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私の「3月11日」

2011年3月11日午後2時46分。

私は当時勤めていた会社の事務所にいました。

東北からは遠く離れた九州だったので、揺れも感じませんでした。

その瞬間のことは、ただテレビの中の慌ただしさに驚いたことくらいしか覚えていません。

私はすぐ上司の指示で、関係先に電話をかけましたが、みなまだ状況が飲み込めないと言った様子で、特になにもわからないままでした。

しばらくして、テレビの画面から、今実際に起きていることなのか信じがたい映像が流れ、ただただ言葉もなく立ち尽くしていました。

翌日に九州新幹線全線開業を控えていましたが、そのイベントも中止になり、当面の大きな仕事もなくなりました。

私にとっての、東日本大震災は実体験がありません。


その後、私は東京に来ました。

東京には東北出身の方も多く、当時東京で帰宅困難者になった方も少なくないと思います。

経験をしていない東日本大震災の話を私からすることはありません。

きっとそれぞれの「3月11日」があるのでしょう。


私には想像することしかできません。

あの日、生きようとした人がいたことを。

故郷を、思い出を、奪われた人がいたことを。


またひとつ3月11日が過ぎて行きました。


2020.03.13