として使用されます。

「Nounsに関するプロジェクトを提案→資金調達→Nounsの認知が増え、Nounsの価値が高まる」といったサイクルが生まれるとプロジェクトにとっても好循環となります。

10人の創設者「Nounders」

Playground

運営チームの利益は完全にゼロではなく、10日に1度Nounが1体「Nounders(Foundersを真似たもの)」という創設者に送られます。

ただしこの仕組みはリリースから5年間と設定されており、5年後以降はNoundersよりもコミュニティの存在感が高まります。

Nounを売却することにより、創設チームはETHとして利益を獲得できますが、Nouns DAOのステークホルダーとして安値で売却しないことが考えられます。

Noundersは10名であり、以下のようなメンバーとなっております。

凄腕のデザイナーやエンジニアで構成されており、dom(@dhof)さんについては「Loot」や「blitmap」といった多数のNFTプロジェクトを制作しています。

1Noun = 1票のガバナンス

映画への資金提供に関する投票

Nounsのユーティリティとして「1Noun = 1票」のガバナンス投票があります。

コミュニティから上がってきた提案について、資金の提供をするか否かなどを投票で決定します。

Nouns DAOのトレジャリーには80億円相当のETHがありますので、トレジャリーの資金相応の投票権の価値があると考えられます。

プロジェクト提案については、Nounsを保有していなくてもできますので、様々な文脈の人々がDAOに参加できます。

実際の投票では、投票者のNounsが並べられていて面白いです。

CC0のパブリックドメイン

Playground

Nounsのイラストの著作権は「CC0(Creative Commons 0)」という扱いになっています。

「CC0」は簡単にいうと「作品のいかなる権利も保有しない」という意味となっています。

つまり、誰でもNounsのIPを使ったビジネスを展開したり、自由に二次創作をおこなったりすることができます。

Nouns Center

上記画像のように、デジタルアートからフィジカルグッズまでNouns派生プロジェクトが多数あります

従来のIPビジネスでは、著作権料などで運営の収益を上げてプロジェクト展開をしてきました。

Nouns DAOではあえて著作権料を取らず、むしろIP利用者にNounsの認知を広げてもらうことでNouns自体の価値を高めるという構造になっています。

毎日NFTオークションによってDAOの資金があるため、CC0でも成り立つのではないかと筆者は考えております。

CC0を採用することにより「マーケティング」および「DAOと参加できる幅の広がり」として役立っていると考えられます。

フルオンチェーンかつオープンソース

Nouns DAO

NounsのNFTはフルオンチェーンとなっています。

「フルオンチェーン」とは、画像のデータも含めてチェーン上に載っているということを意味します。

多くのNFTは画像がどこかのサーバーのデータベースに保管されており、データとしてデータベースを参照する形になっています。

NounsではEthereumチェーンを参照すれば良いので、Ethereumが続く限り画像データが失われることはないということになります。

画像データが運営や創設者に依存しないことから、プロジェクトの初期からDAOの状態を目指していると考えられます

また、オープンソースになっているので、オークションやNFT発行の部分、トレジャリーのセキュリティなどについて参加者が確認することができます。

二次市場が活発ではない

OpenSea Nouns

Nouns DAOの特徴として、オークションは高値で毎日購入されますが、二次市場は活発ではありません

Nounsアクティビティ

過去にOpenSeaの二次市場で売買されたNounは合計38体となっています。(2022年4月時点)

1体あたりの価格が高いため、オークション購入者は長期的な目線でNounsを購入しているように考えられます。

また、NounsのNFTの総数も現時点では278体となっており、BAYCやCryptoPunksの1万体と比較して流動性は低い傾向にあると考えられます。

Nouns DAOの歴史

リリースまでの簡単なNouns歴史年表

Nounsの歴史

Nounsの歴史についてNouns Centerでまとめられています。

  • 2021年6月2日:初期ドラフト

  • 2021年6月2日:プロトタイプ(Protonoun)

  • 2021年6月3日:GitHubの最初のコミット

  • 2021年6月3日:Nounsのアート作成

  • 2021年6月6日:最初の公開ツイート

  • 2021年6月9日:メガネ&ボディ作成

  • 2021年6月16日:ポッドキャストによる議論

  • 2021年7月7日:Webサイトのドラフト作成

  • 2021年7月16日:Rinkebyテスト

  • 2021年8月8日:プロジェクトローンチ

Nounsのアイデア構築がいつ始まったのかは確認できませんでしたが、約2ヶ月ほどでプロジェクトがリリースされました。

リリースまでに様々な試行錯誤があったことが確認できます。

初めての提案投票

Nouns DAO提案1

Nouns DAOの初の提案は「チャリティーへの寄付」でした。

Nounsのリリースから間もない時期でしたので、投票数が少ない状態を確認することができます。

以下の6団体に5ETHずつの寄付がされています。

  1. Coral Restoration Foundation

  2. Freedom Of The Press Foundation

  3. Internet Archive

  4. Rainforest Foundation US

  5. Tor Project

  6. Give Crypto

Nouns DAOの初期段階において、投票が少ない場合はガバナンスをハックされる可能性もあるため、Nounderが拒否できる権利もシステムに盛り込まれています。

130以上のNounsコミュニティプロジェクト

Nounsコミュニティプロジェクト一覧

130ものNounsに関連するプロジェクトを確認することができます。

提案を出して進められているプロジェクトもあれば、コミュニティが自発的に始めたNFTプロジェクトフィジカルアイテムのショップなど多種多様です。

また、このリストは自己申告制となっているので、その他にも様々なNounsプロジェクトがあると考えられます。

日本コミュニティ「NounsDAO Japan」

NounsDAO JAPAN

Nouns DAOは主に日本国外(と思われる)メンバーによって創設されたプロジェクトです。

一方で、日本国内にもNouns DAOに興味を持っているNounsDAO Japanというコミュニティが存在します。

NFT鳴門美術館における展示作品

2022年4月に日本初のNFT美術館「NFT鳴門美術館」にてNouns DAO関連の二次創作アートが展示されました。

NounsはCC0ということもあり、日本の二次創作文化ともマッチしていると考えられます。

Nouns DAOの将来性

OpenSea Nouns

Nouns DAOはCC0、フルオンチェーン、毎日1NFTオークションといった様々な特徴があります。

また、80億円以上の潤沢なトレジャリー資金があればNounsに関する多様なプロジェクトを推進できると考えられます。

CC0ですので、他のNFTプロジェクトとも利害関係なくコラボが発生したり、DogeCoinのようなミームとしても扱われて、コミュニティを拡大できるかもしれません。

うまく認知及びコミュニティ拡大がうまく成されれば、CC0の巨大IPプロジェクトになる可能性もあります。

初期から創設者であるNoundersがいずれ手を引く仕組みを構築しており、今後Nounホルダーが増えた時にもガバナンスが機能するのかについて注目です。

Nouns DAOのまとめ

Nouns DAO

以下がNouns DAOの概要となります。

  • 1日1体のNFTオークション

  • Noun購入金額の100%がトレジャリー(DAO資金)に入る

  • 80億円以上のトレジャリー

  • 1Noun = 1票のガバナンス

  • CC0フルオンチェーンオープンソース

  • 10人の創設者「Nounders」

Nouns DAO関連・参照サイト

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Written by Shoma Moriya
HashPort / トークンアーキテクト事業部


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