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生成AIで世界はこう変わる
人の能力やスキルは、AIによって代替されるのか?
特別なスキルを必要としない賃金が低い仕事であるほど、コンピュータ/AIによる自動化の影響を受ける可能性が高い
2013年に発表されたオックスフォード大学の「雇用の未来」という有名な論文がある。
作業内容が確定している仕事が機械化の影響を受け、全職業の47%が影響を受けると予測されていた。
2022年にchatGPTが登場したことで状況はガラリと変わる。
高学歴で高いスキルを身につけている者が就くような賃金が高い仕事であるほど、コンピュータ/AIによる自動化の受ける可能性が高い
OpenAIとペンシルベニア大学が共同で出した論文では、むしろホワイトカラーの8割が影響を受けると予測された。
これだけ予測が変化した背景には、
・非定型作業ができるようになったこと
・アイディアを創造できるようになったこと
・人間の感情や社会状況を踏まえたコミュニケーションができるようになったこと
が要因とされている。
生成AIは、膨大なデータから特徴やパターンを検出し自己学習している。以前は一つひとつ正解データを作って学習させる必要があったが、膨大なデータを取り込むことで一気に成長が加速した。
臨機応変に文章が返答できる背景の仕組みは、現代文の穴埋め問題のようなものである。
質問された内容に基づいて、下記のような確率の高い単語を出力している。
<文章1>
このりんごは( )
<選択肢>
①アインシュタイン[正解の確率 2%]
②黄色い[正解の確率 5%]
③おいしい[正解の確率 90%]
④行く[正解の確率 3%]
まるで人間のように回答する生成AIとのやりとりも、確率という数値的なものとして処理している。
人も同じように、経験や学習、対話などを通じて、自然な文脈になるように会話をしている。独創的なアイディアも、既存の情報の組み合わせによって生成している。
これは、ある種人間も学習したデータから、会話の文脈に沿うように確率的に返答したり、知識の中の情報を組み合わせてアイディアを確率的に出していると言えるかもしれない。
だとすると、AIと人の違いは何なのだろうか?
人がAIより優れている要素はあるのだろうか?
今の仕事の多くが、近い将来消えてしまうのではないだろうか?
ビジネスの多くは、収益や効果を予測できる。
合理的な意思決定に基づいて行われる。
過去の事例や同業事例などの成功パターンをもとに事業を運営する。
費用対効果や予測や再現性を前提にしたビジネスというあり方は、過去をもとに将来を予測する。
これはもうAIができることなのかもしれない。
これからの人がやるべきことはなんなのだろう
やりたいことや好きを極めること
多くの人間よりも優れた回答を出すようになるAIと真っ向から戦うのは不毛かもしれない。
運送という仕事が飛脚から車にとってかわり、そろばんが電卓やパソコンにかわったように、肉体や思考では純粋に機械やAIに勝つことは難しい。
だからこそ、嫌なこと、誰でもできることではなく、好きなこと、やりたいことの価値が高まる。
現状のAIの仕組み上、自己意識や感情のようなものを持たせるのは難しく、アウトプットは平均的なものになってしまう。役割やロールプレイでAIの振る舞いは特徴を持たせられるが、自発的な行動や意思は生まれない。
・この問題を解いてほしい
・こういう目的がある
・〇〇と〇〇の視点を組み合わせてほしい
こうしたものは、人間の自発的な意思によって形成されるため、むしろ人間のやることはここを突き詰めることのように思う。
そのためには、日頃から自分の答えや感情を知っておくこと。偶発性を受け入れ他人とは異なる経験をすること。そうして好きややりたいことを追求することで、差異化し、異なる視点を持つことこそが人の価値になるのかもしれない。
AIに答えは作れても、意思は人間にしか存在しない。
やりたいことを実行すること
今までは、やりたくない仕事をやらないとお金が稼げずに生活が成り立たなかった。
今後、それは大幅に変化する。ルーティンワークや、過去の事例をもとに答えが合理的に導ける仕事は代替されていく。
無駄な仕事、やりたくない仕事の大半がAIに任せられるようになり、本当にやりたいことに向き合う時間が増えるようになる。
嫌な仕事をやり続けてAIに代替されてしまうよりも、平均的な視点からは導けない一人ひとりの固有な視点からアイディアを実行したり、本当に楽しいと思う仕事の内容のみにフォーカスする方がいいのかもしれない。
やりたくない仕事はAIに任せる。
答えが合理的に導けることはAIが担当する。
人間は非合理で情緒的で、他人からは一見意味のないことに時間を使う方が、むしろいい。
人間が狩猟社会から農耕社会になり知が発展したように、
ルネッサンスで文化が大幅に深みをましたように、
そうした飛躍が今の現代社会にも訪れるのかもしれない。
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