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アメリカでの犬ワクチン、コロナ禍の動物病院事情 in the US

Palが家にやってきた2020年3月14日、ニューヨークで初めてコロナウイルスによる死亡者が確認され、その後は爆発的に広まっていきました。次から次へと緊急事態宣言が出てロックダウンする国も増えていました。

その当時は、生後4ヶ月にならないとお散歩もできないし、家から出られなくても心配することはないだろうと思っていました。故郷では屋外でのびのびと育っていたのに...。

アメリカでの犬のワクチンスケジュール

日本でのワクチンスケジュールとほとんど変わりません。

生後6〜8週
1回目の混合ワクチン

日本も同じだと思いますが、混合ワクチンにもいくつか種類があります。
・DAP(Distemper, Adenovirus, Parvovirus)
・DHP(Distemper, Hepatitis, Parvovirus)
・DHPP(Distemper, Hepatitis, Parvovirus, Parainfluenza)

ちなみにPalは、
DA2PP(Distemper, Adenovirus-2, Parvovirus, Parainfluenza)
を打ってもらいました。

生後10〜12週
2回目の混合ワクチン

上記に加え、以下の必須ではないノンコアワクチンを接種できます。
Bordetella ケンネルコフ
Leptospirosis レプトスピラ
Lyme ライム
Canine Influenza Vaccine (H3N8, H3N2) 犬インフルエンザ
Rattlesnake ガラガラヘビ

生後14〜16週
3回目の混合ワクチン
Rabies(狂犬病) ※混合ワクチン接種後、約4週間後

上記に加え、以下の必須ではないノンコアワクチンを接種できます。
Bordetella ケンネルコフ
Leptospirosis レプトスピラ
Lyme ライム
Canine Influenza Vaccine (H3N8, H3N2) 犬インフルエンザ
Rattlesnake ガラガラヘビ

ガラガラヘビって!!!!どうやらアメリカでは地域にもよりますが、ガラガラヘビにペットが噛まれることがあるそうです。

1年に1回
その後はコアワクチンもノンコアワクチンも有効期限が切れる前に年に1回接種します。狂犬病については3年間有効なものもあるそうです。

コロナ禍で犬のワクチン接種ができない?!

生後10週で我が家にやってきたPal。2回目のワクチン接種をしなければなりません。ロックダウンすると言われていた前日に滑り込みで受けに行こうと、Petcoという大手ペットショップのワクチンサービスVetcoでワクチンを打ってもらおうと計画していました。

事前にオンラインで予約する必要があるのですが、今まであった予約ボタンがなくなっている...予約枠もまだたくさんあったのになぜ。システムエラーか?とりあえずPalを連れて突撃で行くことにしました。すると...

「ワクチンサービスは停止したんだ。とりあえずロックダウン明けてからまた来てね!子犬だし一緒にステイホームしておけばいいさ!」

ということでワクチン接種をその日は受けられず。確かにどっちにしろ家から出られなくなるからいいのか、とそれを聞いた時は思ってしまい、それから1週間何もせず過ごしました。

でも待てよ!ロックダウンいつ明けるかわからないし、明けてからワクチン接種しても1回打ってからすぐにお散歩行けるわけではないなと思い、その瞬間から急いで動物病院を探しました。そもそも、なんで初めから動物病院行かなかったのか、というのは後で記しますが、Vetcoのワクチン接種は動物病院で受けるより安いのです。

病院探しがこんなにも大変だとは

Webで検索するとさすがNY。半径1マイル内に40件近くの動物病院がヒットしました。しかし当時は「新規患者は受けつけません」「救急受診のみです」「ワクチン業務は停止中」といった病院ばかり。

みなさまご存知かと思いますが、もうこの頃にはコロナによりNYは本当に大変なことになっていました。犬にもコロナが感染したといったニュースもちらほらあったり。犬にとってはワクチン接種エッセンシャルなんだけど、と思いつつ病院を運営する方々も皆さん必死だったのだと思います。

そして、検索した中でWeb上で明記されていなかった3つの動物病院に直接連絡した結果、1つから受け入れてくれる旨の連絡をいただきました。

ホッ。

コロナ禍の動物病院受診方法

結局、2回目の混合ワクチン接種は生後13週目となり少し遅れてしまいましたが、無事接種しに行くことができました。

この頃のNY、人っ子一人歩いていない、車も全く走っていないような状況で、ゾンビが出てきそうな本当に不気味な街の様子でした。私たちの住んでいるアパートメントの向かいがホテルなのですが、退院した方々が家に帰る前に隔離するために泊まっていたようです。しかし、症状が悪化し亡くなってしまう方も何人かいました。毎日自宅から物々しい雰囲気を感じていました。

そんなロックダウン中のNY、どこでも気をつけ過ぎるくらいに感染には神経をとがらせていたと思います。正直なところ、これは意味ないなとツッコミを入れたくなる感染対策もありましたが...。

動物病院でも感染対策を徹底していました。入り口でPalを預けてから診察中は飼い主は外で待ちます。問診や診察内容の説明といったやりとりは直接せず、全て電話を通して。クレジットカードも直接触れないよう、袋を介して渡しました。

緊張によりお漏らしをしてしまったようですが、無事ワクチン接種と寄生虫検査もしてもらいました。でも、ケロッとしているし一緒に診察室に入っていないので本当にワクチン接種してもらったのか...?という疑問はあります。信じるしかない。

ワクチン費用例

犬や猫などペットを迎え入れる前の準備って大切ですよね。その中でも経済面・医療費についての不安は日本にいてもアメリカにいてもあると思います。私もPalを迎え入れる前から調べていました。

その結果、定期的なワクチンは動物病院ではなく、ペットショップで打ってもらおうと決めました。ロックダウン中はその計画はうまくいきませんでしたが...
NYでは動物病院によってもワクチン費用にかなり差があるようです。それに加え、病院で接種すると診察代もかかります。もちろん、獣医にワクチン接種前後も安心して診てもらえるというメリットもあります。

Vetco(ペットショップPetcoのサービス)
セット価格でなくても、混合ワクチン$39、狂犬病$25、ボルデテラ$39というお値段設定。
https://www.vetcoclinics.com/services-and-clinics/vaccination-packages-and-prices/?state=New%20York

ロックダウン中お世話になった病院A
生後13週ワクチン接種:診察代$93、混合ワクチン$53、ボルデテラ$60
生後16週ワクチン接種:混合ワクチン$53、ボルデテラ$60
生後20週ワクチン接種:狂犬病$53

診察代は初診時のみでした。ちなみに、マイクロチップは病院Aでは$65とのことでした。ロックダウン後Vetcoで入れてもらい$25でした。このマイクロチップ挿入とワクチン接種スケジュールについては後悔する事になります。後日改めて記事にします。

訳あってロックダウン解除後かえた病院B
ワクチンは一律$55、診察代$95

あれから1年。

あれから1年が経とうとしています。

あの時ワクチンを打たずステイホームを続けていなくてよかったです。

コロナ禍でビデオ診療が一般的になりました。動物病院でもビデオ診療を取り入れているところがあります。まだ利用したことはありませんが、動物のビデオ診療って言葉を伝えられない分難しそうですよね。

現在では1年前のような受診制限を設けている病院はありませんが、今でも病院内には一緒に入れません。獣医さんがどのようにPalと接しているのかみることが私の夢です。

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