PM/TE/パス基準から理解する監査法人対応

前々から気になってたこれ↓
記載が具体的でほんとお世話になる。。

概要

例えば、
・「監査上の重要性の基準値」を20,000円
・「手続上の重要性の金額」を10,000円
・「パス基準の金額」を1,000円
の場合、

①監査チームの各担当者が着手する対象は、「手続上の重要性の金額(10,000円)」超の科目だけ。それ以下の金額の勘定科目は見ない、スルーする。
②勘定科目の監査に着手しても、勘定科目の内訳のうち、「パス基準の金額(1,000円)」以下の内容は、見ない。スルーする。
③勘定科目の監査によって金額誤り(虚偽表示)が発見されると、経理担当者に報告するが、合計して「監査上の重要性の基準値(20,000円)」以下の誤りなら、修正しなくてもよい。

監査上の重要性の基準値(PM)

・財務諸表の虚偽表示のうち「修正しなくても許容される金額」の合計値
・決算を早期化するために、時間がかかっていた項目を概算で計上してしまうこと」も、その金額の大きさによっては許容される
・PMの算出方法:https://kk-audit.com/?page_id=3252
・スキルの低い主査会計士は監査プロジェクトの早期にPM枠を使い果たしてしまうことが多い:https://kk-audit.com/?page_id=3254
・特定項目について個別PMが設定されることもある(あくまでも例外):https://kk-audit.com/?page_id=3268

・虚偽表示は1件ずつではなく合計金額でPMと比較する:https://kk-audit.com/?page_id=3270

・虚偽表示の未修正は、基本的に翌期へ繰り越される:https://kk-audit.com/?page_id=3274

内部統制監査上の金額的重要性

・通常、「内部統制監査上の金額的重要性」は「PM」と一致する(監査・保証委員会報告86号「実務上の取扱い」)

手続実施上の重要性(TE)

・手続上の重要性TEは、PMの50%ないし75%
・PMが2,000円、勘定科目が計50個だとすると、すべての勘定科目で40円未満の虚偽表示であれば、集計してもPM以上の額になることはない(なので、40円未満の勘定科目は見なくてもOK)

パス基準

・パス基準の金額は、PMの5%(未満)としている監査法人が多い。

TEやパス基準未満の金額について監査法人対応するのはやりすぎ

その他、気になったQA

PMの期中変更は禁止

連結財務諸表監査におけるPM/TE/パス基準

四半期レビュー

四半期レビューの手続は、年次監査と比較して、確立されていないため(実務上は簡易版でOK)

前期評価の利用

経営者評価では「前期からの変更の有無」の確認のみで充分だが、内部統制監査で経営者評価を利用している場合はTOD/TOEが毎年必要

経営者評価結果を利用するための要件

インストラクション

インストラクションって何?

財務諸表監査結果と内部統制監査結果の影響関係

・内部統制監査結果が財務諸表監査結果に影響を及ぼす例:内部統制が非有効だと、財務諸表金額に影響が及ぶ
・財務諸表監査結果が内部統制監査結果に影響を及ぼす例:決算・財務報告プロセスの不備の集計

内部統制の文書化

内部統制評価文書の誤記は虚偽表示ではない

「簡便な会計処理」と「間違った会計処理」

重要性の原則

企業会計原則:一般論
└会計基準:特定テーマ
 └実務指針

監査におけるIT専門家の活用

紛らわしい監査用語

金商法監査と会社法監査は同時に受けるが、監査報告書は別々に作成する

虚偽表示金額の概算

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