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公衆衛生ー環境問題

Lancet planetary healthより紹介
地球全体のことを考えることは2000年代に入ってからよく言われていた. 「地球に優しく」みたいに. ACのコマーシャルもよくやっていた.  実際、環境規制はだんだん進んでいると思う. ただそれでも、自分のことに置き換えて考えると、環境問題や南北問題というのはどこか他人事、「地球に優しく」というのは所詮キャッチコピーでしかないと思っていたし、今でもそうである.

しかしここに書かれているように、世界的なコロナウイルスによる一連の騒動は、今までの環境問題や気候変動、グローバリゼーションの結果起きた必然であろう. どこそこの国が悪いという話は置いといて、本当に皆で協力して解決しないと共倒れになる.

Lancet planetary healthは環境問題や気候変動と我々の健康に関連した研究結果が掲載されている. 普段あまり考えないような研究テーマが書かれていて面白い. 他にこんな研究がある.
インドにおける大気汚染と疾病負荷の関係性について
中国における大気汚染とインスリン抵抗性の関係性について
もちろん、COVID関連の論文も多数ある.
このLancet planetary healthにたびたび取り上げられているSDGsという単語、最近医師国家試験のキーワードにも挙げられ、テレビでも頻繁に取り上げられるようになった.
SDGsだけでなく、電気自動車への移行や再生可能エネルギーなど、持続可能なインフラの開発が最近の話題だ. ただ持続可能な開発や「地球に優しく」というやつは、ともすれば「野生に帰れ」「成長するな」みたいに捉えられなくもない.

社会全体として緩やかな成長になるのは確かにいいかもしれない. でも個人としてわざと「緩やかに」成長することなんてできるだろうか. SDGsと名のついた記事や番組もそりゃ聞こえはいいけれど、そんな綺麗事なんて言ってられない、とにかく金を稼ぎ、飯を食うためにはなりふり構っていられないという個人もいると思うし、それをゼロにすることは不可能. そもそも、自然環境のために完全に管理された社会があったとして、そこにいる個人は果たして幸せなんだろうか. 管理社会や福祉国家というのは一見幸せそうに見えるが、そこに批判的な眼差しを向けた人もいる. その話はまた今度.

結局のところ、人間も所詮動物であるから、「セックスしたい」「金を稼ぎたい」「腹が減って飯を食いたい」「かっこいい車にのって周囲を威圧したい」という原始的な欲求には勝てないような気がする. 今の自分を振り返ってみても、とてもじゃないがそんな地球のSDGsなんて考えた暮らしをしているとは思えない. じゃあ理性的に考えることをやめて環境破壊を野放しにしても良いのか、と言っているわけではないけれど、残念ながらいつかは人類が地球に住めなくなる日が必ず来てしまうのだと僕は思う. もし自分が生きている間にそういう事態に陥った時、人は何を思うのか. (終)

今回の論文はこちら


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