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2023の徳島と日本サッカー(完結)

疑問のなかにも期待は捨てずに見守っていったW杯終了までの活動を中心に自分なりに振り返りたい(ウルグアイ戦までに間に合った!)


五輪後の続投判断について

決してチームづくりとしてうまくいっているとは思えなかったが

・直前での変更で最適な人材がみつかるのか
・これまでの失敗を糧に成長できる可能性

この二点も踏まえての続投ではないかと自分のなかで一旦納得させていた。


協会が発信した続投への考えはもちろんこのようなこれまでを否定するものではなくまた根拠に疑問を感じる「信頼」という類のものではあったが、
マイナス面を理由として発信する訳にもいかないだろう。それが本心でない可能性も考えていた。

そしてその本当の答えはW杯後に出るだろうとも。



五輪〜W杯

前線からの連動した守備については結局W杯を二ヶ月後に控えた2022年9月(この時点で既に4年経過)のアメリカ戦にて

・FWの位置を下げることで他との連動性を高めること
・そこからショートカウンターをできる人材の起用(前田・浅野選手)

でやっとかたちになったと見ている。

しかしそれも臨機応変に応用するまでは着手できてないままW杯本番を迎えたからこそ、ドイツ戦前半はそのかたちがミスマッチになった場合にスムーズな変更ができず右サイドを崩されることとなった。

後半いきなりの5バックという突貫工事で乗り切り、
スペイン戦ではまたも突貫工事の「フランクフルト式」…選手からの意見を土壇場で採用したかたちで勝利するも最後はクロアチアにPK負け。

・板倉・浅野選手の判断と個性
・決して理詰めで嵌めた訳ではないプレスからの堂安選手の個性

…勝利した試合も個の頑張りによるところは大きく、
それを引き出した・支えたのはチームとしての組織…とも言えなくはないがやはり五輪同様に組織の構築が選手を助けるまでには至らなかった印象を持った。

例えば、オランダ対セネガルではセネガルは早々に守備時の前線の配置を1→2に変えて対応している。
攻撃時にはスムーズに初期配置に戻しつつスムーズなビルドアップを見せていたところからはニの手まで準備できる本物の再現性が感じられた。

オランダはブラジル大会に引き続きファン・ハール監督は5バックを選択したが、
これも前回大会の2トップの個性に頼るやり方はとは違い選手の個性に合わせてスムーズなポストプレーなど攻撃方法を変更していた。
また優勝を念頭に置いたからこそ強豪の一角であるオランダは5バックという守備を重視した後ろ重心のシステムを敷いたうえで攻撃を準備したのだろう。


日本にあってはカタールW杯後の谷口選手の記事で5バックで守備は良くなったがその後の攻撃にまで着手できなかったという話も出ており、
その対戦相手を見据えた計画性含めて足り無さは明るみになっている。



「再現性」

何度か触れているのだが、これは読まれてしまったら終わりのものを指すものではなく読まれたらそれに対応する・逆を突くところまで設計して初めて完成するもの

四年生強あったこの強化の道のりの末に迎えた本大会は充分な期間があったにも関わらず未完成な組織で臨み、土壇場の策と選手の頑張りで何とか過去最高成績に並んだ大会となった。

結果は更新できず、過去世界一になったスペインとドイツを実際以上に大きな存在に祭り上げ価値ある大会と盛り上げたメディアがあるが、
ドイツはともかくスペインは日本と同じベスト16で敗退
結果以上の価値を見出すのは無理があるのではないか。


W杯後〜現在

「日本にポジティブな影響を与えた」

「国際的に日本サッカーの地位を高めた」

「同じ方向を向かせることに長けている」

「戦術を変更してフレキシブルに」

「大会を踏まえての成長に期待」

https://www.google.com/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20221228/amp/k10013936831000.html

続投に関する評価を抜粋した。

2つ目までについては、これは監督に対する評価としていいのかどうかという疑問がまずある。
これまでに述べたとおりまず本大会は選手の頑張りがあってのことで、またそれを助ける組織が構築できていれば更に良いサッカーができていたのではないか。

「ポジティブな影響」
…というものもどういったものを指しているのか。
一部メディアの「強豪を倒した!」という持ち上げのことだろうか。
それは素直にすべてを信じていいものだろうか。

「戦術を変更してフレキシブルに〜」
…については、未完成なままの出たとこ勝負であり、フレキシブルな変更は訓練されたうえにそれを可能にできるセネガルのようなチームを指すのではないか。

「同じ方向を向かせることに長けている」
「大会を踏まえての成長に期待」
…これについては人格的な面は確かにこれまでの外国籍選手より「日本人監督は」長けている印象があるのだが。特に「森保監督なら」とはならない理由な気もする。
しかし続投に希望を持てるのであれば、この要素なのかなと考えている。

ただそのなかでも現監督は長期間課題が改善しなかった過去の経緯から、
たとえば同じように本番直前で戦術変更して同じ結果を出した岡田元監督との印象は異なる。
岡田元監督は、さほど組織的な問題を感じなかったアジア予選を経て本番を見据えて3ボランチ等の戦術変更を試したり、経緯や納得できる部分があり「突貫工事」とまでは感じない計画性があった。

W杯後のウルグアイ戦

W杯ではどちらが格上かはともかく、
お互いにトーナメント進出を狙うなか勝ち点を最低1は取りたい相手同士
どのような意図で、どのような戦術を敷くのか。

「前からガンガン」
「攻撃的」

であれば、これまでの積み上げが見えない少し不安なスタートになると考えている。

また協会については、特に会長からは根拠の見えない耳心地だけよい精神性の強い「ふさわしい」「ポジティブ」「新しい景色」という言葉が目立ち、
そこには具体的なサッカー面やチームづくりに触れたものが外向きとはいえ少ないような印象があり引き続き不安を持っている。
まだまだ「彼ら」のなかだけで収めているものを多く感じるのである。

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