DAOに参加したい、DAOを作りたい人へ。
今日は、「最近話題のDAOって参加しておいたほうがいいの?」という疑問をお持ちの方に向けて、解説をします。
どんなDAOに参加すれば良い?
2022年になり、周りが「ダオダオ言い出しだお」状態で、何らかのDAOに参加したい気持ちになる人も多いかと思います。
そんな人に一言アドバイスです。
「何でもいいからDAOに参加してみたい!」
という考えではあまり幸せになれないと思っています。
それよりは、
「あのDAOのテーマが好きだから、手伝いたい!」
という動機で動いがほうがいいと思います。
DAOや、DAOを目指すコミュニティは数多く存在しているので、じっくり選んでみれば良いと思います。
日本国内のDAOを手集計でスプレッドシートにまとめているので、こちらも参考までにリンクを貼っておきます。
(自薦・他薦受付中です)
参考:https://docs.google.com/spreadsheets/d/1DNcRXrLqwVx1UrGjfgYbVx0K1G6-JgB3dUP8sruJh6s/edit#gid=0
DAOの概念
DAOの概念は、実は数年前から存在していました。
ブロックチェーン領域の発展にあわせ、DeFi→NFT→DAOという順番に、ある意味必要に迫られてDAOがトレンドになってきた歴史があります。
ただし、DAOは”自律的な行動”を求められるので、単にトレンドに乗りたいからという理由でDAO的なコミュニティを作っても、長続きしない可能性が高いです。
DAOにおける理想的な”自律的な行動”とは、何でしょうか?
プロジェクトやコミュニティ全体を俯瞰し、そのDAOが目指すゴールを達成するためのプランを、自ら考え、解決策を出し、アクションして、グロースを支援する、この一連の流れです。
これだけ聞くと、デキるビジネスパーソンって感じがしますよね。
さらに、DAOには国籍・言語の異なる様々な人達が匿名で集まります。
信頼関係も構築できていない、ほぼ顔が見えない、どこの誰かもわからない者同士が、互いのスキルセットや熟練度を見極めながら、プロジェクトを進めます。
言葉で書くのはカンタンですが、これをしっかりワークさせるのは途方もなく大変なことなのです。
DAOの実状
(引用:@Coin98Analytics)
2022年1月15日現在で、世界中の主なDAOをまとめた図表がこちらです。
実際には、大小様々この何十倍ものDAOがあると思われます。
これまで、DAOの理想を掲げ、または単に流行に乗っかりDAOを名乗って散っていったコミュニティは無数にあります。
また、日本国内においては”本当のDAO”はまだ1つも存在しません。
DAOを掲げ、DAOの名前を冠するあらゆるコミュニティは、実はまだDAOではありません。
それら国内のDAO的なプロジェクトは、未だ「なんちゃってDAO」「DAO化を目指す発展途上の段階」である事実は、認識しておきましょう。
究極のDAOといわれているBitcoinでさえ、一番最初はサトシナカモトという発案者たる"中央"が存在しました。
最初はサトシナカモトを中心とする一部のギークの間でワークさせていたものを、途中から自律分散型へ移行させていった歴史があります。
最初からいきなり中央の存在しない何かを作っても、それはまともにワークしない可能性が高いと考えます。
現状、DAOを作るには一部のFounderが存在し、段階的にその存在感を消していくことによって徐々に本物のDAOへ近づけていくアプローチを取っている組織が多いのです。
また、特に日本においてDAOを作ろうと考える際にリスクとして念頭に置いておきたいのが法制・税制の関係です。
新しすぎるが故に、法制度上どのように位置づけるか定まっていません。
DAO作りのチャレンジを阻害する要因にもなっています。
DAOの形態
一口に「DAO」といっても、実に様々な形態があります。
細かくToDoが決められ、「やることが結構決まっている」ような、DAO内の運用が整備されているDAOもあります。
その場合は、とりあえず参加してみて方でも、何かしらできそうなことをアサインしてもらえるような、参加までの動線が初心者にやさしいコミュニティです。
DAOの醍醐味というのは、これまでの法人などの枠組みではできなかった、上下関係のないフラットな組織という点にあると考えます。
また、ビジョンに近づくための新しい提案や行動、チーム組成をメンバーが自由に行って、自らが推進力となるような動き方が許されており、期待されます。
DAOの魅力
いままでの会社では許されなかったような自由な働き方ができる点が、DAOの魅力の1つでもあります。
ビジネスパーソンであれば、誰もが、上の意思決定に対して、「私だったらこうするのに!」「上司の頭が固すぎる!」等と苛立ちを覚えたことはあるでしょう。
自分の考える正解とは違う道に進んでいく組織の中で、モヤモヤした気持ちを抱えながら、与えられたタスクを渋々こなしてきた積年のうっぷんは、遂にDAOで晴らすことができるかもしれません。
理想的なDAOとは、こうした自分が考えるアプローチを自由に提案・実施していける器の広い環境が用意されていることです。
ただし、だからといって、DAOは「自分の思いつきやわがままを通せる場所」ではないことに注意して下さい。
参加者個々人の提案が通るか否かは、サラリーマン時代の上司の代わりに、コミュニティの「共感」により決せられます。
他の参加者の共感が得られなければ、DAOの資金が提供されなかったり、仲間が集まらず、DAOの発展に対して大きな貢献はできません。
自分の一存で好き放題やれる場所ではないのです。
むしろ、DAOでの活動はコミュニティ全体の「共感」をいかに集められるかがカギになる点において、個々人の人間力が試されるシビアな舞台でもあるのです。
また、DAO化するのに向いた業種と向かない業種が存在するようにも思います。
まだDAOの概念自体が新しすぎるため、何が正解かは誰にもわからないというのが現在地です。
旧来の会社の良い所とDAOの良い所をミックスした、いいとこ取りのような組織運営が都合良く回るケースもあるかもしれません。
正解を探るべく、今後日本国内でも多くの人達がDAOを標榜するコミュニティを作りにチャレンジし、試行錯誤が繰り返されることにより、理想的なDAOの在り方が徐々に明らかになることを期待します。
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※この記事は、パジ(@paji_a)の発言をベースにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)
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