見出し画像

フェス出展者さんに聞く④赤ちゃんの自然な笑顔をパチリ!撮影ロボから見えた景色[トヨタ車体 佐藤彰矩さん]

こんにちは!ライターのかのです。
2023年10月に開催され大盛況のうちに幕を閉じた「教えて!赤ちゃんフェスティバル」。参加された赤ちゃん、ママパパには楽しいという感想をいただきましたが、では展示をしてくださった出展者の方は何を得ることができたのでしょうか?そもそも、こんなふしぎなイベントに、みなさん、どんなモチベーションで向かい合っていたの?その感想を出展者の方に伺います。

赤ちゃんとママの自然な笑顔をロボットが撮影

フェス会場を縦横無尽に動き回っていたのが、3体のロボットです。

ハンバーガーの顔をしたかわいいロボットは、すすすっと赤ちゃんのところに近づいて、赤ちゃんやママ、パパの写真をパチリと撮影してくれます。

会場の入り口に構えていたロボットは、笑顔を認識して赤ちゃんとママ・パパの笑顔を撮影します。

撮影した写真はあとでスマートフォンからダウンロードできます。自然な表情がたくさん!

赤ちゃんのロボに対する反応はさまざまで、うごくバーガーロボをじっと見つめる赤ちゃんや、近づいてきたら怖くなってママのほうに逃げてしまう赤ちゃん、レンズに手を伸ばしていく赤ちゃんなど、それぞれのロボへの接し方が見られました。

この撮影ロボを持ち込まれたのはトヨタ車体さん。トヨタグループのボディーメーカーとして、製品の企画・開発・製造に取り組んでいる企業さんです。

(トヨタ車体さんは、今回のフェスに2チームが参加しているため、便宜上こちらのチームを「ロボチーム」と呼びます)。

”フェス”で、挑戦の第一歩を踏ませてもらった

展示の感想についてお話をしてくれたのは、トヨタ車体の佐藤彰矩さんです。

ー今回、どのような経緯で「教えて!赤ちゃんフェス」に参加することになったのでしょうか?

佐藤:私たちのチームは、元々弊社のデジタル技術を使って、車内の困り事を解決しようと発足しました。

あるとき、通園バスで子供が置き去りになったという痛ましい事件に端を発し、バスなどの車内にカメラを載せて、その状況を離れたところから見守ることができないかというアイデアが生まれました。

それが発展して、保育園・幼稚園の園内で、自動走行するロボットが子供の様子を撮影し、保護者の方に配信するようなサービスを事業展開できないかという検討がはじまりました。その際に、同じ社内の薮田から紹介されたのが、ピープル赤ちゃん研究所さんです。

この事業はもともとは、3~4歳ぐらいのお子さんをターゲットに考えていたのですが、フェスへのお誘いを受けて、たくさんの赤ちゃんがいるところで、実際にロボットを動かせるということで、技術的な挑戦ができるであろうと思い、参加を決めました。

赤ちゃん研究所の方と事前に話をしていく中で、「お母さんと赤ちゃんが一緒に写っている写真って少ないよね」という話題になりました。それにいざ撮ろうとすると、お母さんがどうしても作った顔になってしまう。知らない間に自然な笑顔で撮影されている…ということができないかと考えました。

ーそれでハンバーガー型などユニークな形のロボットの意匠になったんですね。チャレンジは成功したのでしょうか?

佐藤:会場には、想像以上に赤ちゃんやお母さん、スタッフの方がたくさんいて、ロボットがそちらに反応してしまうことがしばしばありました。自動走行と自動撮影のプログラムを走らせる予定だったのですが、結局本番はリモコン操作で動かすことになりました。

そんなわけで、全部自動で動いて、自動で撮影までするという目標の半分は達成できなかったのですが、実際にいままでにない視点で赤ちゃんと親御さんの写真を撮影でき、自然なお母さんたちの表情も撮影できたというのは、今回のフェスで得られた成果だと思っています。挑戦の第一歩を踏ませてもらったなと感じています。

ー撮影ロボに見える赤ちゃんの表情は、下からのアングルで、未知の存在に出会ったときのもののようで、親だとなかなか見えないものが多いですね。

佐藤:ママたちの好奇心を引き出すことができたのも、うれしかったですね。

車の楽しさを子供たちに再び伝えていく

ー今後赤ちゃん研究所さんとどのようなコラボレーションを期待されますか?

佐藤:引き続き、保育園や幼稚園に導入できないかというチャレンジをしていくつもりですが、それと並行して赤ちゃん研究所さんから「個人の家に導入するといいのでは?」というアドバイスをいただきました。ご家庭にこの撮影ロボを導入するときに、赤ちゃん研究所さん、ピープルさんと組めればいいですね。

ーフェスの会場で、スタッフの女性が、操縦するのが楽しい!といって、撮影ロボのコントローラーを離さなかったのが印象的でした。彼女は撮影ロボの操縦を通じて、赤ちゃんの目線をはじめて体験できたといっていました。

最近若者の車離れのような話もありますが、車には確実に運転する喜びがありますよね。撮影ロボの操縦についても、新たな視点が得られたり、操縦の楽しみというのがあるのかもしれません。本論から離れてしまうのかもしれませんが、そのような副次的な結果について、どう思われますか?

佐藤:そうですね。ロボットにカメラがついているからこそ見える景色というものがあると思うんです。

佐藤:僕らは寝っ転がってテレビを見るようなことはあっても、匍匐前進はまずしません。低い目線まではいくんですが、それが動くのは面白いなと、開発段階から考えていました。

今回も、かわいいロボットだねといって、お母さんがニコニコと手を振ってくれるんだけど、その後ろには私みたいなおじさんがいたりして(笑)。ここから新しい何かが生まれるのかもしれないと思っています。

ー自動運転がかなわなかったおかげで「操縦すること」の楽しさにも気づかされましたね。ママやパパに、カメラを操作しながらロボットカメラを通じて赤ちゃんを観察してもらうと、新しい気づきがありそうです。本日はありがとうございました。

(まとめ、聞き手:プレーンテキスト 鹿野恵子、聞き手:clockhour 黒川成樹)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?