けーせいのざくざくアクターズ考察③ 初期構想を考える(中編)

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三章シナリオ

魔女の館ホラーハウス

残念な話だがラージュ姉妹は登場しない。初期構想でミアラージュという4属性使いが登場するのは非常にややこしい事態になりかねないからだ。

しかしこのイベントそのものが完全に無かったわけではない。初期構想では存在していたがボツになったイベントのマップを流用していると思われる。その内容は以下の通りとなる。


はなぞの園イベント

この名称にピンと来る人は少ないと思う。これは「ざくアクファンブック設定資料集」に登場するスライミーズのインタビューで登場する場所だ。

インタビューの要点を搔い摘むと、元々は人間で孤児だった彼女達は、人食い魔女によってはなぞの園長に連れ込まれ、そして食べられかけてしまう。鍋で煮込まれあわやというタイミングで鍋が彼女を吐き出した事で一命をとりとめたが3人の身体は溶けて固まりあのような姿になった。(そして園長はスライミーズの歌で苦しめられて鍋に落っこち絶命)

ホラーハウスに何の気無しに配置されているスライミーズに壮絶な過去があった事を知る衝撃の展開だったが、奇妙な点がある。それは鍋が彼女を吐き出したと本文にも記載されている。つまり言い換えればこの鍋は意志を持っている事になる。本編登場したキャラの中で意志を持つ鍋と言えば一つしかない、ホラーハウスの食事当番だ。そもそもホラーハウスはひとりでに動くホウキなど、お化けの要素というよりは魔女の要素なキャラが配置されている。

つまりホラーハウスはボツになったはなぞの園イベントを使いまわした場所だ。あの場にスライミーズがいたのはその名残だ。

では何故はなぞの園はボツになったのか?それはメニャーニャが深く関わるイベントだったからだ。前回マクスウェルが離脱するイベントがあり、その後の異世界編はこちらでは言い換えればエステル離脱イベントだ。ならばメニャーニャ離脱イベントもどこかであるはず。それがこのはなぞの園だ。

メニャーニャは召喚士組の中で唯一幼少期や家族関係の話が全く出てこない。若くして要職に就いているなら家族の反応とかもありそうなものだが、そういう話が出てくる様子は一切ない。それは彼女が孤児と判明するこのエピソードがカットされたからだ。

つまりはなぞの園とはメニャーニャの古巣。彼女とスライミーズは同郷の間柄だ。

そしてメニャーニャが離脱したと考えた場合欠けた戦力が補充される。つまり雷属性の味方が一時的に加わる。それは誰かと考えるとサイキッカーヤエで間違いないだろう。主要登場人物がメニャーニャ、スライミーズ、人食い魔女、そしてキャサリンもこの頃からいたと考えるとかなりメンバー構成がジキルとハイドチックな事になっている。このメンツでヤエが登場しないのはむしろ逆に不自然まである。

そして孤児となった原因は、想像するにハグレ大戦だ。初期構想のシナリオは本編よりも民族問題を主軸とした物語となっている。コチラのメニャーニャはハグレを憎んでいる、その原因がコレだったと判明する回なのだ。


ケモフサ村

おおまかな流れは同じ、マーロウを加入させたまま洞窟奥地へ向かうがトゲチークの一件で人が変わったシノブにハメられキーオブパンドラの返還を尽くで要求される。そして本編通りの流れでデーリッチではなくエステルが行方不明になる。


エステル離脱イベント

異世界編ではなくこう記載した理由は、初期構想でエステルは異世界ではなくこの世界の果てに飛ばされたからだ。要はてこてこ山周辺の事だが、初期構想ではそこを訪れるのは初めてとなるので異世界じゃなくても矛盾は発生しない。

現在の座標がわからない為転移も使えない為戻れない。その上で身分を証明できるものが無くなったエステルは見知らぬ土地でハグレとして扱われる。自らが被差別側に回る事でケモフサ村が立たされていた苦境を身を持って知る事になる。

そんなエステルの行方を掴むのはクゥエウリ。彼女が欠けたエステルの補充戦力となる。本編ではほぼ忘れられている設定だがクゥエウリの肩書はシャーマンだ。占いによってエステルの居場所を突き止め3人はそこへと向かう事となる。


マリネリス渓谷

本編と順番が逆転するが、初期構想ではエステルを助けるための旅路でここを通過する事になる。パンドラを所持したエステルが行方不明の為移動は徒歩になるからだ。……つまりエステルは猫耳メニャーニャを拝めなかったらしい。無念だ


てこてこ山

サイフフ村に到着した3人は村からエステルの受けた仕打ちを知る。「ハグレの扱いはこんなものだ」と告げるのはローズマリーではなくクゥエウリ。身内が被差別者と扱われたことで、最早ハグレの問題は他人事ではなくなる。

しかしその一方で召喚士を助ける為に獣人の力を使ったクゥエウリと彼女を信じた2人のおかげで間一髪、スカイドラゴンの一撃をマクスウェルとメニャーニャに庇われ助けられる

エステルは2人に感謝すると共にクゥエウリにも必ず戦争の惨劇を繰り返させない事を誓う。


帝都防衛戦

おおまかな流れは同じ。しかし交渉役(大人プリシラ)がいない為エルフとも戦闘する事になる。西門をエステル、南門をメニャーニャ、東門をマクスウェルがこれまで交流してきたハグレ達と共に防衛する事となる。(ゲームシステムの違いから1パーティにつき3,4人いれば事足りるのでこの人数でも防衛可能)

