『猿の夢』感想
本記事はたこてい氏作のフリーゲーム『猿の夢』の感想です。
感想と言ってもオタクがキャラ萌えして床を転げまわるだけの、見るに堪えない記事になります。
その癖ネタバレはちゃんと含みますのでご注意願います。
こんなもん読んでいる時間があればプレイしてきてくださいって頼んでます。
我々の情緒をジェットコースターに縛り付けてくる男、早乙女
主人公の黒瀬まどかが毎晩見る悪夢に車掌の恰好で現れる王子様系イケメンクラスメイト早乙女。
何がいいって一言でいえば想定されるより理解が及ぶ人格、でも我々が思うよりずっと地獄にいるという点。
マ~~~~~~~~~~~~ジで親による性的虐待ドン引きなんだが、草枯れる。
過去の男の名前息子に名付けるだけで特大地雷なのにそれをあろうことか本人に教え、彼氏の役割もさせるのキツすぎる。毒親レベル20000000。
ぶっちゃけ早乙女の境遇は同情して余りある。
感情面で語れば、あの終わりに終わった環境&詰んだ状況でまどかに光を見たのだとしたら
わざわざヤバ男を拝みにフィクションを楽しみにきている我々の好感度は既に担保されていると言ってもいい。
真エンドで語られるまどかを夢に引き込んだきっかけだって事故としか言いようがない
彼のめちゃくちゃな加虐性も性癖として元々持っていたのだとしても、目の前で毎夜繰り返される好きな子のリョナ行為でむりやりこじ開けられたともとれるわけで……彼は元来つらいことは快楽でやりこめる主義だからその辺の紐づけもさぞすみやかだったことと思う。
諸々考慮すると、ヤンデレ界隈で言えば理不尽じゃない判定になってしまうのもやむなしというか何と言うか。
ヤンデレ界隈というのは怖いところですね。犯罪・暴力・なんてものはハナから大前提でそこにどんな言い訳がたつか、過去があるか から議論が始まるわけです。
そんな界隈があってたまるかよ
ただここで、可哀想な早乙女くんの願いは残酷なほど純粋だったよ~~~~~~では終わらせず、もうひと展開あるのが深すぎる
もうひと展開、この見せ方も秀逸で事実のどんでん返し的なアレではなく
早乙女に起こったことの見せ方を変えるだけ+結末のその先という構成のみなのがいい
ストーリーにおいて『台無し』と『どんでん返し』って紙一重だと思っていて
例えばエンディング5分前でなにもかもひっくり返るやつ、なんでもないキャラクターを脇役キャラクターが前兆もなくフィクサーだと明かし、裏側のギミックを公開するやつ
どれも好きなパターンだが、うまくやってくれないとじゃあ今までのは何?要らなくねとしか思えなくなる。
私は、難しい伏線は後から説明されても「そんなの!!!!!分からないだろ!!!!!!!」と逆ギレができるタイプのクソ客なので、早乙女が全部織り込み済みで動いてました〜〜だったら早乙女のことは別に好きにならなかったと思う。
早乙女は最悪マッチポンプも思いつくし、猿の手を利用してまどかと一緒に帰ろうとするけどそこまでなんですよ。
計略という計略があるわけではない。だけどもまどかの隣で日常を過ごすのも、目をくり抜くのも彼からしたらおんなじくらい楽しい思い出なわけで
(この天秤が釣り合ってしまっているところが致命的な綻びでもある)
でもそれを御する倫理観もある。あった。歪な環境下で生きてきた己もまた歪である自意識を持ち合わせ、まどかに関わらないことがまどかのためであるとすら思っていた。過度な抑圧が後の悲劇を助長したとも取れるのがなんとも悲劇としての芸術点を高めている。
最終的にはまどかを諦めきれず、件のエンドに到達こそするものの
なんと早乙女は猿の手の精神汚染だくだくの状態で葛藤が出来る。
何もかも詰みの状況下、後は好きな子道連れにするか独りぼっちで破滅するかの択で深く葛藤ができる闇属性の男がどれだけいることか。
何ならここで即決即断で相手の手を自ら離せる人間は光方面にイカれた覚悟ガンぎまり男に分類されるのではないでしょうか(私はこれが本当に大好きです)
この、受け取り手に「でも」「でも」「でもだって」で永遠にろくろ回させてくる感じ、た、たまらね~~~~~~~~~~~~
桜子は彼の魔性にまどかが魅入られてしまうことを恐れていたけど、この同情と善悪のらせん構造こそ彼の魔性の正体なのかもしれない。
というか純粋に加害者かつ被害者というどちらの側面も色濃いキャラクターがオタクに刺さらなかったことは有史以来ありえないというだけのことなのかもしれない。
突拍子のない狂人も好きっちゃ好きだし、否応なくこちら側の情緒を乱してくれるので気持ちがいい
けれども筋の通った狂の発露のカタルシスはマジ何ものにも代えがたい
筋の通った、というのは完全に視聴者の尺度であって本来は狂を発したひとの理屈なんて他人が理解する必要など無いのですが
キャラクター性とか捻るとこは捻って、でもストーリーは堅実な作品の作りにものすごく誠意を感じる。
ヤンデレって女性向けジャンルだとぶっちゃけ食傷気味で、DLサイトでは石を投げればヤンデレ執着攻めに当たると言われている。
でも早乙女はそのテンプレートには甘えない、ヤンデレと一括りにするのすらちょっと疑問が残るめちゃくちゃいいキャラでした
ゆえにちょっと感情の向け方に迷う。幸せになってほしいも違うし、猿の手を手に入れることもないまま彼の現実で生き続けていれば良かったとも思えず……。
