スイングポイを楽しむ3

 はいどうも。かめです。
今回はですね、スイングポイを楽しむためのノートの第3弾として、ポイの回転方向の話をしたいと思います。これはポイの動きを捉えるという話になりますかね、多分。前回まで以上に定義の話が多いですが、こんな考え方もあるだって思いながら、読んで下さい。

 オーディエンスから見てスイング面が円軌道になるとき(具体的に言うと、side planeとwall planeのとき)、ポイの回転方向には大別して2種類に分けられます。一つがsame directionで、もう一つがopposite directionです。この呼び名っていうのは、自分の体とポイとの間の位置関係のような相対的な話ではなく、オーディエンスから見た、ポイの位置、回転方向、軌道と言うような絶対的な話であるということに留意してもらわないと、読んでいるのがかなり辛いと思います。-directionの話と-wardの話は、ぜんぜん別次元の話ですよっていうことですね。それでは、それぞれ何なのかっていうのを説明していこうと思います。あ、前提としている面はwall面なので、その点を考慮しながら読んでいってください。

1.same directionの話

 はい。いきなり図を出しました。青色がポイ、赤色が軌道、緑色が回転方向です。これからこの図を使います。

 same directionっていうのは、オーディエンスから見て、両手でスイングするポイの回転方向が同じものを言います。主観的には、体の左右でポイを回している場合は、片手がforward(前回し)で、もう一方がback ward(後ろ回し)になります。図のふたつの場合、モデルが前を向いているのであれば、左手側がforward、右手側がbackwardになります。両手の位置が体のどちらか一方にあるとき(side面とか)では、両手でforwardかbackwardをすることになります。side面のときには、前回しをしている方がforwardとなりますが、wall面の場合にはそもそも体がポイの回転方向を向いていないので、得意な回転方向を指して、forwardと言っていいのだと思います。(常態としてoppositeの方が得意な場合を除く。)

 same directionは多分、一番最初にポイを触ったときから練習する回転方向ですね。まず一番最初にside面で前回しをすることから始めると思うので。俗に言う3 beat weaveもrear turnも、最初はみんなsame directionで練習すると思います。

 same directionの特徴は、まず同一平面(体の正面とか体の背面とか)上で、両手の位置を近づけた際に、ポイを回し続けることができないというところです。両手でポイを振ったとき、キレイなひとつの円を描くためには、円の中心の位置ができる限り近づいていることが必要となります。両手が必要のないところで動いてしまうと、円を視認できなくなるため、汚いスイングに見えてしまいます。そこで、両手の位置を近づけてポイを回す発想になるのですが、same directionのときには、両手の位置を近づけて同一平面上でポイを回し続けると、絡まってしまうんですよね。そこで、手のひらを返すなどして、ポイを回す面を体の正面からと体の背面へ、体の背面から体の正面へ切り替える必要が出てくるんです。その技が、まんまweaveなんですよね。same directionでflowを組むときには、このweaveを上手く使えるかっていうのが、コツになってくると思います。

 あと、in-spin(手の動く方向とポイの回転方向が同一)とanti-spin(手の動く方向とポイの回転方向が異なる)に話になるのですが、両手のポイが同一の回転方向なので、両手の動かし方が同一であれば、両手ともanti-spinかin-spinとなります。anti-spinとin-spinではポイへの力の加え方(操作の話)やポイへの力の加わり方(遠心力の話)がぜんぜん異なってくるんです。とにかく手を同じ方向に動かしてさえいれば、両手で同じ力を入れていればいので、直感的にポイを操作しやすくなります。ターンなんてするとすごく顕著にわかるようになる特徴ですね。テンポ重視でポイをしたいの時なんかは、こっちのほうがやりやすいんだと思います。

