パイナップルみかん短編&詩集(R4/11)
「紳士なゾンビ」
私は今日も母の墓の前で夜を明かすつもりだ。 毎日毎日ここに来る。 他に居場所なんてない。 もう何回も泣いたはずなのに、涙は枯れることがない。 「おやおや、どうなさいました?」 振り向くと片目のゾンビがいた。 吐息に腐臭が混じる彼は、今では私の数少ない友達だ。
「浮かび上がれず底でたゆたう」
まっくら。。。 なーーんにも見えない。 明かりも流れもない海底は、私に安寧をもたらした。 ここには確かに得るものは、なんにもない無い。 でも私を傷つけるものも無い。 水