楽をすること

「楽をする」というのは手を抜いているような悪いイメージがあるかもしれません。しかし別に楽をしてもいいじゃない、と私は思います。だってどこまでやるかなんて個人の自由だろうし、言い始めたらキリがありません。

楽をすることについて、自分に評価を下すには二つの方法があります。一つは自分のみにおいて評価する方法です。例えば〇〇大学に合格することを目標とします。自分が既に合格圏内にいる時、勉強をする必要はありません。みんなが必死で勉強しているとしても、自分に必要な分は終わっているので、その分他のやりたい事をすることができます。勉強をしない事をタスクを減らす事だと考えると、これは楽をしていることになります。しかし、別に苦労する必要は無いので、悪い事をしている気持ちにはなりません。

もう一つは他人と比較する方法です。例えばクラスメイトは毎日勉強を頑張っている。それに比べて自分は楽をしているな、と考えます。これは先程の自己評価を思いだせば悪いことではないはずですが、周りと比べて楽をしているとなんとなく劣等感を持ったりしてしまいます。これについて、例えばグループワークで考えるとより現実味があります。グループに懸命にやろうとしている人とほどほどでいいやと思う人がいるとします。すると当然、お互いに不満を持ってしまいます。世間的には懸命にやろうとしている人に合わせるのが良いように見られるかもしれません。懸命にやった方が良い結果が出やすいからです。でもほどほどにやろうとしている人はそういう良い結果と苦労を天秤にかけて楽をしているわけですから、そもそもゴールが違うのだと思います。だから私はグループワークが嫌いです。(自分がサボりたい時は周りに申し訳無いし、自分が頑張りたい時には周りが邪魔になります。これを無くすにはそれぞれのゴールを一致させればよいので、会社に入ったら「より良いものを作る」という方向である程度まとまるのかなぁと思いますが、それでも期限やお金との兼ね合いがあったり、「ここまでできたら十分」と考える人がいたりするのかなぁと思います。)

次に、楽をするにはどうしたらいいのかについて考えてみます。楽をするには色んな方法があります。最も簡単なのは手を抜く事です。しかし手を抜くと、そのツケは後で返ってくるので、私はあまり好きではありません。私が最も好むのは楽をするために苦労する方法です。わかりやすく具体的に言えば、作業を楽にするためにコンピュータを使う、コンピュータを使うためにコンピュータの使い方を学ぶ、といった感じです。これは楽をする事ができる上に、その過程で何かしらスキルを身につけることができます。これによって自分のできる事が増えます。楽をしようとして、できる事が増えるって、お得だなぁと思います。

さて、楽をすると、できる事が増えます。これは二通りの意味があって、一つは先ほど書いたようにスキルが身につくという意味です。もう一つは楽をすることによって別の事に使える時間が増えるという意味です。つまり楽をする事によって多様な、そして数多くの事ができるようになります。たくさんの事をやるというのは、楽なことではありません。言い換えれば、苦労することです。つまり、楽をするために苦労する、そして苦労するために楽をする、というわけです。勿論これは最初に挙げた自分のみにおいて評価する立場を取れば成り立ちません。なぜならこの立場では楽をするために苦労しないし、楽をした後に苦労しないからです。しかし私は基本的に他者評価しか使わないので、楽をするために苦労し、苦労するために楽をします。

自分が苦労しているなぁと思った時は楽をしているなぁと思う事ができます。楽をしているなぁと思った時は苦労しているなぁと思う事ができます。

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