雨が降って窮地に陥ったかに見えたが、メニャーニャが復活させた古代ゴーレムによって逆転勝利する。


そして重要となるのがここからシームレスでシノブとの決戦に続く事。つまり4章の内容は大幅にカットされる。よってウズシオーネ及びポッコは影も形も出てこない。そして雪乃帰還イベントもないのでシノブと和解しないまま話が進む


ズブーブ大湿原

反乱軍の退路であると同時にシノブの本拠地時計塔に続く道となっている。ゼンマイ山とBGMが一緒で雰囲気も似ている。敗北した反乱軍はシノブに助けを求めた、追撃がそのまま彼女の居場所を探し当てる結果と繋がった。

本編ではここでマーロウとメニャーニャが争うもエステルに止められ突如襲ってきた魔物相手に共闘して和睦を結ぶ。この流れだがメニャーニャの病んだ顔グラが存在する辺り、恐らく初期構想でもそのまま発生している

既に召喚士組はマーロウと争う理由はないはずだ。では何故メニャーニャが暴走したのか?それはここに至るまでの道のりで何かのはずみに判明してしまったのだ。メニャーニャが戦争孤児になった原因を。

メニャーニャの両親を殺害したのはマーロウだ

しかし本編との違いがマーロウ側にも存在する。この一件の後に彼はハヤサカの墓に手を合わせる。しかし初期構想では召喚士協会が活動拠点となるので破壊されては困る。よって自爆テロも発生していなければハヤサカも死亡していない。

ではこちらでは誰の墓か?クゥエウリという養子を迎え入れているマーロウが手を合わせる相手となると予測は簡単だ。

マーロウもまた実の娘を失っていた

両親の仇と判明したマーロウを追い詰めるが、ハグレの扱いを知った召喚士達、そしてクゥエウリの存在、1人でも多くを助ける為に奮闘するマーロウの姿を見て、そしてエステルに諭され理解する。自分も彼も同じ痛みを抱えそして同じ過ちを犯している事を。だから自分と同じように生きて人の役に立てと彼らを助け和解する。



残りのシナリオは短いが、黒幕が別人だったりここから先こそ変更点が多いので執筆量は長くなると思う。なのでクライマックス直前のここで一旦区切らせてもらう。


次元の塔解析

メインストーリー4章パートが長くなるので先にこちらの解説を行いたいと思う。

本編では仲間を集める目的も兼ねていたが、初期構想では耐性装備を集めるのが目的となる為ここでの仲間の多くは追加された、つまり初期構想では存在しなかったキャラも多い。


1層

こたつドラゴンは本編通りにボスとして登場する。仲間にはならないがエステル達に喝を入れられ改心し後のある場面で再登場する。


2層

ゼニヤッタも本編通りに登場する。イルヴァを共闘して倒した後に見れる兄からの手紙は仲間を集めた旨ではなく「お前にはちゃんとした力がある」という内容になっている。そしてカツアゲを辞めて真っ当な仕事に就くと誓う。


3層

ミアラージュがいないのでヘルラージュもいない。ついでに言えば山賊兄弟も登場していないからここでのイベントは別の悪党、恐らくはむすけ&どらごんをブチのめす内容となっている。


4層

地竜戦後、はむすけ&どらごんが逃げなかった結果彼を親と思い込む。強力な味方を手に入れるつもりが出てきたのは赤ん坊で、自分と似た姿のどらごんを親だと思い懐く。手下を欲しがったはむすけは地竜ちゃんの子守りを課せられる事となった。


5層

ドリントル姫は恐らくいない。いてもその後の処遇に困るからだ。しかし宇宙海賊は存在するので「通す通すさあたしが通す」のやり取りは初期から用意されていた


6層

ここで登場する売店で売り子をしているのがゼニヤッタになっている彼女は真っ当な(?)仕事に就いたようだ。

そしてトーナメントの出場メンバーも様変わりしている。

最初に登場するのは山賊一味ではなくはむすけ&どらごん&地竜ちゃん。地竜ちゃんの方がよっぽど強く彼らの情けなさ、そしてベビーシッターの苦労が垣間見える事となる。

そして柚葉は残念ながら登場しない。器用万能で強キャラな彼女は戦力分散を強いられる帝都防衛戦の救済措置に用意された。デーリッチ以外で全体蘇生が使えるのはその為だ。

そして決勝戦はドラコではなく覚醒したこたつドラゴンが相手となる。本編では半ばイベント戦状態だったがコッチはガチの超強敵枠だ。というかイリスこそが彼女がボッシュートされた代役だ。よってイリスも登場しない。


7層

ここまでの流れから恐らくヴォルケッタもいない可能性のほうが高いがマグマドラゴンのやりとりがどうなるのか不明。それ以外はだいたい似たようなもの。


8層

福ちゃん再登場&再加入して進行する。クラマは恐らく登場しない。そして8層超強敵だがマリオンではない。パーティ変更不可能で彼女の撃破は無理ゲーもいいところだからだ。らんダンシステムで最適な超強敵となれば全属性を満遍なく撃ってくるような敵となるだろう。つまり元々の8層超強敵はオーバーロードだ。7層に何の気無しに配置されていたのは彼をボツにするのが勿体なかったからだろう。


それでは次回最終章。怒涛の超展開となってますのでお楽しみに!


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