彼は教室で王子様に見つけてもらわなければいけなかったのかもしれない。
あとがきのオカ研+早乙女のイラストは猿の手に願わず、まどかを通してオカ研に接触したifですかね。切なすぎる。
おまけ等で叶わなかった明るい未来が示唆されるのが
ぼくはだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜いすき。
黒瀬まどかという光
漢気が凄まじい、たこていガールズは基本的にヤバ男の被害者に収まらない力強さを持ち合わせており、最高。
黒瀬まどかも救済の眩さは十分持ち合わせているのに相手は怪異とヤバ男の合わせ技
早乙女だけなら救えたよまどか、、、ドンマイナイファイGG。文字通り相手が悪かったかもね
あんだけ凄惨な悪夢からギャグ等身で飛び起きることができる強さを持ちながら、
基本的に自意識が等身大思春期少女なのいい。キスされたことをオカ研に報告する選択肢は、己の願望が反映された夢である可能性がある以上選べない演出であったり
モテない(かなりそんなことはない)ことをやたらコンプに思っていたり。
プレイヤー目線では、一旦健気方面で早乙女くんを押し出してくれたため早乙女にグイっと肩入れしたまどかを受け入れられたのもデカかった。ヒロインの心境の変化についていけるかどうか、は大変重要なことなので。
早乙女嘔吐の後
「汚れますよ」
の一言で鋭く早乙女の彼女たちを制したまどかは激アツだし、凄みがあって最高だった
あの辺の急ハンドルはまどかが魅入られてるとも取れる不穏さも醸していてワクワクした。
その後のまどかのモノローグでも早乙女への明確な情を読み取ることができ
ちょっと!今まで早乙女の周りにいた人、本当になんにも見てこなかったの?みたいな、彼をこうしてしまった何かへの義憤みたいなところも大きそうで
まどかという女の正しさとか、併せ持った傲慢さとか様々なものが垣間見れてよいし
でもそれだけでなく、女子生徒の感情にも理解を示して思考に落とし所をつけるところに他人への悟りや達観も感じ取れて味わい深い。
上記は大変個人的な願望及び妄想がふんだんに含まれているプレイヤーの歪んだまどか像なのであまり真に受けないでください。
気持ちに名前をつけることはないけど、まどかも早乙女にかなり傾いていることが分かった上でのあのエンディングだからね……………………
怒涛のクライマックスを前にし、まどか視点の回想として
すべての始まり中学生のころの一幕をまどかも出来事としては覚えていて、ただそれが早乙女であったことは思い至らなかったこと
そのことにほんの少し罪悪感があることが明かされるの、話の構成がうますぎる。これから展開される悲劇への布石としてかなり完璧
ラストでオカ研に引き止められても(西條のことは振り切らないでくれ泣泣たのむよ泣泣)早乙女の家へ行く整合性ってものがお人好し設定に依存せずとれていたな……と。
ここで正気度がないと説得に応じる余地がない設定も絶望的に天才すぎる。何度かここで積んだ^^;
部屋にて肉塊を横にうずくまる早乙女に手を差し伸べるまどか
ここのスチルが欲しすぎる。半狂乱の早乙女視点で
死ぬとどこかで承知しながらもう手遅れの早乙女のもとへ駆けつけて、部屋から連れ出してくれるまどかは真に王子様であっただろうから。
でもそれは早乙女だけの王子様だから我々には見られない景色で正解なのかもしれず……
その手を掴むことはすんでのところでかなわない展開も秀逸。逸脱してしまった早乙女にまっとうな救いなど訪れないんですね、了解。
早乙女の王子様よばわりがぴんと来ていないはずのまどかが、自ら目覚めのキスをするの爆萌えすぎ
もうその精神性が王子だから……。
そう都合よく奇跡は起こらないのも無情で侘び寂びがある。ご都合目覚めハッピーエンドの√分岐だって作れただろうにあえて遮断する製作者の趣味嗜好を多分に感じてニコニコした
グロもエロも要ったな
要素として強いから軽率に添えられがちなエログロ要素が本作に関してはちゃんと欠かせなかった。
いいんですよ。飾りとしてのグロも。添えるだけのエロも。
でも本作『猿の夢』のエログロには必然性がある。
早乙女を語るには生々しいエロは必要だし、言わずもがな猿夢からグロは外せない
あの日常会話が下ネタに直結する節操の死んだ会話も、早乙女という人間の壊れを描写するのに一役買っていたと思う
R15もやむなしということだ。良い子は15たいになってから本作をプレイしてほしい。
というわけで、製品版的な立ち位置があるならリョナ要素の増強を頼みたい。ぜひとも
まどかなら立てるので。夢の中でどんなにぐちゃぐちゃ(あらゆる意味で)にされても堕ちない気高さ(図太さ)の輝きを際立たせるためにも
逆境が理不尽で容赦ないものであればあるほど、折れない魂の尊さは強く、眩く、輝く。
2日目夢パートで早乙女に
「嫌い」の選択肢を選んだまどかのやっちゃった!やってやったぞ!!!絶対ぶっ殺されちゃう!っていうテキストが優勝(殺されすぎて麻痺しているゆえのやけくそ蛮勇ではなく、死への恐怖はしかとあるのが尚最高)
すまん最後に水無川の話させてもらっていいか?あと西條
水無川。
ビジュアル・キャラクターが信じられん好みすぎる意味が分からない
ありえない。好きすぎる
自分でもこんな都合のいいキャラクター思いつかない
シンプルな死!!!!!!!!!!!!!ヤッッフゥ!!!!!!!!!!!!
