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麻雀との出会い


部活を辞めた僕は毎日講義をサボって大学内をフラフラ彷徨っていた。

彼女や友人は居たが、日々がつまらない。

テキトーに開いたTwitterでとあるサークルを見つけた。

それが

落語研究会

だった。

落語以外にも漫才やコントなど様々な活動をしてるらしい。

思えば小さい頃から僕は人を笑わせるのが好きだった。

お笑いも大好きで受験期には好きなお笑い芸人のライブを見ながら勉強していた。

つまらない日々がちょっとでも変わるんじゃないかと思い、僕は期待に胸を膨らませ落語研究会に入った。

入って数週間経ち色々分かったことがある。

まずここの人たちはほぼ毎日テキトーに理由を付けて部室に集まっては特に落語やお笑いの活動をする訳でもなく1日中駄弁っている。

そしてただ溜まり場を求めてサークルに入った人がほとんどでお笑いに興味がある人は全く居ないこと。

純粋なお笑いサークルを求めていた僕は失望した。

しかし部室には毎日居た。

居心地も良いしここの人達と居るのは楽しい。

タバコも吸い放題だし、食べ物や飲み物もあるし仮眠用の毛布もある。テレビもゲームもあって暇潰しには困らない。

ある日の夜、先輩が

「久々にやるか!」

と言いながら麻雀牌とマットを取り出した。

「お前もやるか?」と聞かれたが、その時はルールも知らなかったので断った。

みんながワイワイ楽しそうにしてるのをただ見ていた。

この日から定期的に麻雀が開催されるのだが正直僕はこの時間があまり好きじゃなかった。

せっかくそれまでの時間は楽しそうにみんなで話していたのに自分だけ蚊帳の外になってしまうからだ。

自分も参加したくて1人でルールを覚えたりしたが、いつも参加してない自分が急に「僕もやりたいです!」なんて言うのは恥ずかしかった。

ある日、先輩が突然

「お前も打ってみろよ!」

と言ってくれた。

その日のことは正直あまり覚えていない。

ただ酷い麻雀を打ったこと、何故か朝になる頃には財布が軽くなったこと、楽しかったことだけは覚えてる。

ここからほぼ毎日のように集まっては麻雀を打った。

タバコの匂いの染みついた埃だらけの部室

僕がこの先どこで麻雀を打とうと原点はここにある。

特に教わった記憶はないが僕に麻雀の師が居るとしたらあの時麻雀に誘ってくれた先輩だろう…

それだけは本当に感謝している。

ちなみに学内での喫煙は禁止とされているのでここまでの文章は全てフィクションとさせていただきます。



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