2.opposite directionの話

 opposite directionっていうのは、オーディエンスから見て、両手でスイングするポイの回転方向が異なるものを言います。バタフライ回転とかって言っている人も見たことがありますね。主観的には、体の左右でポイを回している場合は、両手でforwardかbackwardをすることになります。図のふたつの場合、モデルが前を向いているのであれば、両手でforwardをしていることとなります。両手の位置が体のどちらか一方にあるとき(side面とか)では、片手がforwardで、もう一方がback wardになります。実際にはopposite directionではforwardとbackwardって言う言葉は殆ど使わなくて、inwardとoutwardっていう言葉をよく使っています。inwardは体の正面でポイが降りてきながら重なる回転方向、outwardは体の正面でポイが登ってきながら重なる回転方向のことを言います。

 opposite directionの特徴は、same directionの話を全くひっくり返す感じになります。まず、同一平面上で手を近づけながらポイを回し続けることが可能です。コレがまんまbutterflyですね。厳密には上手くクロスさせてポイ同士がぶつからないようにしているのですが、両手を近づけてポイを回し続けることができるということは、それを用いてflowの中で猶予を生むことができるということになります。この猶予を、上手く使えれば、面白いopposite directionのFLOWが作れるなぁなんて思っています。あと、butterflyは手を近づけるほどポイ同士の接触のリスクが上がるため、突き詰めるととんでもなく難しい技であるといえると思います。

 あと、両手のポイが正反対の回転方向なので、両手の動かし方が同一にしていると、両手でin-spinとanti-spinを一度にやらなければならなくなるということがあります。先程も言ったように、in-spinとanti-spinでは力の加わり方がぜんぜん違うので、same directionのときよりも繊細なコントロールが必要になります。これもターンを組み込んでから、本格的に難しくなってくる話になると思います。

3.ちょっと話を変えて

 ポイスピナーにはだいたい得意な回転方向と苦手な回転方向があって、やはりよほど鍛錬を積んでも、opposite directionのときはどちらか片方の手の回転方向は自分の苦手な回転方向になります。面の維持ができなかったり、手が動かなかったりするんですね。得意な回転方向を正回転、苦手な回転方向を逆回転なんて言うこともあります。ちなみに僕はsame directionのときは、得意な回転方向は反時計回りです。一度Japanese Poi SpinnersとかJapanese Poi Girlsとかで数えてみたのですが、多分時計回りが得意なポイスピナーが多いと思います。理由はわかりません。opposite directionでもinwardとoutwardでどっちが得意っていうのが、人によってはあります。僕はsame directionのときの正回転で、利き手である右手で一度ストールをしたあとの回転方向、つまりoutwardがopposite directionのときの正回転となっています。same directionのときの正回転から、利き手の回転方向を逆にしたものをopposite directionの正回転とすると、flowの中でsame directionとopposite directionの切り替えがスムーズになります。正回転が時計回りのポイスピナーであれば、opposite directionのときはinwardを正回転にして見せ幅を増やすのがいいと思います。

 動画で上がっているチュートリアル動画なんかを見てみると、動画の本数的にopposite directionの技はsame directionの技より数が少ないなんて思ってしまうかもしれませんが、weave以外のsame directionの技は基本的にopposite directionでもできます。なんで数がないかというと、opposite directionの技はsame directionの技よりもだいたい難しいからです。理由は先程から言っているような、opposite directionをやるときのポイ同士の接触のリスクと、anti-spinやin-spinの力の加わり方の話がその理由になってきます。same directionのflowがテンポ重視という話であれば、opposite directionのflowは難易度重視という話としてしまってもいいかもしれません。ポイスピナーに向かって「君のルーティン、ぜんぜんopposite directionがないね。」って言うと、言い返せないポイスピナーはだいたい怒るか悲しくなるかして、それを言った人を嫌いになると思いますので、思っても言わないであげてください。

4.おわりに

 ちょっと短いかもしれませんが、ひとまずこんなところで終わりにしよと思います。same directionばっかりやられていて、見られているのが現状だと思いますし、opposite directionの難しさはポイやっていない人には全くわからないと思うので、このノートを読んで、ポイの回転方向によってこんなに変わるんだって思っていただければなと思います。ポイスピナーはそれぞれの特徴を活かして、いい具合にポイをしてくれればと思います。