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R-1グランプリの、芸歴制限などに思うこと

R-1グランプリ2023は、田津原理音さんが優勝しました。おめでとうございます
自身の得意分野である、イラストとカメラの技術を生かしたネタで、予選の会場でもかなり受けていました

芸歴制限かかる前から準決勝まで行ってた実力者であり、ABCお笑いグランプリでも決勝進出経験あり
これで売れたら、またいつものフリップネタをテレビでやってほしいですね

さて、R-1グランプリは2021年からルールの変更があり
その中で最も大きい部分が芸歴10年以内になったということです
他にも、音源やキャラクタの使用に関してかなり制限がきつくなっており(替え歌・外国曲禁止もでかい)、コンプライアンスとはげにつまらないものだなと思いました

芸歴10年以内になったことで感じた、個人的な意見を
2018年から毎年、準々決勝から会場で観ている自分が書きます

芸歴10年以内になって、残念なこと

芸歴10年以内になって、予選会場で観られる顔ぶれがかなり変わりました
ひとり芸で勝ち上がる人は、やはり芸歴を重ねて、相応に場数を踏んだ人が多い印象です
舞台上でたった一人でネタをやり遂げるってすごいことなんですよね。大学時代に2回R-1に出ましたが、やはりとても緊張します。まずはあの雰囲気に克たなくてはならない

過去のチャンピオンやファイナリスト達を見ても、やはり芸歴を積んでいる方が多く見られます
R-1は、長いこと燻ってたピン芸人が全国ネットでやっと名が知られるみたいな、個人的にそういうイメージがありました
予選会場で、テレビにあまり出ないベテラン芸人のネタが観られるといふのを、個人的にはすごく楽しみにしていました

ところが芸歴10年以内となると、当然ながらそういった方はいない
若手のネタが悪いとはいえませんし、準々決勝まで勝ち上がった方々なので、みんな面白いんですよね
しかし、面白いなと思って気に入った人がほぼほぼ観られなくなってしまったのは残念です
芸歴制限無かったほうが、色々なネタが観られた

やはり最も残念な点は、ベテランのピン芸人の、大きなチャンスが無くなったといふところだと思う

そもそも何故いきなり10年以内になったの?

実際のところはわからないので、憶測でしかないのですが
旧M-1に合わせたのではないでせうか

M-1が元々「結成10年以内」としてゐたのは、
「10年やっても勝ち上がれないなら、芸人を辞めて別の道を探したほうがいい」ということなので、R-1でもそうなのかなと

それでもタイミングは謎なところも
R-1グランプリ2021は、回数でいうと19回目。ただ年度でいうのなら2020迄やったから2021から新しくしようたる気分は推し量れる
だとしても今のM-1に合わせて15年以内にならなかったものかと思う

急にルール変更したからか、芸人達だけでなく、制作側も少なからず慌てたでせう
ルール変更した2021は番組そのものがグッダグダ。2022でちょっと改善したものの、決勝進出者も審査員も減らすというね

「なんか世の中が色々変化してるから、とりあへず変えよう」みたいなことが、制作側であったのかもしれない

その他のルール変更について、個人的なこと

替え歌禁止、既存キャラクタのコスプレ禁止、フリップなどでも既存のキャラに酷似したものは禁止
昨今のコンプライアンスやら何やらで、何かあった時に責任取りきれないし、何より面倒だから、だったら最初から禁止にしとこうと、そんな感じなのでせう

これにより、キャラモノマネの方は全滅。現行ルールだと、2019優勝の粗品さんのフリップネタ(コナンと小五郎を描いていた)も使用不可である

個人的に「替え歌禁止」が大きく、替え歌芸人である独唱の塔天さんがガン不利に
それでもちゃんと正式な手続きを踏んで、ネタを披露し、会場を沸かせるのはすごいことです
(しかし準決勝止まりだったのは、やはり権利関係で面倒だと思われたからなのでせうか)

芸歴10年以内になって、良かった点

とまぁ残念な点はあるものの、良かった点も多い
これまで観られなかった若手がたくさん観られるやうになったのはでかい

芸歴制限ある前から、勝ち上がる人は勝ち上がってた(実際、ルール変更されてからの優勝者は全て、ルール変更前から準決勝行ってた)けれども、比率としてはやはり少なかった
新たな推しも見つけることができて、ここは良かったと思う

また、準々決勝に進出するアマチュアが増えた
こちらは体感ではあるが、コンビ芸人の片割れが減った
アマチュアが大舞台に立てるのは素晴らしいことだし、ピン芸の大会である以上、やはり純粋なピン芸人が出てほしいてのはある

ラストイヤーの方が頑張ることによる、良い点と残念な点

芸歴10年以内になって、R-1にもラストイヤーの概念ができた
ラストイヤー、つまり10年目の方が、予選を「勝ちに来てる」のである

自身の軸となる部分は大きく変えず、それでいて大きく笑いを取れるやうにネタを改良・構築。芸人さんてすごい
ラストイヤーの概念が無ければ、Yes!アキトさんはずっとギャグ連発から変わらなかったかもしれないし(2023のネタは、一人コントの中にギャグをパッケージする形式に変更)、ZAZYさんのフリップがデジタルになるのももっと遅かったかもしれない
自身の軸は変えず、笑いを強化し、尚且つテレビでもそれなりに映えるネタを作ってる。芸人さんてすごい

ところが、テレビ向けまたは賞レース向けに改良したとして、売れない時分からのファンにとっては「なんか違う」と思われるところもあるかもしれない
ルール変更前は、ラストイヤーの概念が無い為、ある意味「好き勝手できた」部分がある
即ち、自分の芸を貫くことができたわけである

「この芸人さんなら、このネタを観たい」というのがあり(あたしなら前書きの4行目みたいな意見)
他のネタで売れて、世間的な知名度が上がっても、やはりそのネタに帰ってくるわけである

芸歴制限は、撤廃すべき?

撤廃といふより、以前のルールに戻してほしいてのはある
芸歴制限するなら、現行のM-1に合わせて15年にすればいい

今いきなり撤廃とかなったら、Be-1グランプリの存在意義が薄くなってしまう
(Be-1グランプリについては各自調べてください)
またBe-1に限らず、芸歴の長い方々向けの賞レースも複数あるみたいなので、今後しばらくはそちらに期待するといふことで

R-1グランプリに夢は無いの?

夢が無いわけじゃ、無いと思います
(ウエストランドの漫才において、あるなしクイズに明確な答えが設定されているとは思えませんが…)

例えば、優勝はしていなくても、
スギちゃんさん、AMEMIYAさん、芋洗坂係長さんとか売れましたし
岡野陽一さんは「巨匠」でキングオブコントのファイナリストになりましたがあまり話題にはならず、その後R-1で爪痕を残して、ロケの仕事とかちょくちょく増えるやうになりました
(その後ユニット「最高の人間」でキングオブコントのファイナリストになり、個人としては2回目)

ただ、漫才師とかのほうが、掛け合いとか相方のフォローなどで活躍しやすく、それに対してピン芸だと「ネタ以外の面白さ」も含めて自分でやらなければならない
そこが難しいところではないかなと


まぁ色々言いましたが、それはそれとして
R-1グランプリ2023には言いたいことがある

「今年は準決勝の動画配信ないんかい!」
と言っていましたが、復活ステージの動画、配信されたみたいです
欲を言へば、M-1みたいに期間限定で「1回戦ベスト3」「準々決勝全ネタ」とか配信してくれると嬉しいんですがね

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