半額弁当の戦いの物語

 生活スタイルが夜型な僕は、よく深夜や早朝という人のすくない時間に24時間スーパーに行きます。

 そうすると、時々値引きシールが貼られた商品に出会う事があります。


 胃腸が丈夫ですが、懐が丈夫でない僕はそういうものを見つけると、ついつい買ってしまいます。

 ひき肉が半額だったら「シュウマイ祭りだ!」とはしゃぎ、

 牛ブロックが半額だったら「ローストビーフ無双じゃい!」と狂喜乱舞。

 高級和牛が半額だったら「いや、半額でも高いし」と無反応。

 いつも思うんですが、あーゆー高いお肉。半額ならまだしも、本当に値引きなしで購入する層って存在するんでしょうか? 未知の世界だ・・・

 和牛パックの話題に触れたところで、ちょっと古いですが、ラノベの紹介おば。

 こちらは、半額シールのついたお弁当をめぐる物語です。
 ​ 


 『ベン・トー』 
(集英社スーパーダッシュ文庫) (文庫)アサウラ (著), 柴乃 櫂人 (イラスト)


 ビンボー高校生・佐藤洋はある日ふらりと入ったスーパーで、半額になった弁当を見つける。
 それに手を伸ばした瞬間、彼は嵐のような「何か」に巻き込まれ、気づいた時には床に倒れていた。
 そこは半額弁当をめぐり熾烈なバトルロワイヤルが繰り広げられる戦場だったのだ!

 その不可思議な戦いに魅せられた佐藤は、そこに居合わせていた同級生・白粉花とともに
半額弁当の奪取を試みるが、突如現れた美女、「氷結の魔女」に完膚なきまでに叩きのめされる。
そして、その美女が佐藤に告げた言葉は・・・庶民派学園シリアス・ギャグアクション、開幕。


 
 ・・・・・・・まあ要は命をかけて半額弁当をゲットするお話です。

 スーパーの弁当コーナーは半額シールが貼られた時点で、文字通りの戦場。殴り合い、潰し合いは当たり前。弁当コーナーに駆け寄る者はすべて敵とみなされ から揚げ弁当に手を伸ばせば肘鉄が飛び、のり弁に手を伸ばせば、みぞおちに拳が叩きこまれ ハンバーグ弁当に手を伸ばせば瞬く間に床に投げ飛ばされた上、止めを刺される。でも一般客や、店員には決して迷惑をかけない紳士な一面も・・・・・といった具合。


 僕もときどき、半額弁当にお世話になっていますが、まさかこれほど熾烈な奪い合いの世界があるとは・・・・ていうか

 『そんなアホな事せずにフツーに弁当買えよ』

  と一瞬思いましたが、彼らは学生。学生たる彼らは(一部のお金持ちを除いて)お金がないもの。ましてや主人公達は親の仕送りのみでやりくりせねばならない赤貧学生なのです。健康的が学生なら誰もがマンガやゲームを買いたい。遊びにもいきたい。ご飯もたくさん食べたい。 と思ってやまないはず。

 しかし現、実には自由にできるお金には限りがあり、お金を増やすならどこかを節約するのは至極当然。ベテラン主婦と違い、人生経験の乏しい学生は日々のやりくりでお金を節約するという技術にあまりにも乏しい。

 ならば、どうやってお金を背約するのか?

 ・・・・となると、やはり有効なのは半額弁当なのではないでしょうか?
 
 このように考えると、弁当を得るため彼らがこの血塗られた戦場に身を投じるのも仕方がないのかもしれません(バイトをすればいいような気もしますが)

 一周回って納得してしまいましたが、機会があればぜひ読んでみてください。アニメ版もあります。また主題歌が格好いいんでオススメです!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?