メカクレ黒髪!下まつ毛!オカルト趣味!同級生!変人!←神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神神要素
序盤にまどかと親しげにして巻き込まれが発生するのも部内での扱いが雑なのも優勝!!!!!!!!!!!!!!!!!
これだけ要素がそろって〈同級生〉なの有難いが過ぎるだろ福祉が充実しすぎて怖い。イマジナリー祖母が数珠こすり合わせてるもんありがたや~ありがたや~
くたびれた手作りのおまもりやらお札くれるのも神すぎるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。イーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー~。
フリゲーのサブキャラがドン刺さったときってなにをすれば助かるの?絶望?ってやつ?これが。
√くれとは言わんから……てかまどかと水無川はこの距離感でいてくれるのがありがたいから。。
おれはそんな強欲でないから……。
………………あの……
√ください……。
嘘。ナマ言って申し訳ございませんでした。二度と逆らわないので、どうか、寄り道ssで、、手を打ちますので、、奢ってやると息巻いていた水無川がいざ会計で無一文だったことが発覚し、ため息つきながら二人分払う羽目になるまどか……を何卒、あと字が壊滅的に下手なの軽率に萌えでございます。
言動はやかましうさんくさい問題児だがよく見ると下まつ毛が…………系統の隠れ美形なくせに、笑ったり目を伏せたりして急にまつ毛ばっさばさの只の美人になるのだけはやめてね📮👍(やめて)
オカ研部室にいるときの男子高校生感あふれるやんちゃ座りもたまらんすぎる
なんだかんだ実力のあるゴーストバスターなの何?舐めてんの?
実は怪異への引き際も冷ややかに見定めており、いざとなれば命の取捨選択ができるのマジで言ってる?キレそう、もうおれを赦して壊れりゅ……己のその辺の諦観に対し、何もかも救おうとするまどかを眩しく思っているのはマジなのですか!?????死んじゃおっかな~~~~~~^^
ペラペラ言うとりますが結局はキャラデザに一番頭おかしくさせられているからさ、、
シャツの下に赤いインナーっていうのがまたよくって、、、いじられ役でやる時はやるというキャラクター性も含め、主人公のキャラデザのエッセンスが含まれてそうでハオ(愛)
あとこの感じでまどかが水無川“くん”呼びなのって私の前世のどの辺の善行が効いてるのか教えてほしい。今後それだけする。
オタクキラー西條の罪は重い。いやマジで
はい好き~~~~~~~~~~~~~~~~~
は?何?いや好きだろうがこんなん。みんな好きだろ。好きじゃないって言ったオタクは猿に舌抜かれる。
いわゆる?ダウナー系後輩でござい〜~からの
恋は楽しくて、ゲームの発売日みたいにわくわくするものという認識なのズルいんだ。ピュアすぎんだろ……守護りたい。守護らねば。守護らせてくれ。
西まど(ここにきてカプ名!?!?!?!?)デュオでFPSやってんのかわいすぎだろ
しかもしっかり好意が明言されるのはさ~~~~~~~~~~それはさ……
駄目でしょルール違反なんだよ
普通に考えて、桃色片思いの先輩が早乙女みたいな男に殺されにいっちゃうのって脳破壊すぎる
西條エンドで早乙女のこと好きだったんですか?になんか早乙女に対して脈がありげな回答が帰ってくるのも、彼女に後悔として爪痕が残っていることも、、結論が恋愛は私にはまだいいよ〜なのも西條にとっては残酷なはずなんですよ。でも西條はそれでいいと思ってんだろうな
この恋を大切に焦らず育んでいくつもりなのだろうなと思うと………………
オカ研西條エンドこそ真実だとしか思えなくなってくる。
存在しないハピエン脳がうずく。幻肢痛か?
サムネイルでお借りした
「みんなの反応集ジェネレーター」
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