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創作

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詩、短編
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#詩

挿入歌

なんだろう 木漏れ日みたいな白が 脳内をマーブル状にして ぱっとはじける感じ なにも残らないのに じわじわ温もり、みたいな そんな白でもう どうしようもない 懐かしいのも 不安なのも いたたまれないのも 寂しいのも 全部自分の所為なのは 知ってる それでも縋るのはきっと 自己満足で醜いし きっと一生手は届かない そんなのわかってる あたしはあたしで あなたはあなたで あの人はあの人 そうやってできてる世界が 繋がらない世界が もう もう 切なくて 切なくて 切なく

おやすみぷんぷん

マスクをして めがねをかけて マフラーをして いつもの電車に乗ります うんと混んでるから 本も読めず ケータイも見れず 音楽はきらいなので しかたなくぼーっと立ってると 一日がはじまってます 東京に来てから そらを、 見なくなりました オリオン座はいつの間にか 西に傾いてます 知らないうちに 地球は確実にまわっていて あたしは老化します もう、ずっと いろんな いろんなことを話してます あたしのこと 思ってること 考えてること でもなにも残らない 誰のなかにも あた

願う夢

くらくらするの耳鳴り 今日はとても晴れた日 あたしはどこへ行くの? ゆらゆらするの眩暈 海のいろを見てるの 飛んで消えてみたい 手をのばしてのばしても つかむのは欠片ばかりで ぐちゃり微か音をたてた 踏みつぶしてた小さな鳥 皮膚をちぎって浮かべて 雲にしてみるの ふわり あたしの中のきたないものが 全部なくなりますように ふらふらするの指先 文字をなぞる あいう あたしの言葉はどれ? きらきらするの視界 空のいろを見てたの 飛んで消えてみ

おもいで

ランドリーを くるくるまわる 色をみてた ふくらし粉が ぱふっと散って まっしろな手と手 笑いあう 庭に出る 太陽のにおい きらきらの風 傾けたじょうろが 描いた虹を 閉じこめたくて、 手を伸ばす ぱちりと 消えた めずらしく今日は 貴方がいた とびきりの日曜 written: 2009.1.6

しあわせな朝

いつものコーヒーが 舌を刺す痛み はじけた拍子に こぼれたミルクは白 かなわない夢をみた 焦がしたパンの苦み いつもの朝のにおい 貴方のシャツは白 すべてが流れる方向は いつのまにか決まっていて ただ、 ただ何とはなしに しあわせな貴方の隣にいる かなわない夢をみる 貴方のシャツは白 あの人のシャツは青 この、 透明な空の向こうの色 written: 2009.5.15