俺はつかこうへいを知らない

白鳥の湖とチャイコフスキー思い出すのにめっちゃ時間かかった…(あと敬称は略)

劇団 来る節三丁目(又は親知らず三本目)の「新熱海殺人事件 オン・ザ・カントリーロード故郷へ篇」2/17日の回を観劇しました。美術の田尻尚大から「めっちゃ面白いから観たほうが良い」と言われたもんで美術を少し手伝わせて貰ったこともあり、喜び勇んで大阪芸大は新文化クラブハウスへ向かったんですね(クラブハウスの場所がわかり辛い)(田舎のコンビニくらいのたっかい看板出しといて欲しい)

いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜めっっっっっっっっっっっっちゃ好い。もう好きな要素詰まりに詰まってたわ熱海。最高じゃーん(mmm感)

開幕爆音白鳥の湖から序盤はやたら芝居がかった喋り方をしてチャイコフスキーをディスる木村伝兵衛部長刑事(原昂希)と富山を離れて東京にやってきた新任刑事の熊田留吉(椿和也)の掛け合いから始まるは、木村の愛人で婦人警官の水野明子(水上もも)を交えての熊田に対する新人いびり。捜査資料をはさんだバインダーをわざと落として拾わせる場面とか「(自分だったらいびられてんの気づかんと拾っちゃうな)」とか思いながら観てた。そこに恋人殺しの容疑者として大山金太郎(富田裕貴)が連れてこられて殺しまでの経緯にどうのこうの言われイチャモンをつけられしていく。細かに笑いを仕込んでいて所作や語りに笑わされつつも少し冗長に感じていたが ところがぎっちょん!(CV:藤原啓治)登場人物が自分の身の上を曝け出し始めたところからめちゃくちゃ話に引き込まれる。緩急の付け方が最高。こういうギャップに弱いので(隙自語)金太郎の身の上話というか自白のときなんてつらくてしょうがねぇ…                     鬼か?つかこうへい。

そんなこんなで笑わされ辛さを感じ感動もしたわけですが特に好きなのは金太郎が犯行の再現を行う際、恋人の愛子(水野が代役を行なっている)の首を帯紐で絞め殺す寸前、木村が手に持った花束で金太郎をやたらめったら殴りつける場面。ここで木村が犯行を再現する際、愛子役に水野を抜擢した理由を察せられる。正直金太郎と愛子の掛け合いも切ないけども特にここが切ない。初っ端から非常識で高慢な人間として立ち振る舞っていた木村伝兵衛から哀愁が感じられる場面。飛び散る真赤の花びらは鮮血で(暗喩)片腕をもがれるような悲しみ(直喩)が可視化されているのだとみてとれた(深読み)(オタクの妄想)

タイトルの通り、つかこうへいの本をまったく読んだことがないまま本日のスクールバスの運行が終了した大学へ歩いて向かい(ちょっと遠いので少しだけ憂鬱だった)、大学の受付のおじさんに新文化クラブハウスの場所を聞いて後方とも前方ともつかない中途半端な上手端の席で腕を組みながら後方彼氏面観劇をしていたつかこうへい初心者で、つかこうへいのことなんて(失礼)スキンヘッドの教授がしていた物真似程しか知らなかった。本買うので草葉の陰で唾吐いといて欲しいと思う。

蛇足

端役として待望の役者デビューを果たした田尻。(来る節三丁目の前回の公演でも少し出ていたらしいが)カーテンコールの帰り際、すごい気怠げに帰っていく姿が面白かった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?